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畑部:2024年1回目

おはようございます。
昨日の暖かさからぶり返しがひどすぎて、(冷えるとは聞いていたけれど)うっかり騙されて呆然とするみたいに何もする気が起きない、それほどに寒い朝。

ただ、このやる気のなさは単に寒いだけでなく、昨日の肉体労働で早々に体にいろいろガタがきているから。というのも雨間の貴重な小春日和に、千葉の酒々井でじゃが芋の植え付けをしてきたのだ。
これは部活と呼ばれる有志の仲間の集まりによる活動の一環。畑なりサウナなり目的を一にして、その目的のために各メンバーができる時にできる事をできるだけ分業して、カタチに出来た後はその恩恵を皆で共有する、清々しく気持ちの良いコミュニティ。
今回も畑部部長の念入りの事前準備と旗振りで1週間前に唯一の晴れ間チャンスと決めた昨日。思いがけず理想的な畑仕事日和になってくれた。(正直一昨日の寒さで怯え切っていたから拍子抜けする位)昼過ぎには眩しいくらい日差しも出て、風もなく穏やかな気候の中体を動かせば汗ばむくらい。

畑の準備

去年育てた野菜たちも全て収穫を終え、土を念入りに掘り返してふっかふかの更地になっている状況で、その一角にじゃが芋エリアを作る。
今回は3種類のじゃが芋を2畝ずつ、合計6畝を作るところから。ここでご近所の農家さんに手伝っていただいて、耕運機でじゃが芋エリア左右に6つずつつけたマークを繋ぐ形で畝を6つ作る。手押しの耕運機と手慣れた農家の方の作業で、ものの15分程度であっという間に6つの畝が出来上がる。

グイグイ進む耕運機

その盛り上がった畝の山をより高くするために、通り道となる谷から鍬で土をより盛り増していく。その盛り増した畝の上を鍬で平にした後、30cm感覚で種芋を埋める穴を均等な深さで開けていく。今日もこんなに寒いけれど、畑でも寒ければ当然霜が降りる。この霜が芋を傷つけたりダメージを与えてしまうため、一般的に4、5cm、零下になれば10cmほどにもなる霜を避けるため、今回は深めに15cm程度手首まですっぽり埋まるくらいの深さにしておく。
これを一畝30個ずつ作っていけば、土壌の準備は完了。

種芋の準備

それと同時進行で、バケツに落ち葉や細い枯れ木を入れてバーナーで焼き切り、灰を作る。
そして、キタアカリ、メークイン、アンデスレッドの3種類の芽が出始めた種芋を全て半分に切って、その切り口に細菌が繁殖しない様に(農家さん曰く傷口を保護してあげるために)炭をつけていく。
その切り口は瑞々しくて、今すぐ食べても美味しそうで生命力を感じる。野菜と思って切っていると意識しないけど、芽が沢山出ていて種芋の中から水分が出てくるのを見ると強く生き物感がある。だから、切って「ゴメン」と思うし農家さんが言ってたみたいに「せめて傷口にはオロナイン代わりに炭くらいしっかり塗ってあげなければ」とも思う。どうせ全部ザクザク半分にするし最終的には食べるんだけど笑

半分にした種芋の切った面に炭を付けていく

種芋の植え付け

畑と種芋両方の準備が整ったところで、3種類のお芋を2畝ずつ分けて植え付けしていく。一畝に30個開けた穴に灰をつけた面を下に種芋を入れてその上から霜除けとなる籾殻を被せて柔らかく土を被せていく。籾殻は降りてくる霜と種芋の間に層を作ることで種芋から守ってくれる役割を果たす。別途調べてみると排水性や通気性をアップさせて土を柔らかくしてくれる効果もあるらしい。空気を多く含んでいるから寒い時期には保温効果も期待できそうだ。

種芋を入れた穴に追っかけで籾殻を入れていく
種芋がすっかり隠れる位籾殻を入れて土を被せる

マルチング

農業に触れたことがなければます聞くことがない言葉なのでご存じない方も多いだろうマルチング。かくいう僕も全然知らず、現場では略して「マルチ」と言われるので初めて聞いた時は「Multi? 面白い名前だな」と思った。
そもそも植物の根を保護し水を保持するために土に散らす資材をmulchといい、これを撒く、拡げることをmulchingという。これにより、土壌の保温効果に加え、水分蒸発、栄養流出、雑草繁殖などが抑制できるのだ。畑などで黒や透明のビニールシートが並んでいるのを見たことがある方も多いと思うが、まさにあれがマルチ(ング)。

今回は透明のものを使用するが、まずは片方を畝の片方で土に埋め一人がその上に立ってしっかり押さえる。そして、サランラップのように巻かれたビニールシートの芯に棒を通して左右二人で畝に沿ってもう片方の端まで引っ張りながらマルチを被せていく。これで大まかに畝に被せられるので、さらに弛みがないように引っ張ってから端を切ってこちらも土で埋める。こうして両端が固定できたところでマルチの両サイドをめくれない様にまた通路となる部分から土を寄せて被せていく。
これを6畝全てにやり終えたら、じゃが芋の植え付けは晴れて完了。

before
after

部長のディレクションとプロ農家さんのアドバイスに加えて、効率良く動くメンバーでこれらの作業を分担。これらの工程を休憩も挟みながら1時間半程度でスムーズに終わらせる事ができた。

農作業のその後に

思いの外気持ちがいいから、後は寝っ転がって日向ぼっこしたり、おいしくないと強調された金柑を収穫したり、満開の梅を愛でたり。
そして一仕事を終えて空いた小腹を満たすべく、メンバーの一人が去年採ったさつまいもで作ってきてくれたムースケーキ(ヨーグルトとジャムを付けるのが新しいけど美味しい)、昨日Guamから帰ってきたメンバーのお土産や採れたてを茹でたブロッコリーやコールラビなどを食べたてのんびり。

2種類の芋を使った芋100%のムースケーキ👍
(ここまでの写真はby Y.Kawashimaさん)
畑に向かう、梅の小径
満開の梅

その後は(サウナ班があっためておいてくれた)お決まりのサウナコースで再度汗も流して、この頃には吐く息が白くなる中で水風呂に浮かんで身を引き締める。そこで見上げれば大迫力の満月が待ってくれていて、と大いに充実したお休みでした。

威厳のある本気の満月、晴れてて良かった

日常では経験できない大いなる土いじりの楽しさと気持ち良い疲労感、そして幾許かの体の痛みを噛み締めながら、3連休最後の休みをゆっくり過ごしたい。


僕は幸せになると決めた。
今日もきっといい日になる。
一歩一歩、着実に歩もう。

皆様も、良い週末を。

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