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マイペース高2息子と初めてのニューヨーク親子旅③:失くしたスマホを探索しながらのニューヨーク観光・前編

7月末、マイペース高2息子と2人でニューヨークを旅した記録。

前回の話はこちら

14時間のロングフライトに加え、飛行機遅れ、入国審査で2時間待ち、さらに予約していた送迎に去られてやっとこさたどり着いたニューヨークでまさかの息子スマホ紛失事件発生。

深夜まで考えうることはすべてやり尽くし、翌日のニューヨーク1日ツアーのガイドさんにも相談してみることにして眠れないまま迎えた翌朝。

朝も元気なニューヨーク

8時に近所のホテル集合だったので、迷いそうだったので少し早めに出て街を散策。深夜でもギンギンだったタイムズスクエアの朝は、ちょっと六本木臭がする。なんともいえない食べ物のむわっとした臭い。

だからといって六本木のように夜だけ活気があって朝は死んでいるわけではないのがニューヨークのすごいところ。朝は朝でまた別の顔を見せる。さすがニューヨーク。日本の大都会がまとめて挑んでも負けるレベルの都会だわ。

ニューヨークの中心部は京都のように碁盤の目になっている。縦の大通りがアベニュー(Ave.)、横の通りがストリート(St.)なので方向音痴なわたしも比較的間違えにくい。

地図を見ながら集合のホテルに向かうと、ホテルの前が何やら朝から騒がしい。パフパフうるさいラッパが鳴って、ドブネズミの人形が立てられてデモっぽいことをしている。何事かと思ったら、そのホテルへの反対運動を行っているのだとか。なんでもこのホテルで「虫に食われた」というクレームを入れたら、ホテル側は「お前が持ち込んだんじゃないのか?」みたいな返答をしてしまったそうで、紛糾してしまった模様。主張の国というけれど、朝から元気だよなぁアメリカ。

朝からとんでもない騒音だけど集合場所なので仕方なくそこを抜けてロビーへ。まだ時間があったので、ホテル内のパン屋さんでクロワッサンとコーヒーを買い、ロビーのソファで食べていた。すると30代くらいの日本人男性が現れた。今日お世話になるガイドのSさんだった。

出会って挨拶をするなり「スマホの件聞きました。大変ですよね。お手伝いできそうなことはしますんで」と言ってくれたSさん。到着するなりトラブル続きで、英語を勉強しているとはいえ実践に乏しいわたしが、拙い英語で必死こいて奮闘していたので、現地在住の日本人の方がいてくれるだけでもう無敵になった気がする。翌日に日本人ガイドツアーを申し込んだのはこのためなんじゃないかというくらいホッとした。

しかもラッキーなことに、この日の観光はわたしたちだけでプライベートツアーだそう。なのでスマホの件も多少融通を利かせて一緒に協力しますと言ってくれた。

ツアーの車に乗り込んで最初に作戦会議。昨日起こったことと状況を彼に伝えた。まだ息子のスマホがニュージャージーでステイしていることから、おそらく昨晩のタクシーはわたしたちが最後の客で、そのまま家に帰ったのだろうと予測していること。運転手が後部座席を確認せずに放置しているんじゃないかと伝えた。

するとガイドのSさんは「確かに盗もうと思っていたら位置情報を切るために電源切っちゃいますから、その可能性は高いですよね」と言った。GPSが生きてるってことは電源も切られず、やっぱり放置されてる可能性が高いかも。まだ望みはある。Sさんにタクシー会社のレシートを見せると、タクシー会社がオープンしたくらいの時間帯に電話してみてくれるとのこと。ほんとにありがたい。

今日は一応、ニューヨーク市内の見どころを車で回るツアーなので、スマホのことが頭をよぎるが、タクシー会社の電話やスマホの追跡は随時やりつつ、せっかくなので観光しながら考えましょうと提案してくれた。うん、昨日からニューヨークどころじゃないからそうしよう。

ということでニューヨーク観光スタート。ニューヨークの全貌を知るのに、着いてすぐの予約がおすすめと言われていたので翌日にしたが、まさか寝ずに参加することになるとは思いもしなかった。ただ基本は車での移動なので、すごくラク。

チェルシー~グリニッジビレッジ

タイムズスクエアから南へ。エリアが変わるとあっという間に雰囲気が変わる。

ここの界隈は「チェルシー」といって最近注目のおしゃれエリアだそう。昔は映画とファッションが栄え、最近ではギャラリーなんかも増えているそうで。特に旧ナビスコの工場を改造したチェルシーマーケットは美味しい食べ物やお土産がそろっていて人気スポットだそう。ここ絶対1人だったらぶらぶらしたいとこだな。

とかいってるうちに大きなグッチの看板が。耳にしたことがあるSOHO(ソーホー)エリアらしい。

ここら辺も言わずもがななオシャレエリアで、ブランドショップなんかも結構軒を並べている。

ブランドとは言わないけど、ZARA。ほかにもノースフェイスやアディダスなんかのカジュアル系ブランドが多い印象。

ガイドのSさんの説明を聞いてほほうと思ったのが、ニューヨークに特徴的な「外階段」の話。日本て非常階段は基本建物の中にあるんだけど、ニューヨークの建物は非常階段が外。そういえばこの外の非常階段を使った映画のシーンなんかも多い気がする。ニューヨークがニューヨークらしい所以がここにあるのか、と妙に納得。


そしてこういった雰囲気のある建築物は大好きなのでしげしげと眺める。ああ散策したいなぁ。時間があったら来たいと思いつつ車から眺める。

ちなみにこの界隈の特徴的なビル、「カーストアイアン」という建築様式らしい。19世紀にイギリスから伝わった建築様式で、鉄の柱が印象的。なんかよく見ると、上に行くにつれて遠近法のように柱の長さが短くなっていくので、上の階は天井低そう。実際はどうなんでしょね。


こちらも映画やドラマでよく見かける景色。だいたいニューヨークが舞台で主人公が住んでるとこって、こんな感じの階段がある家だよね。ああ素敵。このエリアは「グリニッジビレッジ」というエリアで、これまた芸術家が多く住むエリア。いやー、古いし階段が多いので住んだら大変そうだけど、でも雰囲気があって素敵。石畳と並木道がこれまたオシャレ!!!

車内から撮ったけど結婚式の写真撮影してた!やっぱり映えるのよね。

こちらは有名ドラマ「セックス・アンド・ザ・シティ」の主人公キャリーの家。やはり訪れる人が多いようで、勝手に入れないようになっている。

パッと撮った写真でもこれだけ絵になるってどんだけ素敵なの??
ニューヨークは地震がないから昔の建物がしっかり残ってるよねぇ。雰囲気あって大好き。

また、このエリアにはストーンウォールと公園というLGBTQを象徴する公園も。なんでもこのエリアのゲイバーが摘発された際に起きた暴動を記念して像が作られたのだとか。真ん中に見える白い人形のものは、同性カップルの像。このエリアは比較的LGBTQの人も多く住んでいて、男性同士のカップルなんかも普通に歩いているそう。だけど新宿二丁目みたいな夜の雰囲気は感じず、おしゃれな雰囲気のエリアだった。

そうこうしてるうちに次のエリアへ。ここはリトルイタリー。チャイナタウンもあったけどガイドさんと話しているうちに通り過ぎたwリトルイタリーは本当にリトルで通り1本分しかないらしい。まぁ、イタリア料理はイタリアに行って食べるから、とりあえずいいか。と通りの雰囲気だけ楽しむ。

ガイドSさんの話は中身が濃くて面白く、ふむふむ聞きながらいると写真を撮るのをうっかり忘れてしまう。車異動だとニューヨークの景色はどんどん変わっていくので、ガイドブックに「ゆっくり散策しよう」と書かれている意味がわかる。好きなエリアを1日かけて練り歩きたいなぁと思うような雰囲気ある場所がいっぱい。

グラウンド・ゼロ(WTC)

とかなんとか言いながらお次はワールド・トレード・センターへ。9.11の悲劇があった場所。今は昔のビル跡地はメモリアルとして犠牲者の名前が刻まれている。周りには新たなビルが建っていて、なんというか、生命力を感じる。

息子はこのとんがった建築に驚愕。「アメリカのビルってなんでこんな変な形なもんが多いんだ?」とため息を漏らす。確かに日本のビル群て全部四角で同じ形だけど、アメリカのビルって遊び心があるよね。まぁ地震が多いとかそういう理由もあるかもだけど。こんな尖った建物、地震が多い国では危なくて仕方ないもんね。まぁこういうのも含めて「ザ・ニューヨーク」てな感じ。

グラウンド・ゼロは多くの人が訪れていた。わたしはこういう場所に立つと、当時働いていた人たちが大勢いたビルを想像してしまい、しんどくなってしまうので短く黙とうするにとどめた。

グラウンドゼロの周りで、なぜかバックトゥザフューチャーのデロリアンが飾られていた。これからイベント?

ふと横を向くと、こんな面白いビルが。息子もまた「すげー」とおお喜び。こんなだるま落としみたいな建物、地震大国の日本で作ったら大クレームだろうなぁ。

ウォール街

そんなことを思いながら、次はウォール街へ。日本でいう兜町、証券取引の中心地。ハリウッド映画隆盛の時代は「ウォール街」といえば映画でよく見る場所だったけど、最近は証券取引もオンライン化して、以前のような活気はないのだそう。ただ景色としては映画で有名なので、観光客が写真だけ撮りに来る感じらしい。

うおーー、そういえばこんな感じだったよウォール街!!!
きっと息子はまったくピンときてないと思うけど。あ、もしかしたら昔のスーパーマンとかで出て来たかも??

ウォール街の向かいには、ものすごい古そうな教会が。息子が「おれここすげー好き!」と食いついた。面白い建物を見るのは結構好きなようだ。

ここはニューヨーク最古の教会、トリニティーチャーチらしい。確かに中に入ってみたいので、後日ゆっくり訪れようと話す。

自由の女神を拝みに、フェリーへ!

さてここまでコッテリとNYの南側を案内してもらって、ここからフェリーに乗って自由の女神を拝みに行く。自由の女神は「リバティ島」という島に立っているのだが、ただしこのツアー内では自由の女神の島には上陸せず、別の「スタテン島」という場所の無料フェリーから眺めるそう。リバティ島へのフェリーは高い上に混んでいるので、行きたければまた自分たちで訪れてみてとのこと。

まぁなんにせよ、船とか海っちゅーのは上がるよね!とかいって船酔いがすごいので少し心配だったが、大きなフェリーなので全然余裕だとのこと。よかった。

ちなみにこのフェリーは息子が愛する「スパイダーマン ホームカミング」で、パッカリ二つに割れるシーンがあるらしい。何度も映画を見ている息子がにわかに盛り上がる。

自由の女神が見えるのは船上だけなので、あちらの島についたらそのままとんぼ返りで帰ってきてくださいとのこと。見える位置まで教えてくれ、乗り場まで見送ってくれた。そしてSさんは私たちを待つ間に、例のスマホ案件についてタクシー会社に電話してくれるらしい。うう、助かるよ・・

ニューヨークの見どころをまわり、スマホ事件のことはガイドさんにお願いして、船を楽しもうと乗り込む。カッと暑いが湿度は低く、天気が良いので海は気持ちいい!

早速船が動き始めてワクワク。周りはアジア系の人はほとんどおらず、欧米人だらけ。子連れも結構多い。

マンハッタンのビル群を一望しながら

割とすぐに見えてくる自由の女神!!!
なんかやっぱアメリカ!ニューヨーク!って感じでテンションあがりまくる!ひゃっほーーーー!と言いながら写真を撮りまくる。

これは私たちだけでなく、乗船していた観光客みんな同じテンションでなんか楽しかったなぁ。欧米人リアクション大きいし、自分の声のでかさを気にしなくていいのでラクだ。

乗ったのはこのオレンジの船と同じやつ。

海風がとっても気持ちよくて、乗り物酔いなんて全然気にならない。めっちゃ楽しい、最高!

あっという間に折り返しフェリーの時間も終わり、また岸へ戻る。

出迎えてくれたガイドのSさんに「めっちゃ楽しかったですっ!」とハイテンションでまくしたてるわたし。息子も水しぶきはテンションがあがるので「ちょー楽しい!」と盛り上がっていた。

そしてわたしたちがはしゃいでいる間にSさんがスマホ案件でタクシー会社に電話してくれていたのだが、なんとタクシー会社は営業しているはずなのに電話に出てくれないらしい。ガイドさん曰く「あいつらサボってる」だそうで。

なんかアメリカのタクシーってとにかくイエローカブに乗っておけば安心と思っていたのだけど、ガイドさん曰く、そういうわけでもなくて、イエローカブのサービスってかなりバラつきがあるのだそう。で、アメリカではウーバーを利用するほうが多いのだとか。ドライバーそれぞれが口コミで評価されるので、その分よいサービスを提供する意識が高まると。

わたし日本ではウーバーイーツで誰が来るか分からんので怖くて使ったことがないのだが、そもそもウーバーは食べ物の宅配じゃなくタクシーなどのサービスからスタートしているので、アメリカではずいぶん印象が違うんだなと納得。ただわたしのような観光客は、タクシーなんて空港の行きかえりくらいしか使わないし、ウーバーの設定をしてまで・・・とも思わないので、まぁちゃんと目的地に連れて行ってくれればいいのだけれどね。今回のおじさんも確かに個人タクシー的な感じで、いろいろ話しかけてきたり良い人層ではあったが、行き先何度も聞き返したり、サービスは微妙だったような・・・。

ということで、ガイドさんが協力してくれたにもかかわらず、スマホはタクシー会社に連絡してもダメだろうと結論。わたしたちが船に乗っている間、どうするか考えてくれていて、提案されたのは「iPhoneを探すの場所が分かるうちに現地に向かうのがベストチョイスなのではないか」ということ。

ガイドさんも、今日の仕事は「ガイド」なので、ニュージャージーまで行くのは仕事の範囲外。だけど会社にも相談をしてくれていて、ある程度までの許可は取ってくれたそう。もしわたしたちが望むなら、たまたまプライベートツアーでもあるのでかかる必要料金だけ追加すれば、ニュージャージーまでスマホ探しの旅も一緒にしてくださるという。

確かにGPSでスマホのありかが分かっていて、しかも定位置にあるなら、そこに取りに行くのがベスト。ただ、いちおうタクシーの運転手がスマホに気づかず放置したままであろうとの予想で、現地まで行ってイエローカブの中にスマホがあれば運転手に行って返してもらえばOK。だけど、万が一そうではない(堅気ではない)人の手に渡っていたとしたら、現地まで行っても警察に連絡して対応してもらうしかないので、行ってみないと分からない。どうする?とのこと。

だけどわたしの頭の中では、昨晩からニュージャージーにずっとあるのは人の手に渡っているとは思えなかったことと、今目の前に所在地があるのにみすみす逃すわけにはいかないと思ったことで、ガイドさんの配慮をありがたく受けとり、ニューヨーク1日ツアーに追加して「スマホの旅」もお願いすることにした。

とりあえず途中までは行程通りにツアーを行い、スマホの位置情報を見ながら、動かないうちに取りに行きましょうとのこと。

ガイドさんはガイドしながらも「スマホの位置を注意して見ててくださいね」と気を使ってくれる。ニューヨークツアーが、探偵ツアーみたいになってきた。

映えがすごいDUMBO

さて、打合せを終えて次なる場所はブルックリン橋を渡った先のダンボ。「DUMBO」というのは「Down Under the Manhattan Bridge Overpass」(マンハッタン橋の下)の頭文字をとっただけというベタなネーミング。 

以前はブルックリンは治安の悪い場所だったようだが、最近はえらくオシャレな街に変身したとのことですっかり観光名所になったとのこと。

はいここフォトスポットね!と連れてこられたのは、橋をのぞむめちゃくちゃ映えるスポット!ザ・ダンボな場所で、小学生の団体も集合写真を撮っているくらい有名な場所。

そしてこの向かいにあるピザ屋さんは安くて美味しいのでおすすめ。ということで昼食タイムに。

ニューヨークってお店が多すぎて選ぶのが大変なので、地元の人のおすすめは助かる!!

出てきたピザは直径がえらくデカイが薄くて食べやすくて「もう1枚いけるんじゃね?」なおいしさ!思わずビールを飲んでしまう。あっという間にピザをぺろりと食べ終わり、少し休憩しながら店内のテレビを眺めつつ、ニューヨーカー気分を味わっていた。

と、ここで事件発生!!!

マメに見ていた息子のスマホ位置情報はずっと同じ場所にあったはずなのに、突如動いたのだ。まずい、スマホが逃げてしまう!慌ててガイドさんに連絡し、ツアーは急遽「探偵モード」にシフトすることになってしまった。

続く!!!


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