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煎茶【グルメ】

おはようございます。
今日は雲はかかっているけれど、強く朝日を感じられる気持ち良い朝。

昨日は煎茶の飲み比べなる、とても興味深いワークショップに参加してきました。
これのワークショップは、イタリアン家具ブランド、Arflexが代々木上原のTefuで主催するイベントの1セッションで、彼らのソファを中心とした家具で仮想リビングを作って普段リビングルームで行われるやりとりを、それぞれテーマ毎に道のスペシャリストたちと深掘りしていくもの。

ワークショップ

会場:Tefu@代々木上原

イベント参加者としてお呼ばれして参加する上に、会場が家具屋さんではないだけに、家具屋さんへの少し敷居の高い感じもなく気軽にお邪魔できる。会場は、白ベースのお部屋にナチュラルカラーの家具が中心に初夏を感じられる新作もあって、フレッシュながらリラックスできる”リビング”になっている。

早速受付を済ませると、ソファ生地の端切れを活用したポーチをプレゼントとしていただく。色だけでなく模様や手触りも違うポーチは大きすぎず小さすぎず、使いやすそうでありがたい。

いただいたポーチサイズ、絶妙

Arflexの家具たち

好きなところへ座って良いということで、大好きなマレンコ(一人掛け)に座ろうと思ったけれど向きが正面に背を向けているので、3人掛けソファのマレンコに掛けて開始を待つ。
(見かけるといつも座ってしまうから)マレンコに座らせてもらうのはとても久しぶりだけど、やっぱり見た目通りのクッション性の高さで安定の座り心地の良さ。真ん中に座っていても背もたれまでも垂れ込んで座っても、包み込まれている安心感も大きい。見た目のころんとした可愛らしさと掛け心地の良さというソファ本来の機能性のバランスが高いところで取れた、純粋に良いソファだなぁと。カバーを変えれば部屋のイメージもだいぶ変わるし、やっぱりいつかは欲しい…笑

やっぱりかわいい、マレンコ

長春

そして、いよいよ煎茶のワークショップ。
このワークショップは、静岡は富士山の麓でお茶栽培にも直接携わりながら、煎茶道のフレームワークを肩肘張らずに実践することでお茶を楽しんでいける様に、と取り組む「長春」という日本茶に関するプロ集団が主催されている。メンバーの皆さんはまだ若くて、大学のお茶サークル(そんなのあったら僕も入りたかった)から意気投合、「植物」のお茶と「飲み物」としてのお茶、それぞれの専門性を活かす形でこの長春という名前で活動をされている。
因みにこの長春という名前には、永遠の若さという花言葉を持つ松と美しさの象徴である薔薇が組み合わされた彼らの紋章の様に、長く春が続く如く、人々の幸せな時間が永久に続きますように(というニュアンス)」と願いが込められているそう。日々の憩いのお茶の時間を幸せなひと時にしたい、という彼らの気持ちが詰まったとても素敵な名前だ。

クリーンでリラックスできるワークショップ会場

お茶の飲み比べ

そもそもお茶って、というところから、彼らのお茶園が葛飾北斎の富嶽三十六景に描かれている茶園の可能性が高いというほど古くからある茶園を引き継いでいる歴史から、現代のお茶園の状況やお茶の木の栽培に関わるところを教えてくれる。
続いて、お茶の主成分として挙げられるテアニン・カテキン・カフェインがそれぞれがどんな役割があるのか一通り説明してくれた後、実際に含有量が違うことでどう味が違ってくるのか、実際に一つずつ説明して飲ませてくれる。

お茶の旨み成分と言われるテアニンが多く、カテキン・カフェインが抑えられた、宇治の近くで取れる「おくみどり」という茶葉から飲み始める。とろみのような他の飲み物では感じられないような舌触りと共に強いインパクトを感じられる。
続いて、3つの成分がバランスよく含まれている茶葉「片倉」は、旨味だけでなくカテキンの酸味・渋みやカフェインの苦味などバランスが良いため、飲みやすくなっている印象。
そして、最後3つめはカフェインが強めの「うきは」。これは日頃コーヒーや紅茶を飲み慣れているからか馴染みのある味わいにはなっているが、その分特別感は弱いかも、といった感じ。

3種類のお茶を飲みお合った後、自分が飲みたい味を実現させるためのオリジナルミックスを2種類作って持ち帰らせてくれる。
僕は両極端なおくみどりとうきはを半々で混ぜたものと、煎茶らしいテアニンの味わいを楽しんでもらいたいという小野さんの熱いリコメンドに感化されて、おくみどりとバランスの良い片倉を4:1でブレンドしたものを作成。
作り終わったものは長春オリジナルのティーパック入れに入れて持ち帰らせてもらった。もうちょっと暑くなってから水出しにしてからじっくり楽しみたい。

お替わりでいただいたお茶とオリジナルティーバッグ

同時に会場内で12人中3人の方が、それぞれ自身のお茶を他の参加者に振る舞う時間も用意されている。その3名の方がブレンドされたお茶を、その人が茶会の主人の様に(長春の方々がサポートしながら)お茶を淹れてくれて味わいを楽しむことができる。小さいグループで行うことで参加者同士のコミュニケーションも図られて、やっぱりお茶って人と人をリラックスさせた状態で繋ぐために、日本人だけじゃなく世界中で飲まれるわけだよね、と一人感心してしまった。

淹れ方の説明風景

お茶の淹れ方アドバイス

最後に長春さんが教えてくれた、日本茶の淹れ方のコツやポイントを忘れないためにもまとめておきたい。

  • 80℃程度に沸騰したお湯を少し冷ましてから入れると、よりテアニンだけを引き出しやすくなるそう(沸騰したてのお湯を使えばカテキン・カフェインもしっかり抽出できるのでお好みで)。

  • 新芽が出たらすぐに覆って光合成を抑制することでカテキンの生成を抑えて、旨み成分を最大化する玉露は40~60℃程度でじっくり時間をかけて旨みを引き出す。

  • 水は天然水の方がカルキが入っていない分余計な雑味がなくて良い。しかし、水道水をやかんなどで沸騰させてしばらく放置しておけばカルキを抜くことができる。

  • お茶っ葉の目安はお湯200gに対して3g程度。(こちらもお好みで)

  • 硬水だとカテキン・カフェインが出にくく薄い味になるため、煎茶には軟水がおすすめ。

  • 一番シンプルにテアニンを抽出して味わうなら、お猪口くらいの湯呑みに小匙いっぱい程度のお茶っぱと氷を入れて氷が完全に溶けるのを待つ。こうすると時間をかけてゆっくりと抽出されたテアニン満載のエスプレッソのような濃い味わいの煎茶が楽しめる。これは氷出し茶、雫茶、啜り茶などと呼ばれる。

その他、チャノキ・お茶の葉に関わる豆知識

  • 200年経った木からもお茶の葉は栽培でき、飲むことができる。

  • チッ素肥料を増やせば増やすほどテアニンが増える、その典型が玉露。(通常チッ素資料を入れ過ぎてしまうと植物は死んでしまうが、薬としても使われてきたチャノキは強く旨味に変える)

  • 茶香炉といってお茶の葉をそのまま下から蝋燭などの火で炙ってリラックス効果のあるお茶の香りを楽しむ器具がある(検索するといくつも出てくる)。香りを楽しんだお茶の葉は結果的に煎られているのでほうじ茶として楽しむことができる。

爽やかな青年たちが「お茶をもっと多くの人に楽しんでもらいたい!」という熱い情熱を持って活動されていることが、自分がお茶に関して実際にお茶を飲ませてもらいながら学ばせてもらう場所を作ってもらえて有り難いということ以上に、感動的で眩しくて、お茶好きとして今後も応援したいと思うのでした。
Arflexさんにも、貴重な体験の機会を与えていただけて感謝です。

ご馳走様でした。


僕は幸せになると決めた。
今日もきっといい日になる。
一歩一歩、着実に歩もう。

皆様も、良い週末を。

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