次世代のチカラ FUKUOKA×福岡西陵高等学校「探究コース」×国際理解教育|出前授業
1. 高校の探究コースに初潜入!!
本日はSPOT TEACHER初!!
高校の「探究コース」からの依頼で福岡西陵高等学校にお邪魔しました~👏
SPOT TEACHER事業はもともと1人で全教科を教える小学校の先生のために専門の授業ができる方を紹介するマッチングサービスとして始まりました。
ただこの事業を行うにあたり、いろんな先生方との交流も増え、最近では高校の先生方とも話すようになったのですが『授業内容に合った専門の先生を探すことに苦戦しているのは小学校だけの話ではない』ということがわかってきました。
そして今回は福岡西陵高校の探究コースを担当している尾崎先生から相談をいただきました。
福岡西陵高校では探究活動に特化したカリキュラムを組んで、選抜メンバーで「探究」の授業を週7時間行う「探究コース」があるそうです。
毎回いろんなテーマに沿って活動を行っているそうなんですが、今回は
・国際教育について話が出来る方
・国際問題について課題解決をされている方
はいませんか?と依頼がありました。
高校生ということは国際問題や国際教育の幅も広いと考え、NPO法人「次世代のチカラ FUKUOKA」でも幅広く活動されている新村 優さんに相談させていただいたところ、快く引き受けてくださいました!
ということで、SPOT TEACHER初となる高校での授業です🙌
さてさてどんな授業になったかは今から紹介していきますので、ぜひとも最後までお読みくださいね~😊
2. 人はどういうきっかけで人生が変わるのか
まずは新村さんの自己紹介から始まりました。
新村さんが立ち上げられた「NPO法人 次世代のチカラFUKUOKA」は国内外を問わず『こどもたちの将来の活躍を応援する』ことを大切にして活動を続けてこられました。
日本の子どもたちのためにもたくさん活動されているのですが、今回は国際理解教育ということで、海外の子どもたちの話を中心にもりだくさんに話していただきました。
___それでは授業スタートです!!!___
新村さんの授業では、カンボジアのプノンペンにあるSFODA孤児院とミャンマーのヤンゴンにあるヤタナボン寺院孤児院を訪問された際のエピソードが紹介されました。
SFODA孤児院で子どもたちにラーメンを振る舞った時のことです。
たった5歳の男の子がどんぶり5杯をあっという間に完食し、その後、他の子どもたちと一緒に中庭でお腹を見せ合いながら、満足げな表情を浮かべていたそうです。
この行動は、「お腹がふくれる=幸せ」という彼らの価値観を象徴しており、日常的にお腹いっぱい食べることができない中で、満腹の幸せを共有していたことを示していました。
新村さんはこの経験に大きな衝撃を受け、カンボジアに何度も通うようになったと話されました。
またヤタナボン寺院孤児院を訪れた際の印象深いエピソードが語られました。孤児院には、無邪気な笑顔を見せる子どもたちがたくさんいましたが、さようならのハイタッチをする時に、目の奥が笑っていない子どもたちがいることに気づいたそうです。
その子どもたちは、親を病気や内戦、貧困といった理由で失い、捨てられた経験を持っていました。「人の命は重い」という日本では当たり前の価値観が、国が違えば通用しない現実を目の当たりにしました。スーパーの袋に捨てられる命や、簡単にお金に換えられる命が存在する世界を知り、「これまでの常識って何だったのだろう?」と自問するようになったそうです。
そこからの新村さんの視点のすごいところはそうやって自分がいろんなものを見聞きして視野や価値観が180度変わった瞬間を子どもたちにこそ同じ体験をしてもらいたい!と思い
『よし、旅をつくって、旅を提供しよう!!』
と決意したそうです。このようにして自身の気づきや学びを、次世代に伝えるための行動に移していったのです。
3. ひとつの想いが形になっていくまで…
そこからは「親子でいくツアー」を実現するために、福岡からアポをとりまくりいろんな国に行きまくりました。現地の日本大使館や日本人学校など様々な場所を訪れ、受け入れ先を見つけました。
また、受け入れ先を見つけたとしても
・事業コンセプト
・募集方法
・パンフレット&WEBサイトの制作
・事業費用の捻出
・安全性の確保
など、考えることは山のようにあります。
そうしていろんな課題を1つずつクリアしていき、「夏休み!親子で行く、修学旅行」が実現されたのです✨
そこから先は実際に訪れた各国でどのようなツアーを組んだのかについて、詳細に話してくださいました。まずは、①カンボジア、続いて②ミャンマー、③ベトナム、④タイ、そして⑤台湾と、各国での体験を順に紹介されました。
各国の社会情勢や歴史的背景も交えて詳しく説明し、生徒たちが社会科で習った内容と照らし合わせながら理解を深められるよう、対話形式で講話を進めました。生徒たちは興味深く聞き入り、自分たちが学んできた知識と新村さんの実体験がリンクすることで、より現実味を帯びた学びを得ることができたようでした。
4.順調のように思えたが…
順調に進んでいた「親子ツアー」や、いろんな国との「支援」と「交流」。しかし、それがコロナをきっかけに一変してしまいました。
「みんなならこういう事態に陥ったときにどう動く?」
この問いに、生徒たちは頭を抱えました。そんな中、新村さんは「未来に繋ぐスマイルマスクプロジェクト」を立ち上げたことを教えてくれました。
当時コロナ禍だったこともあり、カンボジアで有名なクロマーとミャンマーで有名なロンジーという伝統的な生地を使ったマスクを作ることにしたそうです。
このプロジェクトを進めるにあたり、以下のような取り組みを行いました。
プロジェクトチームを結成し、仲間を募る
現地にミシンを寄贈し、製作拠点を設置
日本での販売場所や販売方法を決定
日本への輸送手段やラッピング方法を検討
コロナ禍でのマスク不足が深刻だった日本でも、このプロジェクトは大変喜ばれ、テレビなどで紹介され注目を集めました。
また「未来に繋ぐスマイルマスクプロジェクト」の利益はすべて両国の孤児院や福岡の児童施設の支援に充てられました。
このプロジェクトを通じてみても、どんな困難な状況でも『子どもたちの未来を応援する』という新村さんの揺るぎない信念が感じられます。その一貫した姿勢には、探求コースで社会課題について勉強し、改善点まで日々考えている生徒さんの胸にもすごく刺さるものがあったようです。
その後の質問コーナーでは
○ 高校生ではできることが限られているように思います。学生時代にやっていたことで何が生きたか教えてください。
○ 海外でのボランティアなど、今のうちにやっておいた方がいいことはありますか?
○ NPOや一般社団法人など、ボランティアだからできることや継続的にできることなどにはどういうものがありますか?
などなど、時間たっぷりたくさんの質問が時間が許す限りでました。
(探究コースの尾崎先生より質問時間をたくさん設けてほしいとのことだったので、20分間とりました✨)
5. コラボ授業を終えてみて…
最初から最後まで真剣に話を聞き、時には活発な対話形式で進んでいくあっという間の100分間授業が終わりました。
小学校での授業とはまたちがったより深い国際教育授業となり、私自身も大変勉強になりました。
また個人的には、担当の尾崎先生が社会科の先生だったので、途中途中で「それ、歴史でやったじゃん…。」と生徒さんたちに突っ込みをいれているのが、先生あるあるでおもしろかったです笑。
今回授業を受けた探究コースの生徒さんたちや先生の感想を紹介させていただきたいと思います。
5. これからのこと
今回の授業はSPOTTEACHER初となる高校(西陵高校探究コースの尾崎先生)からの依頼で実現しました✨要望にお応えすることが出来て、また学校にも生徒さんたちにも喜んでもらえてよかったです😊
ただ冒頭にも書きましたが、SPOTTEACHERはもともと1人で全教科を教える小学校の先生のために専門の授業ができる方を紹介するマッチングサービスとして始めましたが、今回の依頼にあたり調べてみると「高校の探究」に関しても課題がたくさんあることがわかりました。
どの『高校探究』に関するネット記事を調べてみても、探究学習を教えるうえでの専門性だったり、外部人材の活用だったり…と課題は盛りだくさんでした。
最近は私立の先生とも話すことが増えていることも考えると、公立・私立、小学校・中学校・高校とどこも課題は山積みなのかもしれません。
ただ私は今回高校でこういった機会をいただけて、小学生と高校生の違いを興味深く感じましたし、発達段階に応じた授業の提案がたくさんできそうだとすごく楽しかったです!
ご依頼いただいた西陵高校の先生方ありがとうございました✨そして今回も快く引き受けてくださった新村さんもありがとうございました😊
新村さんはこれからも議会や公務等で忙しい時以外は、タイミングが合えば授業をしてくださるということです✨
授業を希望される方は下記ホームページまでお問い合わせください。
☟ スポットティーチャーHPはこちら ☟
※新村さんへの直接の連絡はご遠慮ください。
本当にありがとうございました~🐱