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漆2:植物としての漆

おはようございます。
今日も晴れていて風も穏やかで気持ちが良い。今日は24℃まで上がるんだとか。真夏日直前、というか今日超えても不思議はないよね。

さて、昨日は僕が漆に興味を持って実際に手にしたきっかけとなった二人の方との出会いに関してお話ししたけれど、今日は早速漆を掘り下げていきたい。

植物の種類

ウルシはウルシ科、ウルシ属の落葉高木で、樹高10~15mになります。
ウルシ属は、ウルシの他はハゼノキ、ヤマハゼ、ヤマウルシ、ツタウルシの4つのみだが、ウルシ科にはマンゴー、カシューナッツも含まれる。
また、6月中旬に黄緑色の小さな花を咲かせ、秋には葉が真っ赤に色付きます。

「漆」として樹液が利用される日本、朝鮮半島、中国に分布するウルシのほか、別種で東南アジアに分布するインドウルシ、カンボジアウルシ等がある。
9,000年前の縄文時代から天然塗料として用いられ、接着剤や漆器などに用いられてきた。しかしながら現在、日本で使用される漆の98%を中国産が占め、国産漆は2%程度にすぎない。それでも中国産漆より国産漆の方が耐久性などに優れていることから、国宝や重要文化財の修理・修復に欠かせないものとなっている。ウルシは中国原産と言われているが、縄文時代の漆製品の出土は、中国より日本が古くかつ多い。このため、原産国が日本か中国かという議論に結論は出ていない。こちらに関してはまた別で触れたい。

ウルシの植栽

ウルシの木は他の樹木に被陰されると生存できないため、自生しない。このため、人が植樹をし管理をしなければ増やすことはできず、日本では、人の手が加わった人里近くに生育している。

漆は水はけのよい地を好み、1ha当たり800~1200本程度を目安とする。
ウルシは陽樹のため、成長するにつれて光の取り合い競争が起きる。立木本数が多過ぎると、ウルシ同士が互いに枝を張り合い、成長不良なウルシ林になるという。
太陽の陽を気にしなければいけないのと同時に足元のケアも重要。ウルシの成長を維持するためには、周囲の雑草類で覆われて栄養が摂られないように下刈りが4~5年間必要で、6年目以降もツル被害や害虫を回避するため、根元周辺の刈り払いを毎年実施することが重要。
こうしてウルシの木は漆の採取までおよそ10年かかる。1本の成木になるまで10年から15年かかった上で、育ったウルシの木から採れる漆の樹液は1本あたり200ml (牛乳瓶1本分) 程度。そして、採取後にその木は役目を終え伐採されるのだ。

近世以降、全国にウルシの植栽が広がったが、20世紀後半以降、漆液生産の減少とともに、ウルシの植栽地も減少。現在、ウルシの森(ウルシ畑)は、岩手県二戸市浄法寺や茨城県北部、栃木県などごく一部でしか見られなくなった。

名前の由来

ほどよい水分を持っていることを表す「潤液(うるしる)」→「うるし」になったとする説や、「塗液(ぬるしる)」が転訛したとの説、伝統工芸にもなっている漆塗りに関連して「潤師(うるし)」になったとの説など諸説ある。

長さ30~65cmの枝に奇数羽状複葉(枝の先に1枚、根本から左右に対になって歯が生える形)で互生する。小葉は3~7対あり、卵形または楕円形で先端は尖る。裏面の脈上と葉柄に短毛がある。
ウルシの芽はたらの芽に似ていて食べると美味しい、山菜独特のえぐみが少なくて美味、という話もあるが、そもそもは漆塗りの職人がウルシに対する免疫を作ろうとして食べたのが始まり。 食べると舌がピリピリしたという報告もあるので、素人はむやみに食べない方が良いだろう(そもそも手に入らないしね)。

果実

ゆがんだやや扁平な楕円体で、果皮は光沢のある硬質の外果皮、スポンジ状でロウ成分をもつ中果皮、硬い核をなす内果皮からなる。中果皮のロウ成分を搾って和ロウソクに使う。
晩秋から初冬にかけて採取する。

発芽しにくい種

ウルシの木の種は、非常に発芽しにくい。なぜなら内果皮の表面にロウ成分をもっているため著しく給水が悪いから。自業自得ではないけれど、基本人に助けてもらうのを前提で生きてきた感が満載。それ故にそのまま播いても播いた年には全く発芽しないか、長い間かかってポツポツと少しづつ発芽し、生育も極めて悪い。だから、種は必ず発芽を阻害するロウ成分を取り除く発芽促進処理を行ってから吸水させて膨らんだ種を播かねばならない。
このままだとワルモノになってしまうロウ成分だが、ロウ分が多く含まれているウルシの実を詰めて袋状に縫い、天然のワックスとして床みがきに使用されていた。これで磨くと、ツルツルピカピカになったという。

樹皮

灰白色で厚く、皮目が多い。樹皮を傷つけると白い樹液が出て、空気に触れると黒変する、これが生漆。

ウルシかぶれ

ウルシと聞いて被れることを機にされる方も多いと思うが、それは加工前のウルシに限った話。
漆液は害虫や病原菌から身を守るための分泌液。
ウルシかぶれはその主成分であるウルシオールという物質に接触することで反応するアレルギー疾患のこと。ウルシの木には、木全体にウルシオールが含まれているのでウルシの木に近づいただけでかぶれる人もいるので注意が必要。
ウルシオール自体に毒性はありませんが人体とは合わず、直接接触することでアレルギー反応を起こしてしまい、結果として痒みと炎症を引き起こす。 医学的には「漆性皮膚炎」ともいわれ、大体4日~2週間ほど痒みが続いてしまう他、症状が重くなると全身に症状が広がる厄介なアレルギー症状。
このため、ウルシは(キョウチクトウと共に)焚き火の薪にしてはいけない植物の代表格。 薪として売られているものは当然ないし身近にあるものではないが、自分で薪作りをしている人は注意したい樹木だ。 ウルシにはアレルギーを引き起こす物質が含まれているので煙を出す焚き火には向かない、というか危険。


*上記の情報は以下のリンクからまとめています。


植物として掘り下げるだけでも、漆に関する知識とともに、植物の個性があって「貴方はそういうタイプなのね」というのがわかって面白い。自分が実で作るロウ成分で原因で種が発芽しにくいとか何なの笑 他の植物たちが種の保存のためにどうやって種子を遠くにたくさん残そうと必死に進化してるのに対して、植物としてやる気がないというかアウトローというか、そのクセくやしいけどちょっと可愛いと思ってしまったり。


僕は幸せになると決めた。
今日もきっといい日になる。
一歩一歩、着実に歩もう。


皆様も、良い週末を。

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