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ごはん作りに飽きた主婦歴15年のわたしが料理の面倒くささを徹底的に排除してみたら、それでも意外とおいしいもん食べられてる。って話。

1.手をかけたからって、美味しい料理ができるとは限らない


手をかけた料理というのは、とても美味しそうだし、よいイメージがある。

じっくりコトコト煮込むだの、手ごねのパンだの、
手をかけ暇をかけ作り上げるのが良い、みたいな価値観。

もちろん、手をかけて美味しいものも当然あるし、じっくり手をかけて作ったものに、しみじみと美味しさを感じることだってある。わたしだって手をかけて作られたものをいただくのは大好きだ。

だけど毎日ごはんづくりに追われる主婦は、そうもいかない。

そして、その「手をかけたほうがエライ」っぽい価値観が、なんとなく漂っている気がして、面倒くさがり主婦のわたしは長年プレッシャーに感じていた。

そうこうしながら、主婦としてごはんづくりを担って15年。
手をかけさえすれば美味しいものができるわけではないし
手をかけなくても美味しいものができると知った。

今日は、そんな「面倒くさがりの主婦の料理」について書いてみようと思う。

2.手をかけた料理で「そのひと手間がいらない」と言われた新婚時代

生来、面倒くさがりでせっかちな私だが、それでも新婚当初は料理を頑張っていた。

結婚前、ひとり暮らし時代は飲んで帰ることも多かったので料理はあまりしなかったが、特に苦手というわけでもなく、美味しいものは好きだったし、作ることも嫌いではなかった。

だから新婚当初は張り切って手をかけて料理を作っていた。うちの母は料理が上手だったし、その頃に食べたものを思い出してあれこれ再現しようとした。

そのなかのひとつ、ほうれん草の白和えを作ったことがあった。

私の母は、ほうれん草はおひたしではなく、必ずごま和えとか白和えなど、あえものにした。だからわたしは茹でただけの野菜をほとんど食べたことがなく、温野菜なんかも「エサっぽい」と思っていた。

だから、料理の付け合わせにほうれん草を出そうと思ったら、ゆでたままでは出したくない。だから白和えにしようと思った。白和えは豆腐を裏ごししたり、具材を煮たり、たかが和え物のくせに手がかかる。

けれど当時は、手間をかけてこそ愛情が伝わるのだと信じていたから頑張って作った。

そして帰宅した旦那さまに、たどたどしく作った白和えを出すと、「俺はほうれん草はおひたしが好きなんだよなぁ」と打ち砕かれた。

「白和えはおひたしより手間がかかるし、頑張って作ったんだよ」となんとか言い返したら

「そのひと手間がいらないんだよなぁ」とつぶやいた旦那。

いい悪いではなく、好みなのだということは分かっている。だけど、必死にレシピを見て作ったほうれん草の白和えが報われないじゃないか。なによりわたしの努力が報われない。それと言い方な。

白米がないと夕食だと思えない旦那は、パスタを出した後「食べた気がしないから」と納豆ごはんをかきこんだこともあった。

こちらがいくら頑張ろうと、好みに合わなければ意味がないのだとわかったわたしは、なるべく好きなものを作ろうと「何が好き?」と聞いてみた。

すると「別にない」という。

出したものはいちゃもんをつけるくせに、好きな食べ物が別にないってどういうことだ。本当に困り果てて手探りの日々だった。

3.家族の最大公約数なメニューを探る日々


そのうち子どもが生まれて、子どもが離乳食を終え、ふつうのものが食べられるようになったころからは、子どもの好みに合わせた食事作り。

子どもは、食べられるものが毎年変わる。好みも毎年変わる。去年食べられたものが今年は嫌いになっている。辛いものはNG。それに合わせて食べそうなもので、かつ大人も食べられる最大公約数を探してごはんを作る日々。

さらに息子は野菜は好きで助かったのだが、慎重な性格のせいで、食材が同じでも、見たことない料理を食べない。食に興味がないし、超保守的。みんな大好きマクドナルドでも、ポテトとナゲットは食べても、ハンバーガーは小学校の中学年まで食べなかったほどだ。

なので家では基本「しょうゆ味」。結局わたしが頑張ったほうれん草の白和えは、息子も受け付けず封印。わが家のほうれん草の調理法は「ゆでる」一択となった。ちなみにわたしは茹でただけのほうれん草が嫌いだ。嫌いだけど、ただでさえ大変な毎日のごはん作りに加えて、自分だけほうれん草をアレンジする気力がない。仕方なくおひたしで食べていた。世の中、うまくいかないものだ。

4.そして15年。食事作りに飽きた。


子どもは栄養バランスも大事だ。だから常に頭の片隅に野菜も取らなきゃね、という使命感があった。栄養バランスの取れた肉と野菜の料理を食べてくれたらよいが、息子は保守的過ぎて食べない。

幸い野菜はけっこう好きだが、味のついていないもののほうが食べる。ていうか下手に味をつけると一切手を付けない。

なので、焼き魚とか肉系の生姜焼きとかに加えて、野菜として夏は湯むきトマトときゅうり、ナスは炒めてポン酢をかけたもの、冬は大根の味噌汁とほうれん草のおひたし。これしか食べないので、ずっとこれで数年間ルーティンを回していた。

わたしは面倒くさがりだから、トマトやきゅうりを切るだけというのはある意味ラクといえばラクだったが、味覚嗅覚が敏感で美味しいものが大好きなわたしにとっては「エサ」にしか見えず、テンションがダダ下がりの毎日だった。

そんな「最大公約数的晩ごはん」を作り続けているうちに、もう夕食を考えること自体に飽き飽きしてしまった。

息子が育つにつれて、息子の舌は完全に旦那に似ていることもわかってきた。わたしだけ好きな食べ物のベクトルが違うので、家族が全員食べるもの、そしてできれば美味しいと言ってくれて、かつ、わたしも好きな食べ物を探すのは割と難しい。

5.そして手抜きの道へ


食にあまり興味のない息子と、食の好みが違う旦那との3人暮らしで、わたしの食生活は自由なようで不自由だった。

自分の好きなものならいくらでも手をかけるが、最大公約数の晩ごはんには手をかける気になれない。

だったら、手間を省いてそこそこ美味しいものを作ればいいじゃん、とやっとそこの思考にたどり着いた。

結婚してから専業主婦になり、なんとなくごはんづくりが仕事みたいな気がしていたのでなおさら「手抜き=悪」みたいな気持ちになっていたが、そういうわけじゃないのかも、とやっと分かってきた頃。真面目だったなぁ。

当時、syunkonカフェごはん、というレシピ本が流行っていて、堂々と「めんどうくさいんだもーん」といって、面倒くさくない献立をたくさん紹介してくれる本だった。

本屋さんで立ち読みして「欲しかったのはこれだ!!!」と購入したのがこれ。


いまや大人気料理家として何冊も本が出ているが、わたしは「3」が好き。今やほとんどの参考レシピはクックパッドだけれど、この本だけはレシピをヘビロテしている。

今までのレシピ本は「ちゃんと作ってる感」がすごかったので、材料をそろえるのだけでも一苦労だった。けれどこの本は「いかに手を抜くか」にフォーカスされていて、それがまたお茶目で面白くて楽しくって、手抜きの罪悪感を感じさせないのが読んでいてとても楽しかった。

6.「簡単でおいしい料理は正義」だと悟る


その頃から、クックパッドなど、素人さんが普段作っているような料理公開SNSサイトも活発になってきた。

クックパッドはわたしが一生退会しないと決めているほど素晴らしいサービスだ。

何がすごいって、今までの「いかにも頑張りました」と仕立てられたレシピではなく、冷蔵庫に余っている「1品だけ」で適当に作っちゃってるレシピなど、本当に主婦たちの知恵が集まったライフハックサイトなところ。「知の集結」だ。

冷蔵庫で忘れられていた使いかけのちくわ2本とか、レシピ本で救済策を探すことは至難の業だ。けれどクックパッドなら、「青のりチーズ炒め」だったり、「バター醤油炒め」だったり、解決策がある。そこには主婦の日常が詰まっている。感動する。

そんな感じで、全国の主婦の知恵を借りながら、簡単で美味しく作れるレシピで晩ごはんを作るようになった。

そんなこんなで面倒くさくなくて美味しくできるレシピをせっせと探していたのだが、追求すればするほど、さらに料理のプロセスで「面倒くさい」と思う頻度が増えた。

7.料理の面倒くさいプロセス、ベスト3


具体的に何が面倒くさいと思うのかというと

7-1.野菜の皮をむくのが面倒くさい

カレーライスを作るとき、なぜこんなに億劫なのかと、面倒くささを因数分解してみたら、「じゃがいもの皮むきが面倒」とわかった。ちなみに包丁では皮むきできないので、ピーラーを使っている。それでも面倒くさい。皮をむく行為よりも、むいた皮の処理が面倒くさいのもある。

7-2.食材を切った後のまな板と包丁を洗うのが面倒くさい

食材を切るのはさほど面倒くさくないのだが、切るたびに包丁とまな板を洗うのが面倒くさい。しかも肉を切った後に野菜を切るときは一度洗わなくちゃいけないのも面倒だ。

だから何か料理を作るときは、なるべく野菜→肉の順に切るようにしているのだが、だいたい肉を使う料理の時は、肉を炒めてから野菜を入れるパターンなので、うっかり先に肉を切ってしまう。だから、その後に野菜を切るときに洗うのが面倒くさい。カレーとか一緒くたになるものは、野菜を切るときも洗わないけど。煮るし。

まな板も洗うのが面倒くさくないように、小さいサイズのものを2枚使っている。それでもやっぱり面倒くさい。

7-3.要は片付けが面倒くさい


上2つも、要は片付けが面倒くさい。そして使った鍋とか皿とかを片づけるのも面倒くさい。

わが家は昨年、食洗機を導入したので、最大の敵「皿洗い」はかなり負担が減ったのだが、まな板や包丁は時間をかけて洗うものではないし、結局洗う手間がかかる。むいた皮などのゴミの処理も面倒くさい。

だから、片づけなくていい方法で、美味しく作れるものが最強だということだ。

8.面倒くさがりが推薦するレシピ


こんな面倒くさがりのわたしが、「料理が面倒くさい」と友人にこぼしたら、友人もなかなかの面倒くさがりで、画期的ならくちんレシピを知っていたので教えてもらった。

8-1.レンジで作れるバターチキンカレー

それが今日の晩ごはん、バターチキンカレー。


本日のバターチキンカレー byつくりおき食堂レシピ

こちらは友人が最近ヘビロテしている「つくりおき食堂」というサイトに出ているレシピだ。

最近流行りのバターチキンカレーが、材料をぶち込んで電子レンジでチンするだけで出来上がるというシロモノだ。

実際に友人が作ってみて美味しかったといい、友人の家族にも大好評だったらしい。こんなに手抜きしているのに喜んでくれるので申し訳なささえ感じるほどウケが良いらしい。

それを聞いて早速作ってみることにした。

わたしは電子レンジで調理できるような器がないのと、加熱ムラが出るのがいまいち好きではないので、この「まりえのごはん」レシピを、鍋にかけて作ってみることにした。

レンジだと、材料全入れ→出来上がり

なのだが、鍋を使うと、

肉を炒める→玉ねぎを炒める→調味料全入れ→出来上がり

できるプロセスが見たいので、これはあまり手間に感じない。

実際作ってみたけど、しごく簡単で、煮込まないで済むので短時間でできる。20分あれば余裕。そして、確かにめちゃくちゃ美味しい。じゃがいもの皮むきが面倒で、しばらくカレーを作っていなかったが、仕事があって疲れて帰ってきた日でも、鶏肉と玉ねぎを切るだけならできる。

わたしが食べても美味しかったし、家族にも好評だった。ヘビロテ決定で、今回作ったのが2回目。

ちなみに友人は、この「玉ねぎを切る」も省きたくなったらしく、最近はトマト缶ではなく、玉ねぎまで入った「基本のトマトソース」を使って野菜を切るプロセスも省略しているらしい。さらに、肉を切るのが面倒なときは、ひき肉をつかって「キーマカレー」にしているそうだ。

ここまで徹底してラクに作れて美味しいなら、これの右に出るものがいようか。いやこれが正解だ。

8-2.もやしつくね

友人に教わったレシピ集はこれからどんどん作ってみるつもりだが、今まででわたしがヘビロテしているらくちんで美味しいレシピも紹介しよう。

syunkonカフェごはんvol3に載っている「もやしつくね」

これは「ひき肉」と「もやし」という切らなくてよい食材の最強タッグだ。

ひき肉をボウルにあけ、もやしを一袋ザっと入れ、あとは調味料を入れて混ぜて焼くだけ。簡単すぎて書いているだけでも嬉しくなる。

まな板も使わないので、本気でラク。中途半端にもやしが残らないのも良い。

できればこちらのレシピは、著書を買って差し上げるのが良いと思われるが、このレシピはヒルナンデス!で昔取り上げられたそうで、放送時にレシピが掲載されているため、こちらにレシピリンクを貼らせていただく。

著書のほうで、このレシピの紹介コメントとして著書の山本ゆり氏が

もやしを一袋まるまる使える、めっちゃ簡単な料理。
中に味噌とマヨネーズ、ごま油が入っているので、何もつけずにそのまま食べられます。あ、焼いてな(わかってるわ)
もやしのポキポキ折れる感触が好き。

syunkonカフェごはん3 宝島社

と書いてあるが、そう、味付けまでされているので食べやすいし、もやしを袋ごと入れて混ぜると、ひき肉のムニュムニュした中で、もやしのポキポキ折れる感触が気持ち良くて、ちょっと癒し的な感じが好きだ。

鶏のひき肉だから安いし、味はみそマヨネーズ味で万人受けするので家族に好評。レシピはももひき肉を使っているが、うちはムネひき肉なのでコスパも最強。

このレシピ本は読み物としても面白いので、できれば買ってあげてくださいな。


8-3.圧力鍋でカムジャタン


圧力鍋は去年の冬にデビューしたのだが、圧力鍋を使うと、スペアリブとか、手羽元とか、「骨付き肉がホロホロになる」のが魅力だ。

骨付き肉の何が良いって「切らなくて良いこと」。そのぶん、じゃがいもを使うので皮むきプロセスが入るが、このスープを作るときは2日分作るので、そこは頑張れる。

あれこれ圧力鍋レシピを試したが、一番のお気に入りは「カムジャタン」。スペアリブとじゃがいもをコチュジャンで韓国風に味付けしたスープ。

こちらのレシピを参考にしている。

スペアリブの旨味がしっかりスープに出て、身体が温まる。

せっかくなので白菜もぶち込んで栄養満点。他におかずなし。物足りなければ家族には焼き魚なんかを出す。わたしはこれにご飯を入れて雑炊風に食べるのが好きなので、これだけで大満足。

圧力鍋を使うと、時短できるのもうれしい。今まで2時間以上煮込まなくてはいけなかったような煮込み料理が10分程度の加圧でできてしまう。なにこれ、魔法??と、使い始めたころは毎回感動していた。


9.ごはん作りに飽き飽きした人は手を抜こう


主婦が午後になると必ずつぶやく言葉は

「今日晩ごはん何しよう・・・」だ。

もうルーティンの一環として10年以上も「家族の晩ごはん」のことを考えていたら、ほとんどの人は「もう飽き飽き」なんじゃないだろうか。

料理家の人とか、料理が好きで毎日家族のために工夫を凝らしてあれこれ作っている人は、よほど料理好きか、またはよほど食べてくれるご家族が喜んでくれるのだろう。とにかく尊敬する。

わが家のように家族が何を出してもたいして反応もなく、嫌いなものは食べないという状態で、グルメでもない家族に毎日ごはんを提供するのは、割とモチベーションを保つのが大変だ。しかも作るのはこの面倒くさがりのわたし。

休日、気分転換で趣味程度に料理をするのとはわけが違う。


わたしたち主婦は「給餌班」なのだから。

たとえばその日、ごはんを作らずに外食するとしても、総菜を買うにしても、明日の晩ごはんの心配をする役目、というのからは逃れられていない。だからこそ面倒くさい。

面倒くさいながらも、インスタントばかりでは身体に良くないし、なんか体調もいまひとつになる。

年齢が上がってくると外食は気を張って疲れるし、外食にありがちな油っこい食事も胃が疲れる。だから家で部屋着で、ダラダラごはんを食べたいというのもある。

だから結局自分でも何かしら作らなきゃいけないので、家族の世話がなかったとしても、ご飯作りからは解放されないんだなぁと思ったら、だったらできるだけラクに楽しく、美味しいものができるレシピを取り入れるのがベストだなぁと思ったのだ。

だからこそ、改めていう。


「手をかけずに美味しい」は正義だ!


今日もお読みくださりありがとうございました!

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