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紫がたり 令和源氏物語

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青木紫 が語る「令和源氏物語」。創作を盛り込んだ現代語意訳です。 千年前でも現代人でも変わらないのは人の心。 光る君の生涯「桐壺」から「雲隠」まで、449話にて完結です。
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2023年5月の記事一覧

『蓮の臺(はちすのうてな)』

みなさん、こんばんは。 本日はタイトルにある『蓮の臺(はちすのうてな)』について考察した…

YUKARI
1年前
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紫がたり 令和源氏物語 第三百二十話 若菜・上(十四)

 若菜・上(十四) 懸案の女三の宮を源氏に嫁がせたことで安心された朱雀院は如月の終わり…

YUKARI
1年前
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紫がたり 令和源氏物語 第三百十九話 若菜・上(十三)

 若菜・上(十三) 紫の上の姿を確認した源氏はほっと胸を撫で下ろしました。 それにしても…

YUKARI
1年前
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紫がたり 令和源氏物語 第三百十八話 若菜・上(十二)

 若菜・上(十二) 夜が更けても御座所にいると女房たちに心配をかけてしまうので、紫の上…

YUKARI
1年前
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紫がたり 令和源氏物語 第三百十七話 若菜・上(十一)

 若菜・上(十一) 尊い皇女を北の方に迎えた源氏ですが、すでに失望の念がじわじわと込み…

YUKARI
1年前
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紫がたり 令和源氏物語 第三百十六話 若菜・上(十)

 若菜・上(十) 女三の宮が六条院に輿入れされるのは如月の十日ということでしたので、源…

YUKARI
1年前
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紫がたり 令和源氏物語 第三百十五話 若菜・上(九)

 若菜・上(九) 新しい年を迎え、女三の宮が源氏に降嫁されることが明らかになると、名乗りをあげていた者たちが無念の想いを呑み込みつつ口を閉ざしたのは言うまでもありません。何しろ相手は准太上天皇の位を戴いた源氏の君なのですから、敵うはずもないのです。 冷泉帝も女三の宮の入内を望まれておりましたが、あえて何も仰いません。 それよりも源氏の四十の御賀を国をあげて盛大にお祝いしたいとその旨を伝えました。 しかしただでさえ身分の重くなったのを素直に喜べない源氏はすべてを辞退してしま

紫がたり 令和源氏物語 第三百十四話 若菜・上(八)

 若菜・上(八) 陽も落ちて、源氏が院の御前を辞去する頃には雪がはらはらと舞っておりま…

YUKARI
1年前
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紫がたり 令和源氏物語 第三百十三話 若菜・上(七)

 若菜・上(七) 朱雀院が御出家されたことを世の人々は悲しみました。 御在位も短く弘徽殿…

YUKARI
1年前
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紫がたり 令和源氏物語 第三百十二話 若菜・上(六)

 若菜・上(六) 左中弁が戻るのを待ちわびていた朱雀院はすぐにでも按配を確かめたい一心…

YUKARI
1年前
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紫がたり 令和源氏物語 第三百十一話 若菜・上(五)

 若菜・上(五) 左中弁は朱雀院のご意志を伝えようと六条院を訪れました。 弁は院のお気持…

YUKARI
1年前
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紫がたり 令和源氏物語 第三百十話 若菜・上(四)

 若菜・上(四) 朱雀院が御出家の意志を固め、御堂も建立されたことから、世に名のある貴…

YUKARI
1年前
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紫がたり 令和源氏物語 第三百九話 若菜・上(三)

 若菜・上(三) 夕霧が辞去してから女房たちはその立派な様子を褒めそやしました。 「さす…

YUKARI
1年前
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紫がたり 令和源氏物語 第三百八話 若菜・上(二)

 若菜・上(二) 朱雀院が女三の宮の婿は夕霧の中納言しか考えられぬ、と思い悩まれていた矢先、源氏の名代として当の夕霧が院のお見舞いに御前に伺候しました。 夕霧はやはり美しく控えめで、将来も有望な貴公子です。 院は夕霧が太政大臣の姫と結婚したばかりと聞いたので、まずはどのようなものか、探るように切り出すことにしました。 もしや野心があるならば皇女の降嫁に興味を示すかもしれません。 「夕霧よ、あなたを見ていると若い頃の源氏を思い出すね。亡き父院があれほど源氏をないがしろにして