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紫がたり 令和源氏物語

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青木紫 が語る「令和源氏物語」。創作を盛り込んだ現代語意訳です。 千年前でも現代人でも変わらないのは人の心。 光る君の生涯「桐壺」から「雲隠」まで、449話にて完結です。
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2022年9月の記事一覧

「朱雀帝のタタリ!?」眼病の恐怖

みなさん、こんにちは。 私、実は先週の土曜日から左目が真っ赤に充血して大変な目に遭ってお…

YUKARI
1年前
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「あぁ、男の人って···」 ラムちゃんのラブソングはやはり偉大!

本日は往年の名作マンガ『うる星やつら』のラムちゃんのラブソングに私が以前から強く共感して…

YUKARI
1年前
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源氏という男性の一生を描くということ

みなさん、こんにちは。 本日も源氏物語についてお話しいたしましょう。 私の書いた源氏物語…

YUKARI
1年前
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この『源氏物語』・・・創作しすぎてスイマセン

みなさん、こんにちは。 本日も私が書く源氏物語についてお話しいたします。 私の書いた源氏…

YUKARI
1年前
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「まさか私が『源氏物語』を書くなんて」

みなさん、こんにちは。 本日も源氏物語について語りましょう。 源氏物語といえば日本人なら…

YUKARI
1年前
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紫がたり 令和源氏物語 第百三十七話 澪標(五)

 澪標(五) 源氏の施政によって安定してきた都は元のような活気に満ちた姿に戻りつつありま…

YUKARI
1年前
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紫がたり 令和源氏物語 第百三十六話 澪標(四)

 澪標(四) 紫の上はここのところたびたび空を眺めるようになっておりました。 そして、そんな折には祖母の尼君が愛用していた数珠を人知れず握りしめているのです。 形のよい額をあらわに、美しい横顔には憂いが含まれています。 源氏が須磨へ隠棲した時からの習慣のように、紫の上はふと空を見上げることが多くなっておりました。 初めは須磨の源氏を想って、きっとこの同じ空を眺めているに違いないという思慕の情からでした。 それが、物思いが嵩じると心を解放するように自然と目が空の彼方を臨もうと

紫がたり 令和源氏物語 第百三十五話 澪標(三)

 澪標(三) 帝が変わられたので、再び賀茂の斎院と伊勢の斎宮が代替わりすることになります…

YUKARI
1年前
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紫がたり 令和源氏物語 第百三十四話 澪標(二)

 澪標(二) 朧月夜の尚侍の君は源氏が帰京したことを嬉しく思っていましたが、もはや情熱だ…

YUKARI
1年前
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紫がたり 令和源氏物語 第百三十三話 澪標(一)

 澪標(一) 京に戻った源氏の生活は、それはめまぐるしく動き始めました。 長い無沙汰を詫…

YUKARI
1年前
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紫がたり 令和源氏物語 第百三十二話 明石(十九)

 明石(十九) 翌日の月が昇る頃、源氏は都の風を懐かしく感じておりました。 どこからか流…

YUKARI
1年前
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紫がたり 令和源氏物語 第百三十一話 明石(十八)

 明石(十八) 都では、本当に神意であったと思われるように、源氏赦免の宣旨が下るとあれほ…

YUKARI
1年前
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紫がたり 令和源氏物語 第百三十話 明石(十七)

 明石(十七) いよいよ明日は帰京という宵のことです。 源氏は明石の姫の元で別れを惜しん…

YUKARI
1年前
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紫がたり 令和源氏物語 第百二十九話 明石(十六)

 明石(十六) 源氏は心静かに明石の浦を見渡しておりました。 穏やかな時の流れを楽しんでいるかのようにも見られます。 その傍らには明石の君が寄り添っておりました。 桔梗の襲(かさね)を涼しげに着こなし、しどけない姿は新妻の艶やかさを帯びています。 それは夏も終わりそうな七月の二十日過ぎのことでした。 「殿、宣旨が下りましたぞ」 一の側近・惟光が息を切らしてお側に参じました。 「そうか・・・」 源氏は短く返事をしました。 帰京できるということに喜びを感じずにはいられませんが、