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「ONE LIFE ミーガン・ラピノー自伝」 の紹介

こんにちは。自己満足な毎日をすごしたいです。


今日は本の紹介📖

「ONE LIFE ミーガン・ラピノー自伝」
ミーガン・ラピノー 栗木さつき訳

アメリカ女子サッカー選手、ミーガン・ラピノーさんの著書。ニュース映像などで髪の毛をピンク色であったり紫色であったりに染めた彼女の姿を見たことがある人もいるのでは?

彼女は、世界最高峰のサッカー選手に贈られるバロンドール(クリスティアーノ・ロナウド選手やメッシ選手、澤穂希さんらが獲得している)を獲得したり、アメリカ代表としてオリンピックやワールドカップなどで活躍したりしているトップ選手です。本書にはサッカーを始めた頃の話であったり、度重なるけがに苦しんだ話であったりも描かれています。

ところが彼女には更なる一面があります。同性愛者である彼女は、性的少数者への差別、有色人種への差別、男女の賃金格差に対して、おかしいと公の場で声をあげ続けているのです。

ロサンゼルスLGBTセンターでスポーツ界の同性愛者としての経験を語るなど、性的マイノリティの権利についての発信を行い、同じアメリカ代表のサッカー選手であっても賃金や賞金が男子に比べて女子は3分の1程度しかない(しかも男子より女子の方が実績を残し続けている)のはおかしい、と紆余曲折あった中でアメリカサッカー協会を提訴し、男女平等の賃金の支払いを認めさせています。さらに、白人である彼女がアメリカの人種差別についても、国歌演奏中に膝をつく(前例の選手はいる)ことで差別への抗議を行うなど、社会活動家とも言えるような側面もあります。

2022年カタールワールドカップでは、ドイツ代表がFIFAの決定(カタールの差別に対する抗議の腕章を巻いて試合に出場すれば警告を出す)に対する抗議で、日本戦前の写真撮影で選手が口を手で覆う仕草をしたことは有名ですね。

日本では、12月の人権週間に合わせて、「性的少数者への理解はあるつもり、でも自分の周りにはいなかった。いなかったのではない、言えなかっただけ」というCMが何度も何度も放送されていました。記憶に新しい方も多いかと思います。

このように、チームでの抗議、CM放送などはありますが、個人で抗議の意を表明し続ける勇気はなかなかないかもしれません。彼女が国歌演奏中に膝をつくことを心に決めた前例の選手は、彼女がサッカーで活躍したり、人権活動を続けていたりしているときでも干されていた、という事実もあるようです。


そんななかで、エピローグに書かれた文章を紹介して終わりにしたいと思います。

「わたしたちはみな、よりよい人間になりたいと思っている。自分の事だけにかかずらうのではなく、傷ついている他者のことも思いやりたいと思っている。(中略)他者のために行動するからこそ、自身の身もしっかりと守ることができるのだ。(中略)変化を起こす力は、わたしたち一人ひとりのなかにある。それは、わたしたちの日々の選択のなかに宿っている。どんな話し方をするか。どんな発言を許さないのか。さまざまな本や記事を読み、もっと考え、違う視点から物事を考えていけば、かならず変化を起こす力が生まれる。1日に5分でいいから、この世界をどうすればよりよくできるだろうと考える時間をつくってほしい。変化はそこから生まれるのだから。(中略)すべては変化を続けている。変化は、いま起こっている。そして、それはまだ始まったばかりだ。さあ、ここからだ。みんなでいっしょに一歩を踏み出そうよ!」


最後まで読んでいただきありがとうございました。


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