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ゼロから始める伊賀の米づくり17:春起こし終了〜代掻きへ

前回、トラクターのボンネットから白い煙を吹き出すという思わぬ形で中断してしまった春起こし。

どうにか、トラクターの部品交換により再開できることとなりました。

春起こしがどうして重要になるかと言えば、この時期は冬が終わり、温かくなってくることで雑草が多くなることが挙げられます。

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極力、田んぼに生えてくる雑草は除去し、稲のための栄養が雑草にとられてしまわないように気をつけることが、慣行農法では求められます。

これら雑草もトラクターによって土中に鋤き込むことにより、栄養分となってもらうことを目指します。

ちなみに、我が家が管理している田んぼ(圃場)には、平地とは違う様々なものが落ちてきています。

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神社に面したこちらの田んぼでは、神社の敷地内に植えられている椿の花びらや枝、枯れ葉がが落ちてくることもしばしば。

なにやら華やかな地面になっています。

この花弁や枝、枯れ葉には微小な虫や微生物も潜んでいるはずですが、これらの存在も田んぼの環境に多様性を与えてくれていると思うと、

あぁ、ありがとう

という感謝の気持ちが芽生えてきます。

さて、田んぼの中を歩いて確認してみると、田んぼの四隅では雑草の侵蝕が確認できます。

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畦道に生えている雑草は、徐々に田んぼの敷地内に生育圏を伸ばし、自らのいのちを育んでいこうとします。

このまま何年も放置していたら、すっかり畦道と圃場の境界はなくなり、土は緑に覆われていくことでしょう。

私の住んでいるエリアは平地ですが、山間の圃場だとさらにこの自然の侵蝕は加速するでしょう。

農の営みは、自然との戦いでもある。

そんなことを考えさせられます。

考えを巡らせているだけでは作業も進まないので、改めてトラクターに乗り、春起こしの続きに取り掛かりましょう。

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今回、トラクターに乗り込んだのは3月末。
すっかり春らしい陽気となり、桜が咲いているのも見えます。

作業途中に花見ができる、ちょっとお得なスポットです。

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機械の入れない四隅は、鍬を持って人間の手で耕し、雑草を鋤き込みます。

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これにて終了!

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祖父の代から長年頑張ってくれているトラクターですので、水洗いして労います。

オレンジ色から、さらに濃く鮮やかな朱色のボディが夕暮れ時に光りました。

さぁ、予想外の中断からどうにか春先の用事も済みました。次回は、いよいよ4月末。水を田んぼに取り込んでの、代掻きです。


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