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マイペース高2息子と初めてのニューヨークへ親子旅②:初日から大トラブル発生!まさかの911、NYPDのお世話になるドタバタ劇

7月末、マイペース高2息子と2人でニューヨークを旅した記録。

前回の話はこちら


14時間のロングフライトに加え、飛行機遅れ、入国審査で2時間待ち、さらに予約していた送迎に去られてやっとこさたどり着いたニューヨーク、タイムズスクエア。

昼間みたいな明るさに一瞬疲れを忘れ、アドレナリン噴出させながら夜の街を散策し、水と食べ物を買ってホテルで一息ついた息子と私。

本来なら18時半に空港着、遅くとも9時ごろにはホテルに着く予定だったのに、もう深夜12時過ぎている。

翌日は朝から1日ニューヨークツアーに申し込んでいたし、さて、シャワーでも浴びて寝ようか、となったそのとき。
新たな事件が発覚。

やけにソワソワ、もぞもぞしている息子が、言いにくそうに口を開いた。

「なんか、さっきからさぁ、スマホが見当たらないんだけど」

ぎくっ。え、うそでしょ。

「さっきから考えてたら、タクシーの中でポケットから滑り落ちちゃった気がする」

ガーン。

あのさぁ、小6でスマホデビューしてから常に手にくっついている状態で肌身離さず持ち歩き、教科書を忘れても、財布を忘れても、スマホだけは絶対に忘れなかったあなたが、なぜ今この瞬間、ニューヨークでスマホなくすんじゃい!!!!

と叫んだよね。うん、叫ぶしかない。

今回、久々の海外旅行で痛感したのは、すべてがオンライン化されていて便利ではあるけれど、その分「スマホなくしたら詰む」。eチケットとかできる限り紙に印刷してきたけれど、ブロードウェイのチケットは印刷不可。ほんとにオンラインて不便なときは徹底的に不便だ。

まぁとはいえ、すべてのツアー予約はわたしのスマホに入っていたけれど、息子と連絡つかなくなる状態は非常に怖い。

ていうかなくしたらどーするのか想定外っす。財布はなくさないように旅行用の腹巻ケースまで買ったのに、スマホはどうしてもすぐ手に取れる場所に持つからさぁ、いや、でも、それにしてもポケットから滑り落ちるって本当に今までなかったのに!!!バッグに入れとけよ・・・

と頭の中は大混乱の中、とにかく何か手掛かりを探そうとパニック脳で必死で考えた。

とにかくできるだけ早く対処しないと、「ラッキー」と拾われちゃったら最後。ここはアメリカ、日本よりも失くしものが出てこないだろう。急げわたし。

そうだ、まずは乗ったタクシーの情報。レシートをもらっておいてよかった。それと車内で何かあった時のためにタクシー運転手の情報も写真撮ったんだった。車内で宣伝されていたタクシー連盟らしい文字も思い出す。

慌ててレシートを引っ張り出し、ホテルのネットに持参したパソコンをつなぎ検索する。タクシー会社に電話するも、紛失物はメールしてと録音のガイダンスが流れて切れた。仕方ないので紛失物問い合わせ窓口にメールした。だけど当然返信はない。そのときたしか深夜1時くらいだったし、朝まで連絡がないかもしれない。だけどじっとしてはいられない。

他に方法はないか考えた。そういえば私、息子のiPhoneをGPS登録してるじゃん。とにかく今どこにあるか見てみよう、と思って「iPhoneを探す」をドキドキしながら見た。するとニューヨークの隣の州、ニュージャージー州にあるようだ。

タクシーが動いていればリアルタイムで動くはずだが、ずっと同じ場所にある。ニューヨーク郊外であることと、停止していることから、もしかしたら運転手の家なのかもと予想した。

運転手にアクセスできれば確認できるかもしれない。タクシー会社からの返信はない。うーん、どうしたらいいだろう。分からないのでチェックインの際に愛想がよかったフロントに相談してみようと思った。旅行者ばかりだし、何かしらトラブル解決策を知っているかもしれない。

「ハーイ!」と深夜にもかかわらず元気なフロントのお姉さんに事情を話した。タクシーのレシートとiPhoneを探すの情報も拙い英語で必死に伝えた。すると「今できることはないけど、交番に相談してみるといいかも」という。

タクシーの運転手に連絡を取りたいとか、なくしたときの話とか、あれこれ混み入った話をしたいが思うように英語が出てこない。代わりに警察に電話してもらえないか頼んでみると、個人情報だから代わりには電話できないと言われてしまった。まぁそうだよね・・・仕方ないのでとりあえず部屋に戻る。

息子のポカなので息子にも何か対策を調べろ!と持ってきていたiPadで調べさせた。だって彼の経験値を上げるための旅ですもの、頑張っていただかないと。あれこれ調べていた息子が「あっ、これいいかも」と言った。

彼の調査結果を聞いてみると「911ってとこに電話すれば、日本語対応してくれるっぽいよ」という。てか911って警察やんけ。110番やんけ。日本でも110番に電話したことないのに、アメリカで911?しかも発砲事件とかで深夜は忙しそうなのに、電話失くしましたって電話するのすごく気が引けるんですけど。

でもこのまま朝まで眠れるとも思えない、NYPDさんすみませんと思って911に電話し「ジャパニーズプリーズ」と言うと、通訳さんを挟んだ三者通話に切り替わった。おお、助かる。

通訳さんに事情を話すと、警察の女性は「盗難じゃなくて紛失なら、警察に今できることはない」といった。そりゃそうだよね、それ日本でもそうだわ。紛失届出すのが関の山だもんね。

けれどここで引き下がれない。あとどうしたらいいかアドバイスをくれ、今日着いたばかりでとても困っていると伝えると「ビジネスアワーになるまで待ってタクシー会社に連絡してみて。それとタクシー会社で遺失物が届く警察署があるからそこに行ってみるといい」とのこと。

まぁそうだよね、ふつうそうだよね。でもここはアメリカ。落としたiPhoneなんか日本でも戻ってこなさそうなのにあたしゃじっと待ってるわけにいかないんじゃ!

せっかちな性格がここで炸裂し、なんとかしてくれと粘ると、警察の女性は「じゃあ、とりあえず、日本語できる警官をホテルに向かわせるから、そこでいろいろ話して相談してみて」とのこと。いやはやありがとうございます。フロントに着いたら部屋に電話するからとのことで待っていると、数分後、何やら足音がして直接部屋が荒々しくノックされる。

えっ直接来ちゃった?早くない??とパニックになりながら恐る恐るドアを開けると、ガタイのいい白人警官が3人もいらっしゃった。しかも日本語出来る人ゼロ。そしてどうも話が伝わっていないようで「どうしました?」と聞かれる。え、これ最初から話し始めないといけない模様。

息子がスマホをなくしまして・・・までは話してみたものの、これやっぱ日本語ないと無理!

「日本語話せる人が来てくれるって聞いたんですが・・・」までなんとか話すと警官の方々は「聞いてねぇし」みたいな顔をした。いやでもこれ、スマホなくしてから、警察に電話するまでの詳細を自分の英語力で伝えきる気がしないので、ジャパニーズ通訳お願いします!と言うと、電話を介して通訳の方が入ってくれた。助かった。

で、ホテルの部屋の入り口で最初から事情を伝え始める。すると向かいの部屋の人が何事かとこちらを覗き、うるさいとクレームが入る。ぎゃー、フロントに行ってゆっくり話しませんか?まじで事情聴取みたいで怖いんですけど・・・。警官の方たち、ニコリともしないし(当たり前)、なんか申し訳ないしで。

ひととおり事情を話すと、結局結果は同じで「明日紛失物が届く警察署に行け」とのこと。はい、そうですよね。殺人とか起こりそうなニューヨーク(勝手な妄想)なのに、日本人がスマホなくしたなんてどうでもいいこと言ってくるんじゃないよって思ってますよね。でもこっちも今日が初日で必死なの、ほんとすみません。という気持ちを込めて精いっぱいのサンキューソーマッチを伝え、通訳さんにも申し訳ないと伝えてほしいとお願いし終了。

たぶんほんとはNYPDの人と話すなんてレアな経験なんだろうけど、そんなことを考える暇もないくらい慌てていたので、とにかく警官の人たちの威圧感にビビってた。

息子は隣で「すげぇ、銃持ってる」と思っていたらしい。いやそこじゃないから・・・っていうか日本でも警官は銃持ってるから・・・。

やることはやった、もう朝まで待つしかないと観念しつつパソコンを見ると、タクシー会社からメールの返信が。タクシーのIDとか乗車時間を教えろとのこと。あわててレシートを見ながら返信したけど、その後待てど暮らせど連絡なし。

時計を見ると深夜3時。息子は疲れて寝落ちしている。ああもう仕方ない。朝8時にツアー集合はもうお金支払っちゃったし行くしかない。車のツアーで最後の解散場所は融通が効くらしく、15時くらいに終わるらしいから、遺失物の警察署でおろしてもらおうか・・・などと考えると頭が冴えて全く眠れない。

そうだ、明日のツアーは日本人ガイドがつくんだった。NY在住だし、その人に事情を話して相談したら、解決の糸口が見つかるかも。と思い、今見られることはないだろうけれど一応ツアー会社に連絡しておこうとメールをした。

するともう明け方だというのに突然電話が鳴った。驚いて電話に出ると、ツアー会社の人。「スマホを失くされたとのことで、心配でお電話しました!明日のスタッフにも協力するよう伝えておきますので相談してみてください」とものすごく丁寧な電話をいただいて、疲れ切った体がじんわり暖かくなった。あとから知ったのだけど、日本とNYに拠点があるので、たまたま日本のスタッフがわたしのメールを見てすぐに連絡をくれたらしい。時差が13時間でちょうど昼夜逆転しているので24時間営業みたいなことができるのね。

スマホ事件で気が気じゃなく、ツアーなんかやってる場合じゃないと思ったけれど、スタッフさんに相談もできそうだし、気を取り直してツアーに行こう。と思い、ウトウトしては起き、を繰り返しながら、ほぼ眠れないまま朝を迎えた。

びっくりスマホ事件からスタートしたニューヨーク旅行。眠い目をこすりながらのニューヨーク1日ツアーも、このスマホ絡みでなんともユニークなツアーとなった。続く!



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