見出し画像

この文章は、呼吸法・ヨーガの師である高橋玄朴先生が講師を務められる筑波大学『みんなのヨーガ』という活動のメールマガジン6月号に掲載させて戴いたものです。

❇️❇️❇️❇️❇️❇️❇️❇️❇️❇️❇️❇️❇️❇️❇️❇️

 GW直前に息子が風邪をひき、1ケ月以上前から指折り数えて楽しみにしていた帰省を躊躇していましたが、GW後半にはすっかり元気になり、『いつ山梨に行くの?』というように毎日指を折り訴えてくる息子の姿が切なくなり、混雑予想されるGWですが、思い切って母子2人電車で帰省することにしました。

とは言え、大荷物抱え、車椅子の息子との電車移動に不安もあり、事前に調べると、当日改札でお願いすれば駅員の方がサポートしてくれることを知り、初めてそのような段取りにしました。

予想通り、東京駅は多国籍の方が入り乱れての大混雑!
座席は事前にネット予約できるものの、障害者割引を適用するためにはみどりの窓口での乗車券購入が必要です。まずは、通常より長い列に並び、やっと乗車券を手元に。

改札で介助のお願いを申し出ると、しばらくして、30代くらいの女性の案内係の方が来てくださいました。

『こちらに…』と時々振り返って私たちの様子を確認しながら、人混みを縫うように誘導してくださり、一般のエレベーターとは違う、車椅子や介助が必要な方のための通路・エレベーターを案内してくれ、スムーズにホームまで行くことが出来ました。

それでも予約した座席の乗り口に着いたのは、発車まで10分を切る状況。

乗車を待ちながら、『前回は介助をお願いしなかったので、私1人で車椅子から子供を下ろし、車椅子を荷物スペースに入れるのに苦労しました。』と何気なく話すと、
『あまり知られていませんが、車椅子のまま乗車できる座席がありますよ!』と明るい笑顔で答えてくださり、すぐに各所連絡を取り、座席の変更・下車駅の介助手配などをしてくださいました。

車椅子乗車のできる席はゆったりとしていて、思いがけず快適な電車移動となりました。

下車時も、同じ車両の乗客全員が下りてからの下車となりいつもより時間がかかりましたが、駅員の方がスロープを用意してくださり、在来線への乗り継ぎも誘導してくださり助かりました。

 今回の体験から、『働く』ということについて改めて思うことがありました。
程度に差はあるものの、『人は誰かの役に立ちたい』という想いがあるように思います。
しかし、自分自身を振り返ってみても、日常のあれこれによって元気や余裕がなくなると、その想いはいつしか奥底に隠れてしまうことも。

まず自分の日常、心身を整えて、気分よく過ごすこと、それが喜んで楽しんで働ける基盤となるように思います。そして、そういった働きこそ人の役に立ち、喜びや安心や元気を与えるものとなるだろうと。

今回出逢った案内係の女性の私生活はもちろん知りませんが、その『嬉々として働く』姿に、そのようなことを感じたのです。









この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?