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刃を研ぐ

新学期が始まりました。私の生徒の中でも、毎日往復2時間かかる学校に通うことになったというお子さんが何人かいます。以前こんな記事を書きました。

1日2時間の通学時間は、3年間で1200 時間になります。
最初の1年間は、単語を覚えるとか、年号を暗記するとか、そういう作業的な勉強時間に当てるのではなく、勉強方法を勉強する時間に充てた方がいいと書きました。
生徒にこの話をすると「先生、それはなぜですか」と聞かれるので、今日はそのところをちょっと詳しく話したいと思います。
この話は生徒に限らず、何についても言えるので、今日は きこりさん に登場 いただきます(笑)

AとB、二人の木こりがいます。
二人とも1時間に1本、1日に8時間働き、8本。木が切れます。
1ヶ月で20日働き、1ヶ月で切った木は、160本。
これを売って生計を立てていると仮定します。

二人は、ずっとその方法でやってきたんですが、あるときAは、斧(おの)を研(と)ぎます。野球選手のイチローさんが道具を大事にしていると聞き、真似したくなったのです。

Aは8時間の労働時間のうち、1時間、斧を研ぐ時間に充てることにしました。
なので、Aの労働時間は7時間に減りました。
Bはその様子を見て、そんなことをしたら、1日に1本、1か月で20本の差がついてしまうと思ったのですが、そんなことはなかったのです。

しっかりメンテされたAの斧は、よく切れるようになり、1日の労働時間が7時間に減っても、以前より多く、1日に10本切れるようになったのです。

AはBより、1時間労働時間が少ないのに、Bより木2本分多く収入を得られるようになりました。

Aは、その利益をため、チェーンソーを購入しました。
斧とは段違いの生産性です。
Aは7時間労働で、20本の木が切れるようになりました。

そこで A は、貯めた利益で、人を雇いました。
その人にチェーンソーを渡し、木を切ってもらうことになりました。
A自身は木を切らなくてよくなったので、空いた時間で経営を勉強し始めました。


まあ、生徒に話をする場合は、経営まで行かなくていいのですが、ちょっとその先を覗くのも大事かと思い、話しています。

斧を研ぐ時間にする

これが、勉強方法を勉強する時間にするということです。
なぜ勉強するのかということ、どのように勉強するのかということ、何を勉強するのかということ、この順に考えないといけません。
この話はゴールデンサークルの話につながります。
ゴールデンサークルの話も書きましたので、良かったらどうぞ。

ゆか先生お勧めの新1年生通学時間の過ごし方

1学期 往路
なぜ勉強をするのかというジャンルの本を読み、自分だけの、自分が勉強をする意味をしっかりつかむ。おススメの本はこちら

1学期 復路
新学期は疲れるので、帰りは脳が働かないと思う。寝てよし。ただし、お年寄りが乗ってくると譲るかどうかでまた脳を使ってしまうので、立ったまま寝ること(笑)

2学期 往路
上記に出てきた木こりの例。これ、複利の考え方です。この考え方をとにかく早い段階で身に付けることが大事。なぜ勉強をするとどんどん頭が良くなるかと言うと、知識がどんどんたまっていくからじゃないんです。知識が付いた頭で考えると、今までより賢い解が、今までより早く得られる。頭の良くなった自分が考える解は、勉強する前の解とはレベルが少しだけですが違うんです。さらにその解を使って、頭の良くなった自分が考えていくので、足し算式ではなく、掛け算式に良くなっていくイメージです。これが複利の力です。
私はもう中年のおばさんなので、この力がだんだん弱くなってきてしまいました。若い人が羨ましい。だからこそ、おばさんの分も含めて、いや含めなくてもいいんですけど(笑)、この複利の力の魅力を、早めにゲットしてほしいです。おススメの本はこちら

漫画もあります。

2学期 復路
2学期はある程度時間が取れるので、ここまで読んだ本で得られた知識を使い 、実践を始めてみましょう。コツは盛り込みすぎないことです。通学時間で絶対にできるという量から始めてみましょう。

3学期 往路
ほとんどの人がうまくいかないという時間管理。三学期はそれについて学んでみましょう。ここで注意が必要です。時間短縮術のようなライフハック本を読んではいけません。そういうのはもうちょっと先でいいです。
30分かかるものをどうしたら20分に縮められるかという本ではなく、そこにかける30分は、価値があるか、そもそもその方法でいいか、ということを考える方に、せっかくの頭を使って欲しいのです。そういうハウツーものやライフハックものを詰め込んでも、ちっとも焦りが消えないのは、時間に対する考え方が間違っているからです。おススメの本はこちら

3学期 復路
3学期の復路は、復習時間にあてましょう。アプリなどを使い、該当学年の漢字や英単語のチェックに。複利の力を実感しながらの実践です。

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