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変化が苦手な息子がソファの買い替えを嫌がったので大胆に思い出を残してみた件

息子は変化に弱い。
特に、目に見えるモノがなくなることを非常に不安がる。


実はマンションの部屋の住み替えも拒否反応を示して、泣いて拒んだ。何年か成長を待ったが変化がなく、結局わたしが強行したのだが、息子の拒否反応もとんでもなく、そこから家族のいざこざに発展し、しまいにわたしの心が折れたので、ちょっと辛すぎてまだ詳しく書けない。

とにもかくにも、引っ越しは完了して落ち着いた頃、今度は家具の買い替えが必要になった。息子は、今あるものがなくなるのを嫌がるので、家具の買い替えも拒否していた。

引っ越しを強行したのでわたしもそこでエネルギーが途絶え、息子への刺激も考慮して、マンションの住み替えをした後も、傷みまくったソファとダイニングで過ごしていた。

けれど、合皮のソファははがれかけてカスが出ていたし、ダイニングの椅子の布は破けてスポンジが出ている。いつまでもこのままというわけにはいかない。どうしよう。と考えて思いついた策は、「息子に内緒で買い替える」だった。

息子は当時、小学5年生だったと思う。

息子は「自分で捨てなさい」と言われたり、「捨てていい?」など聞かれるのが苦手。半分パニックみたいになる。けれど、いざ、目の前からなくなってしまえば、ケロッと忘れてしまうという性質がある。

なので、息子がそれを嫌がる理由は、わたしの見解では「なくなる恐怖」が強いのだと思っている。

いままでもさんざん「捨てなさい」「嫌だ(号泣)」のやり取りに決着がつかず、忘れたころにこっそり、もう絶対使わないであろうおもちゃを捨てたりしたが、ケロっと忘れていた。

その後、半年忘れていたら勝手に処分して良い約束を取り付け、それからは忘れている様子のものは、こっそり捨てるという方法でなんとかしてきた。

だから、小学校に行っている間にこっそり家具を入れ替えてしまえば、だいぶダメージは少ないだろうと踏んだのだ。なので、日中に家具屋さんに納品してもらう手はずを組んで、注文してあった。

しかし、その予定が大きく狂ってしまった。大きな家具の納品は、前日に確認の電話がかかってくる。ちょうど納品の前日は、わたしが息子より後に帰宅した。帰ると、息子がとても不安げな顔をしている。

どうしたの?と聞くと、息子は泣きそうな顔で「明日、ソファとダイニングを持ってくるって電話があった。家具、買い替えるの??」と言った。

さくっと入れ替える予定が、うっかり家具屋さんの電話が来ることを忘れて、息子が電話を取り、バレてしまった。息子はもうパニック。わたしもプチパニック。

ソファはボロボロでカスが出ちゃうし、だからって新しいものと2つ置けないし、古いものは持って行ってもらわないと置き場所がないんだよ、と説明するも、涙ぽろぽろ。思い出しても泣きそう。

その顔が見たくなくて買い替えを躊躇して、でも、もう限界というところで組んだ作戦だったのだが、脇の甘さでボロが出た。

いったん落ち着いたものの、また夜になり、寝る前に不安がって泣き始めた。明日なくなっちゃうの?としきりに聞く。胸が痛むけれど、そうだよ、記念写真撮る?などとなだめる。

けれどなかなか収まらない。どうしようかと思っているうちに案がひらめいた。どうせ持って行って処分してもらうソファだから、どうなってもいいじゃん。記念に、ソファの張り革を一部切り取って持っておこうか??と提案した。

すると息子は少し機嫌をなおして、切っていいの?という。引き取ってもらったら処分するのみなので、好きなだけ切っていいよと言った。もうヤケクソ。けれど、よくよく考えたら、ソファを切るなんて、一生で一度できるかできないかの経験だ。わたしもやってみようかなと思って、カッターで革を切り取った。

するとだんだん面白くなって、息子もどんどんはがし始めた。息子の繊細さをあまり理解しない旦那が帰宅してビックリするかと思い、先にメールで事情を伝えておいたので、途中で旦那が帰宅したら、一緒に革をはがしてくれた。

ダイニングについては、ボロボロの椅子を一脚取っておくことで解決。来客時にわたしたちが座るので重宝していると言えば重宝している。

こうしてやっと息子の機嫌は収まり、無事息子は学校へ。学校に行ってる間に、新しいソファとダイニングテーブルが搬入された。

どんな顔をして帰ってくるかと思いきや、帰宅して新しいソファを見た息子は「へー、いいじゃん」と何事もなかったように新しいソファに転がった。

やはり息子は「なくなる恐怖」が強いのだなぁと思った。

こうして無事、ソファとダイニングを買い替えられたのだが、いまだに息子は自分のものを「捨てる」「あげる」のが苦手。モノへの執着も強い。わたしもどちらかというと目に見えることで安心感が得られるので、部屋がカオスになりがちだが、息子はさらにその要素が増し増しなので、一人暮らしをしたら、大変なことになるんじゃないかと思う。

少し成長したのかな?と思ったのが、一昨年やった水回りのリフォーム。変わることが大嫌いなので、リフォームも大反対かと思ったが、リフォームは別に問題ないらしい。

「キッチン」とか「お風呂」とかはモノではなく景色みたいなものであまり興味がないらしく、いちおう息子の意見も聞いたりしながら進めたが「へー、いいじゃん」と言って割と淡々と進んだ。

相変わらず、「捨てる」「なくなる」が苦手な息子だが、それでも少しずつ成長している。3歳くらいの頃は、アメの包み紙さえ捨てられず、ゴミ箱に捨てると拾って困っていた。おもちゃの入っていた箱も捨てたがらないので、つぶして取ってあった。

それに比べれば、だいぶ捨てられるようにはなっているが、おもちゃ系は特に息子が手放したがらず、少し整理しようと話をすると、プチパニックになる。そういう姿を見ると胸が締め付けられそうになるので、なかなか息子の部屋のおもちゃは減らない。

今日も、息子の部屋のエアコンがほこりっぽいので息子がアレルギーが出るというので、エアコンを掃除しようかと旦那に話すと、それより前に片づけたほうがいいよと言われた。

それはそうなんだけど、片づける=モノを捨てる。と思うと、息子とまたひと悶着あって、胸が締め付けられるので、それが苦しい。自分が息子をいじめているような気持ちになるので、わたしも息子もほぼお互いトラウマ。それを旦那が分かってくれないのがまたしんどい。

そうはいっても、息子はこの先成長し、あれこれ変化が訪れる。だんだん大人になれば、そのあたりが分かってくるのだろうか。少しずつでもいいから、必要な変化を受け入れられるようになってくれたらなぁ、と思う。

なんだか、書いていてもまた辛くなってしまった。数年後に見返して、こんなときもあったなぁ、と笑える日が来ることを祈って、今日の投稿を終えようと思う。

今日もお読みくださりありがとうございました!

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