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自然農法×バケツで始める米づくり5。育て始めて4ヶ月目、ついに出穂🌾

兼業農家として実家の田んぼで米作りをしている私が、家庭菜園的に庭先のバケツで稲を育てるチャレンジシリーズ🌾

循環畑の実践者で、長年の友人である宮慶優子さんに『ハッピーヒル 』というお米の種籾を分けていただいたところから始まり、前回はバケツの水を一度抜く、中干しを行いました。

今回は、その後の経過を綴っていきたいと思います。

1ヶ月に及び、変化が見られないバケツ稲

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中干しをして以降も、バケツ稲は順調に葉を伸ばし続けていました。

もはや、横画面では全体像が写りづらくなり、縦画像がずいぶん増えてきたように思います。

思えば、この頃になるとバケツごとの成長の差に若干の変化が現れていました。

植え替えを行った新しいバケツ、行わなかった既存のバケツによる生育差はほとんどなくなり、逆に新しいバケツの稲が急速に伸びていきました。

一方で、既存のバケツの稲の生育が伸び悩み、停滞期のような期間がありました。

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どうやら、これはバケツのサイズに影響されたようです。

新しい方のバケツ(黄色など)は、土を多く入れ、また、土中を深くできるように大きめのバケツを用意しました。

一方で、既存のバケツは浅く小さめのバケツが多く、大きめのバケツよりも土の栄養分の量の違いによってか、根を張れる土の深さによってか、だんだんと伸び悩むようになった様子でした。

以下の画像、右手が既存バケツ、左手が新バケツですが、明確な差が出てきています。

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とはいえ、最後まで見守ろうと決め、まだかまだかと出穂を待ちながら過ごしました。

あまりにも長い間、穂が出てくる様子が見られない為、「まさか、失敗したのか?」と不安に駆られることも何度もありました。

そんな時、実家の方での稲刈りに忙しくなってしまい、バケツ稲に構えない期間がありました。

ようやく一段落してバケツ稲の様子を見に行くと、

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「あぁっ!!!穂が出てる!!!」

ついに出穂していました。

また、よくよく周りの穂を見てみると……

「ああっ!!米の花が咲いている!」

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白くとても小さな、米の花が咲いているのも確認できました🌾

特殊な品種?ハッピーヒルの出穂について 

このハッピーヒルという品種は、不耕起・無肥料・無農薬で作物を育てる『自然農法』を確立した福岡正信氏が交配、育成したお米の品種のことで、その名の由来は、福岡正信氏の名前から福(=Happy)岡(=Hill)と直訳し、名付けられたそうです。

他の実践者の皆さんによると、鈴なりの穂がなり、また、畑で育てられる米・陸稲としても水田で育つ一般的な米としても育てられるという、少し特殊な品種のようでした。

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私は仲間と共に循環コモンズ村という取り組みを行い、その中で雨水のみで米を育てるチャレンジを並行して行っています。

🌱植物が育つ土中の水脈循環と多様な生態系🌱 元笹ヤブの耕作放棄地だった「岡山の循環コモンズ村」では、ついに雨水のみの陸でのお米に穂がつきました🌾 三重県でお米づくりをしている大森ちゃんの愛情が溢れ、密集しながらの丸い循環畝の中で、種まき...

Posted by 吉原 史郎 on Monday, August 16, 2021

ここでも、ハッピーヒルが育っているのですが、やはりじっくりと成熟するのか、他の品種よりも成長が遅く感じられました。

私の実家の田んぼで育てているのは、コシヒカリ。

コモンズ村で育てているのは、農林1号。

そして、バケツ稲で育てているのはハッピーヒル 。

それぞれの品種に生物としての特徴があり、人間の立場からすると食味が異なったりするわけですが、こうして同時並行で育ててみることで見えてくる視点は興味深いです。

不思議なことに、バケツごとの生育差は、今やほとんどなくなっていました。きれいにどのバケツもほぼ横並びの背の高さと、穂の出具合です。

自然の神秘を感じます。

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今しばらく、この穂や葉が黄色く染まるまで、見守りの時期が続きます。

ともあれ、最後の収穫が楽しみになりました🌾



サポート、コメント、リアクションその他様々な形の応援は、次の世代に豊かな生態系とコミュニティを遺す種々の活動に役立てていきたいと思います🌱