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ブラジルで黒魔術17

息子にかけられた「赤い糸の呪い」
気付いてからそれを解くまでの家族の物語。
自分用にメモしていたものを編集してます。

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続き

みんながアヤワスカを飲んで、
それぞれの席に落ち着いてから20分後、
インディオの歌が始まった。

第1幕は楽器はなし。
インディオはマントラを唱えるように、
同じようなフレーズを何度も何度も繰り返し歌った。

マテウスの時とは全然違った。
(それはそれでいいのだけど) 
それはとても優しく、でもしっかりと強く、
不思議な空間を作り出していた。

しばらくしてわたしは思い出した。
全身にアヤワスカが染み渡った頃、それがシャーマンの声に反応して体の中で活性化する。

歌声に反応して、
身体がしびれ始めるのを感じた。

アヤワスカの量なのか濃度なのか、それとも調合なのか、いつも少しずつ違うのだけど、
効き過ぎる時はかなりしんどい思いをすることになる。今回は丁度いい感じだった。

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わたしは最初、初参加の息子のことを気にかけていた。彼は案外落ち着いていて、問題なさそうだった。

わたしはというと…次第にそれどころじゃなくなって来た。

だんだん悲しみの感情が心に入り込んで来て、わたしは泣き始めていた。

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いつも最初のアヤワスカを飲むときに、
今回の儀式の目的を設定するようにしている。

今回は、

息子にかけられた赤い糸を解いて欲しい、
そしてわたしたち家族にかけられている黒魔術も解いて、

彼女達は彼女たちの人生を彼女たちの方法で、わたしたちはわたしたちの方法で、
それぞれの場所で生きていくよう、

繋がりを断ち距離を置いて欲しいと、
アヤワスカにお願いしていた。

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わたしはしばらく泣いた後、これは彼女の悲しみだなと思った。わたしの中に彼女の意識が入り込んだ様だった。

今回もかなり泣くことになりそうだ…

続く

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