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【読書案内】国語を学び直すための本

こんにちは、Yukiです。

今回は"国語"をテーマに本の紹介を行います。なおここでいう国語とは、日本語のことを指します。

なぜ国語をテーマにしたのか?それは、一般的に国語の重要性があまり認識されていない、言い換えれば過小評価されているように思えるからです。実際、「わざわざ国語を学ぶ必要なんてあるのか?」「将来役に立たない」とう意見を耳にします。

おそらくこのような意見の背後には、国語=日本語は母語だからという理由があると推測しています。国語は日常的に触れているし、実際に使っている。英語をはじめとした外国語であれば、日常的に触れていないから学ぶ必要がある。けれど国語なら普段から接している。だから今さら学ぶ必要なんてないし、学んだところで将来役に立たない、と。

確かに母語であれば外国語と比べて日常的に触れている頻度が大幅に異なります。ですが、触れている頻度が異なるだけで、日本語も外国語も同じ言語である事には変わりありません。同じ言語であるなら、外国語を学ぶように日本語も学ぶべきではないでしょうか?

日常的に触れていれば一定の水準までは運用能力は向上するでしょう。しかしその一定の水準を超えて、更に能力を高めたいと思ったら、学ぶ必要があると思います。

そこで、過小評価されている国語を捉え直し、改めてきちんと学ぶための本をご紹介します。

①村上慎一『なぜ国語を学ぶのか』

すでに僕の国語に対する考えは述べましたが、そこで想定していたのは厳密に言えば、現代日本語です。したがって、古文・漢文は含めていませんでした。本書では、評論文、小説、古文・漢文、と範囲を広くし、国語を学ぶ意味について考えます。まずは本書を読むのをオススメします。

②渡部泰明 他『国語をめぐる冒険』

本書の冒頭で、著者の一人である渡部さんは「国語は冒険だ。」と断言しています。国語を学ぶというのは、冒険することであると考えているからです。

本書では、「国語=冒険」という考えをもとに、国語を学ぶことの意味や、国語を用いてどう生きていくか、ということを考えていきます。

③原沢伊都夫『日本人のための日本語文法入門』

本書はタイトルの通り、日本語の文法がテーマです。日本語の文法を習った記憶はあるでしょうか?おそらく中学あたりで1度触れているのではないかと思います。

しかしそれ以外となると、ほとんど勉強する機会はありません。僕は英語で文法を習うように、日本語の文法ももっと力をいれるべきではないかと思います。なぜなら文法とは言語の規則であり、規則を理解していないと言語運用に支障が出るからです。

本書は、日本語文法を学ぶ上で最適の入門書です。

④小池陽慈『“深読み”の技法: 世界と自分に近づくための14章』

言語には、読む、書く、聞く、話すの4技能がありますが、その中でも読むことに焦点を当てたのが、本書です。

「深読み」という言葉は否定的な意味で使われることがあります。「深読みしちゃったんだよね」とできれば避けた方が良いこととして捉えられています。

しかし時には、1つの文章に徹底的にこだわって深く読むのは、良いことではないか、素晴らしいことではないか。深読み=ネガティブというのは、勿体ないというのが小池さんの主張です。

本書では、深読みするための方法やそもそも読むことの意味が解説されています。個人的には、高校生の時にこの本を読みたかったです。それくらい良い本で、きっと当時から読みに対する印象が変わったと思います。

⑤小池陽慈『無敵の現代文記述攻略メソッド』

もう1冊小池さんの本を挙げたいと思います。『“深読み”の技法: 世界と自分に近づくための14章』の第6章で、じっくり読むこと=精読が扱われます。本書はその精読を徹底的にトレーニングするための本です。

対象として大学受験生であり参考書ですが、そうでなくとも読解能力を高めたい人にとてもオススメです。また個人的な意見ですが、この本も高校生の時に読みたかった1冊です。

⑥戸田山和久『最新版 論文の教室 レポートから卒論まで 』

ここで読むから離れて書くに目を向けたいと思います。最近「論理的に書く」と言われることが多くなりました。そのためか、「論理的に書く方法」「ロジカルライティング」というタイトルの本が多くなったように感じます。

論理的に書くって大事そうだけど、どうやったら良いのか分からないという人に強くお勧めしたいのが、本書です。副題に「レポートから卒論まで」と書いてあることから、「レポートも卒論も書かないから関係ない」と思ったのであれば、それは大間違いです。

本書でいうところの「論文」は学術論文、つまり研究者が書くような文章を指しているわけではありません。もっと広く論理的な文章のことをいっています。

論理的に書く技術は、大学を卒業してからもずっと求められる能力です。そのために本書では、最初から丁寧に解説されます。文章術の本でオススメを聞かれたら、間違いなく最初に本書を答えます。

⑦木下是雄『レポートの組み立て方』

戸田山先生の本の次にオススメしたいのが本書です。著者の『理科系の作文技術』はとても有名です。本書は、一般社会人・文系の学生を対象としています。

相手に伝わる文章を書くには、きちんとしたトレーニングが必要です。本書はそのために、どのように文章を組み立てて書けば良いのかを解説しています。

終りに

今回の記事では、国語を学ぶ意味を考え、そして文章の読み書きに関する本の紹介を行いました。しかし、話す・聞くについては思い切って書かないことにしました。それは僕がまだそれらに関する本を読んでいないからです。だからといって、話す・聞くを重要視していないということではありません。

今回の記事で紹介した本が、国語に対する考え、能力の向上に対して少しでもお役に立てれば幸いです。最後まで読んで頂きありがとうございました!

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