育ててみよう、私のぬか床。
前のぬか漬けはうっかりかき混ぜ忘れて刺すような刺激臭の塊にしてしまった。今度こそ。と地元の仲良しのお米屋さんから母がもらって届けてくれた米ぬかと向き合う。
私たち姉妹は漬物が大好きだ。
妹がまだ京都に住んでいなかったころ、遊びに来た時に必ずと言っていいほどせがまれて連れていくのは寿司でも焼肉でもなく、西利さんの漬物バイキングだった。
今もやっているかはわからないが、数十種類の漬物と、その漬物で握った漬物寿司が食べ放題。塩分だけが限りなく心配だが。
ただやはり日常的に食すとなれば、買うより作った方が財布にも体にもいいだろう。
ということで、去年ぬか床をお迎えしたのだった。以来何度かの失敗を重ねてきたわけである。やはりというか、湿気に弱く冷蔵庫に入れる余裕はないためよくカビる。
あとはどんな野菜が適しているかがわからなかったため、水分の多い野菜をうっかり漬けてでろでろにしてしまったり。
そして今回、米ぬかからぬか床を作ってみようとしていたのだ。
1リットルのぬるま湯に塩を溶かした食塩水を作る。
それと1キロの米ぬかとを、何回かに分けてしっかりと混ぜ合わせていく。
そこへ味付け用の昆布と鷹の爪を入れる。入れようとしたら、そのとうがらしはコメの虫よけのための食べられない奴だったらしく、妹に全力で止められた。危ない危ない。
そして野菜くず(私たちからしたら立派な食料)を捨て漬け(捨てない)で漬けこんで完成。
数日たって食べた最初の漬物は涙が出るほどおいしかった。
私の中でのごちそうはこういう感じだ。おいしいものを食べることは譲れないが、いわゆるグルメにあんまり興味はない。こういう素朴で自分の手で作って食べていくことが私の理想だ。それに少しずつ近づいている気がする今が楽しい。
そして昨日、どうだろうと思って漬けてみたピーマンが美味しすぎ大正解でとても幸せな気持ちになった遊布野である。
今度は何を漬けてみよう?
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