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でこぼこ姉妹のふたり暮らし

私たち姉妹を昔から知る人に今の現状を話すと100%「絶対上手くいかんやろ」と言われる。それほど私たちは何から何まで正反対だ。

私は関東生まれ、妹は関西生まれ。

私は関東の言葉を話し、妹は関西の言葉を話す。

私は甘い系のお菓子が好きで、妹はしょっぱ系のお菓子が好き。

私は転んだらすぐ泣く奴で、妹はそんなことくらいで泣いているのをこの年まで見たことがない。指にホチキスの針が貫通したときでさえ泣いてなかった。

私はすぐ弱音を吐いてストレス発散し、妹は言わずに溜め込んで突然身体を壊す。

私は文化部で、妹は運動部。

私は直情型で、妹は思慮深い。
私はすぐ忘れるが妹は割とちゃんと覚えている。されたこともしてもらったことも。

私は見た感じ地味だし美容にあまり興味がないが、妹はファッションにもコスメ研究やスキンケアにも余念がない。

私はカラフルな服が好きで、妹は黒が好き。

私は交友関係が広く誰にでも話しかけ、妹は少数と深い付き合いをする。

私は虫が平気で、妹はダメ。

顔も全然似ていない。清々しいくらいに似ていない。同じように兄弟のいる友人に「兄弟の顔が似てるね」と言うとあんまり喜ばれないのだが、本気で羨ましくて言っているくらいには似ていない。

妹はそれに加え、男の子に間違えられることも多い。私が1人で住んでいた家にあとから妹が引っ越してきた当初は「私が男を連れ込んだ」と、近所に噂が流されたくらいだ。うるせえほっとけ。妹だわ悪かったな。

順風不満帆前途多難と思われた姉妹ふたり暮らしは、早いものでもう4年目になる。うまくいかないかと思いきや、どうしてなかなか居心地が良いのだ。お互いに我慢しているところは多々あろうとしても。

いろんなものが正反対だとしても、妹は私の提案には乗ってくれることが多い。

庭でビアガーデンをやろうと言えばタライにトマトやらキュウリやらぶち込んで氷で冷やしておいてくれるし、屋根の上で月を見ようと言えば怖がりながらもついてきて、ポッケにはしっかりカップ酒が入っている。

セミを獲りに行こうと言えば麦わら帽子を出してくるし、何でもない日を祝おうと突然言い出しても一緒にケーキを作ってくれる。

川に飛び込みたいと言えば、自転車で1時間の道のり(山道含む)をママチャリ(私はミニベロ)でついてきてくれる。

私の精神年齢の幼さはみなまで言わないでほしい。これはきっと死ぬまで治らない。もはや個性。そういうことにしとこう。

今年なんかはお祭りが軒並みなかったから、庭でミニ縁日を開催したりもした。


案外言い出しっぺが私で、盛り上がるのが妹なのだ。

でこぼこだということは、はめればうまいことはまるということなのかもしれない。私たちの場合もっと言えば、はめてこそ、一つのピースなのかもしれない。

でこぼこ姉妹ならぬ、ニコイチ姉妹。

あんまり意識しないが、周りから見ると私たち姉妹は仲良しらしい。特に京都に来てからの共通の知り合いはみんなそう言う。

いや、そうかどうかはさておいて、いろいろ言いたいこともそこそこ飲み込んで、日々のんびりとやれることをやりつつ毎日を謳歌しているのは確かかもしれない。

お互いにお互いをメンテナンスし合って。

割と壊れると面倒になりがちな私たちだから、相手を気にかけるのは単純に相手のためだけではないんだけどもね。
でも、家に帰れば灯りがあることが嬉しいのは、私だけではない、って言ったら自惚れだろうか。

そんな妹絡みのエッセイもこれから書いていこうと…できたらコミックエッセイにできたらいいなと思っている。
カイっていいます。どうぞお見知りおきを…。

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