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連想で本を読む

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眩しさの先で−−藤本和子『塩を食う女たち 聞書・北米の黒人女性』

眩しさの先で−−藤本和子『塩を食う女たち 聞書・北米の黒人女性』

昼間学部と夜間学部をあわせて千を超す新入生と新歓の呼び込みをする「先輩」たちでごったがえした二〇〇五年四月の文学部キャンパスで、きっとわたしは冷静さを失っていたにちがいない。大教室でおこなわれる講義にくわえて選んだ少人数制の必須選択の授業は、現代アメリカ小説を翻訳で読むという奇妙に宙ぶらりんな英文科の演習科目だった。学術においても表現においてもいわゆる専門性や専門ジャンルを追求する確固とした姿勢に

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彼女の見る風景−−ジョアオ・ビール『ヴィータ 遺棄された者たちの生』

彼女の見る風景−−ジョアオ・ビール『ヴィータ 遺棄された者たちの生』

だだっ広くて、無関心を装っているのに、ひととひととの距離がちかすぎて、身を隠すことができない。隠れたところで真相不明の噂に翻弄される。いまも昔も変わらない地方都市の、郊外的な土地の持つ息苦しさからの解放は、都市が地方出身者にあたえるつかの間の慰みにちがいない。一度ひとの群れのなかにまぎれこんでしまえばもともとさして特徴のないわたしのような人間は匿名的な無個性を手に入れ、ひとりきりになることができる

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