見出し画像

引退試合

小学1年生から始めた長男の少年野球も最終戦。

負ければ引退。

相手チームも同じこと。
みんなそれぞれ様々な思いでここに立ち、
全力でプレイする。

試合開始
円陣で中心になって声出ししている長男がいた。

遠くから観ている私には何を言っているのか分からなかったけれど最後の言葉だけ聞き取れた。
「悔いの残らないように全力で行こう!」
その大きな掛け声に
「よっしゃー!!」とみんなが声を出しグランドに走っていく。
もうその時点で私の涙腺は崩壊している。

ずっと自分の殻が破れず、
声を出せずに怒られていた低学年。
気付けば、チームで一番声が出せる選手になっていた。
試合中も仲間の思いっきりの全力プレーに声をかけ、周りを見れる選手になっていた。
お世辞でも身体が大きいとは言えない、小柄な長男。身体の大きい選手のような豪快なプレーは出来ないけれど自分にできることを全力で出し切っていた。
とびきり強い打球も身体で止め、
早い打球も飛んで喰らい付いていた。
チームメイトのみんなもそれぞれの成長が溢れていて、我が子関係なく号泣。
本気のプレーはこんなに心を動かすのだと感じた。
結果は惜しくも負け。
少年野球、最後の試合が終わった。

すぐ泣く長男はやっぱり今までで一番泣いていた。
今まで6年間、泣いている長男を見ては

「泣くな!!
そんだけ悔しいんやったらもっと練習しろ!!」
と伝えて旦那。

最後の試合で号泣している長男に、
初めて「よく頑張ったな!!」
とヘルメットを叩いていた。
この試合に向けて毎日、素振りをしていたことを一番知っている。
仕事が早く終わった日は羽撃ちや
バッティングセンターにと何やかんや一緒に野球を楽しんでた。母親の私とは違う思いがそこにはたくさんあったのだろう。

大事なことをまた子どもに教えてもらったなぁと感じた。

6年間、辛いこともたくさんあったのに
一度も辞めたいと言わず、やり抜いた長男。
大好きで始めた野球は卒団する今も大好きなままだった。
仲間と過ごした時間。
最高の宝物。

こんな経験をさせてくれてありがとう。
こんな景色を見せてくれてありがとう。

私にとっても最高の最幸の宝物。




この記事が参加している募集

子どもに教えられたこと

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?