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安定が本当に大事か

第一生命保険が「第34回大人になったらなりたいもの」調査の結果を3月16日に発表した。男子は小・中・高校ともに「会社員」が三年連続の1位。

資料
https://www.dai-ichi-life.co.jp/company/news/pdf/2021_072.pdf

いろんな分析がなされている。コロナ禍中、親の働く姿を自宅で見ることができたという、例年にない特殊な事情も加わったことがあるが、この情報を取り上げた番組のインタビューなどによると、どうやら親が安定志向になり、そういうことが子どもに影響していると見受けられた。

ある番組のインタビューで「寿司職人になりたい!」という小学生の男の子がいた。もう、めっちゃ応援してあげたい! てか、むしろ少し恰幅の良いその子が握っている寿司を、今、食べたい!(笑)
だけどその子の父親は「その仕事は安定しないから」ということで会社員がいいんじゃないかと言っていた。じゃあ会社員は安定してるのかと言うと、そうでもない事もあるが、まぁそこはひとまず置いておく。

私が気になったのは、本当に安定がいいことなんだろうか? ということだ。いろんな人の伝記、伝記まではいかなくても、例えば自叙伝とか自己啓発本などで自分の人生の省みる部分を見ても、偉人は安定なんかしていない。成功する人は安定なんかしていない。安定してなかったから、大きく成長できたんじゃないか。

私自身の人生を振り返っても、自分が大きく成長したのは実に不安定な状況下だった。

壮絶ないじめにあっていた最中に転校が決まり、今度こそ自分を変えようと決断した小6の春
四年制の大学を終えたのに、自分のやりたいことが見つかったので、就職をせず東京に行きたいと親に土下座をした時
仕事でアメリカに渡った時
言葉が通じないドイツで暮らさなければいけなかった時
身内が一人もいないロンドンで出産したとき
子供が病気がちだったので復職はせずに自分で事業を立ち上げようと決断した時

めっちゃ不安定じゃん!
これらの時期は、そこから先、うまくいく保証なんて、何もなかった。でもこれら、どれもこれもが私を成長させてくれた、貴重な不安定期間だった。

不安定なのはよくない状態だよ。だからこそ、なんとかしようと、人間、初めて自分の頭で考えるんだよね。

もちろん、私も親なので、親が子供の安定を願う気持ちは分からなくもない。毎月収支が変わる自営業より、毎月給与が一定の会社員。お金に不安がなければ、自分のしたいことが思い切ってできるだろう。でも逆だよね。自分のしたいことをするためには、多少不安定な方がいいんだ。

昔の人はよく言ったよね。
可愛い子には旅をさせよ
ほんとそれ。

Image by Lothar Dieterich from Pixabay

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