見出し画像

藍3:藍の種類(世界編)

おはようございます。
今日も曇り空、明日は唯一の花見日和だったはずがそれすらも曇り空に天気予報が変わってしまっている。今年の桜はこの春らしくない天気にひどく惑わされている様だ。

昨日から書き始めた藍に関して、今日はまずその原料となる藍色を染め出す植物の種類を見ていきたい。
世界的に見ても、さまざまな葉の種類や一年草から木になるもの、色が異なるものなど100種類ほど幅広く存在している。昨日は日本国内のものを見てきたので、今日は世界の藍の染料として栽培されてきた植物を見ていこう。

インド藍

マメ科コマツナギ属 多年草 Indian indigoと称される。
木藍(もくらん)とも呼ばれ、紀元前2000 年頃から染料として利用されてきた。原産地はインドで、赤紫色の花をつける。高温多湿のデルタ地帯に生育する。色素量が多いのが特徴で、沈殿法によって簡単に染めることができるため世界中に広まり、他の藍産業が壊滅状態になった。日本ではナンバンコマツナギとして、奄美、沖縄に自生している。

ウォード

アブラナ科 二年草。西洋菘藍と呼ばれ大青の一種で、細葉大青とも呼ばれる。
原産地は中央アジアでユーラシア大陸に広く分布し、黄色い花を咲かせる。ヨーロッパで最も古くから栽培利用されてきた植物の一つで、中世時代にはヨーロッパでは一大産業になった。
英名のWoadという名は、青い刺青という意味に由来すると言われている。古代ブリトン人はこの植物から青い泥膏を作り、体に塗っていました。この植物の葉には収斂性(しゅうれんせい:ぎゅっと引き締まること)があるため、止血薬としても用いられます。そのため、敵を恐れさせるだけでなく、戦いによる傷を癒す目的もあったとされている。

ここからは、ちょっと染料の材料としての歴史の話。
ウォードの約30倍のインディゴ(藍色成分)純度を持つインド藍が16世紀半ばの大航海時代ヨーロッパに伝わると、ウォードはこのインド藍に取って代わられ瞬く間に衰退していく。既に一大産業になっていたウォードを守るべく、ヘンリー4世(1553−1610)はインド藍禁止令を、ナポレオン1世(1769-1821)もウォードを守るためインド藍に勝る製藍法を募り懸賞金を出したが、結局は発色の良さと価格に勝るインド藍に勝てなかった。18世紀になるとヨーロッパ各地で戦争が起こり、インディゴが軍服などの制服に多用されるとインド藍はより重宝されていく。こうして、ウォードを使ったヨーロッパの伝統的な藍染めは、20世紀初め頃に途絶えたとされる。
そして、ウォードにとって代わったインド藍も、1880年にドイツの化学者アドルフ・フォン・バイヤーが天然インディゴとまったく同じ成分構造を持つインディゴの合成に成功して広まっていくと衰退の一途を辿る。木藍は原産国インドでも現在ほとんど生産されず、藍染めは合成染料が主流となっている。

藍の素材を調べるだけで見えてくる歴史を掻い摘むだけでも面白い。
ヨーロッパを中心とした藍の合理化が日本ではなぜ起こらなかったのか、日本の蓼藍文化がなぜ生き残れたのか、藍色が日本のアイデンティティになっていったのか、知りたい事が増えていく。

*上記の情報は以下のリンクからまとめています。

https://led-ai.pref.tokushima.lg.jp/ai/

http://www.japanblue-ai.jp/about/index.html


僕は幸せになると決めた。
今日もきっといい日になる。
一歩一歩、着実に歩もう。


皆様も、良い一日を。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?