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紫がたり 令和源氏物語

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青木紫 が語る「令和源氏物語」。創作を盛り込んだ現代語意訳です。 千年前でも現代人でも変わらないのは人の心。 光る君の生涯「桐壺」から「雲隠」まで、449話にて完結です。
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2023年1月の記事一覧

紫がたり 創作部分解説『玉鬘』後編

みなさん、こんにちは。 本日も『玉鬘』の帖についてお話致します。 この帖では私は玉鬘姫の心…

YUKARI
1年前
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紫がたり 創作部分解説『玉鬘』前編

みなさん、こんにちは。 本日も私の書く源氏物語の創作部分について綴ろうと思います。 先日…

YUKARI
1年前
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紫がたり 創作部分解説『絵合』

みなさん、こんにちは。 本日から私の書く源氏物語の創作部分について綴ろうと思います。 遡…

YUKARI
1年前
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紫がたり 令和源氏物語 第二百三十話 胡蝶(五)

 胡蝶(五) さて、玉鬘姫への求婚者は日を増すごとに多くなり、源氏は悦に入りながらも、…

YUKARI
1年前
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紫がたり 令和源氏物語 第二百二十九話 胡蝶(四)

 胡蝶(四) 春の宴の翌日は秋好中宮が主催する御読経の初日なのでした。 多くの貴族達がそ…

YUKARI
1年前
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紫がたり 令和源氏物語 第二百二十八話 胡蝶(三)

 胡蝶(三) 女房達の舟がそれぞれ池の端に控えると、龍頭と鷁首の二艘の舟が池の中央に進…

YUKARI
1年前
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紫がたり 令和源氏物語 第二百二十七話 胡蝶(二)

 胡蝶(二) 六条院の春の庭には舟を何艘も浮かべられる巨大な池が造営され、中宮の住まわれる秋の庭へと続いております。 ちょうど庭の境に大きな築島で隔ててありますが、双方の庭はどちらの池からも行き来できるようになっているのです。 中宮付きの若い女房達は美しく着飾り、春の庭から差し向けられた小舟に乗り込んで、春の御殿へ訪問することとなりました。 唐風に飾った小舟の船頭は同じく唐風の衣装を纏い、みずらに結った愛らしい唐子のような二人の童たちです。 「さぁさ、みなさま。どうぞお

紫がたり 令和源氏物語 第二百二十六話 胡蝶(一)

 胡蝶(一) 三月弥生も二十日ばかりを過ぎた頃、もう晩春の候で花も衰える頃かというのに…

YUKARI
1年前
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紫がたり 令和源氏物語 第二百二十五話 初音(五)

 初音(五) 正月の十五日、今年は男踏歌が催されることになりました。 踏歌とは唐から渡っ…

YUKARI
1年前
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紫がたり 令和源氏物語 第二百二十四話 初音(四)

初音(四) 年賀の訪問客が一段落した正月四日の日に源氏は二条邸東院の女君たちの元を訪れ…

YUKARI
1年前
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紫がたり 令和源氏物語 第二百二十三話 初音(三)

初音(三) 「御方さま、殿は遅うございますね」 夜も更けて、春の御殿で紫の上の側近く少将…

YUKARI
1年前
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紫がたり 令和源氏物語 第二百二十二話 初音(二)

初音(二) 源氏は身支度を整えると女君たちの元へ新年の挨拶に出掛けることにしました。 贈…

YUKARI
1年前
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紫がたり 令和源氏物語 第二百二十一話 初音(一)

初音(一) 年が改まり、麗らかにたなびく霞の元、六条院では春の息吹がそこかしこに感じられ…

YUKARI
1年前
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紫がたり 令和源氏物語 第二百二十話 玉鬘(十三)

 玉鬘(十三) その年も押し迫り、六条院において初めての正月を迎えることから、源氏は装束なども整えて女君たちに格別な新年を迎えてもらおうと新調した着物などを春の御殿に集めさせました。 紫の上の指示で特殊な染めなど施された数々の衣装がずらりと並べられています。 「これだけあるとなかなか壮観だな。どれもすばらしくよくできている」 源氏は満足げに微笑んでいます。 集めた女君たちに自分が選んだ衣装を元旦に身に着けてもらい、それを愛でにまわろう、そんな趣向に悦に入っているのです。