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大失恋をしたあの日。

恋を失うと書いて、失恋。
現在29歳になる私だが、大失恋を経験したことがある。

失恋の定義ってなんなんだろう、と思ってふとネットで調べてみた。

[名](スル)恋する思いが相手に通じなかったり、相手に拒絶されたりすること。

weblio辞書より

読むだけてなんだかチクリと胸が痛む。

失恋は辛いけれど、色々なことを教えてくれる経験だとも思う。
もうすぐ私も30歳。13年前に経験した、大失恋を少し振り返ってみる。


初めてできた彼氏

私が初めて付き合ったのは、高校1年生の時。当時は自分が思う、かっこいい人に惹かれていた。部活はバドミントン部に入り、その時に出会った同級生に一目惚れ。

私は積極的にコミュニケーションを取るタイプのため、その同級生とすぐさま仲良くなり、おそらく出会って1,2ヶ月で付き合ったような気がする。

人生で初めての彼氏。心はウキウキ。でも、付き合うって具体的に何をするのかわからなくて、メールを送ってもいいものか、遊びにはいつ誘うのか、そんなことを1人で悶々と考えながらも、仲良く一緒に過ごしていた。

部活帰りにニケツで帰ったり、青春してたな。

一番仲良かった先輩のこと

バドミントン部で一番仲良かった女性の先輩がいた。1個上で、明るくて元気で、人を思いやることのできる先輩だった。ゆかちゃん、ゆかちゃんとよく可愛がってくれた。

2人でご飯を食べたり、映画を観に行ったり、とても大好きな先輩だった。

「ゆかちゃん、◯◯(彼氏の名前)とは最近どう?」

とよく聞かれた。気にかけてくれたことが嬉しかったし、素直に話していた。

ちなみに先輩も、彼とは仲良くてよく3人で一緒に帰ったりしていた。

彼からの突然の電話

付き合って5ヶ月経った頃。今までメールも電話も早かった彼の様子が何かおかしい。いつもよりスローモーションだし、会話もイマイチ盛り上がらない。なんか私したかなあ…なんて悩みながらも、日常を過ごしていたら彼から電話がかかってきた。

喜んで、どうしたの?と電話に出た。
そしたら彼に言われた。

「急にごめんね、別れたい」

私は何が起きているかその時理解できずフリーズ。

「え?急にどうしたの?」

「ごめん。別れたい。」

「理由聞いていい?」

「気持ちが冷めた」

がーーーーーーーーーーーーーーーーん。

ショックで何も言えず、時間が経ってから急に涙が溢れてきた。

あーーーこれが失恋ってやつ?別れるってやつ?
私なんか冷めることしたのかな。メール送りすぎた?よく西野カナが忘れられない曲めっちゃ出してるけどさ、こういうことなのね。いや、きついな。明日から高校行くの嫌だな。部活も行きたくない。どうやって過ごせばいいんだろう。会うのが気まずいってこういうこと?

などなど頭で色々なことを思い浮かべつつ、別れたくないと駄々をこねてみるも彼の気持ちは変わらず、私も仕方なく、諦めた。

初めての彼氏との日々は、5ヶ月であっけなく終了した。

たまたま見てしまう2人の姿

傷心状態の私はご飯もあまり食べれず、部活も休みがちになり、失恋の恐ろしさを知った。いやこれ思っている以上にきついぞ。いつ忘れられるんだ?と朝起きるたびに感じていた。

いつもは私は自転車で高校に通っていたが、その日は雨だったこともあり、たまたま電車で帰宅をしていた。

友達に話を聞いてもらいながら最寄り駅まで歩いていると、
「ねえ、ゆか。◯◯(元彼の名前)いるよ。ちょっと時間ずらして帰る?」
と友達が気を遣って先回りの提案をしてくれた。

私は、咄嗟に会いたくないな、きついな、と思ったが、ずっと避けているわけにはいかない。
「大丈夫。頑張る。気にしないようにする」
と友達に伝えて改札を通ったその時。

私が一番仲良かった先輩と、元彼が仲良く手を繋いでいるではないか。

え????別れてまだ1ヶ月も経ってないぞ?????

え??てか、先輩??え???

頭が大混乱。友達と急いで引き返し、呼吸を整え整理をした。

「あれ、えっと。ん?何が起きてるの?」

「◯◯先輩、いつから付き合ってるの?ゆか、そのこと知ってた?」

「いや、知らないしわかんない。もう別れたし….」

そんな言葉を交わしながらも、モヤモヤした気持ちのまま帰宅。色々と理解できてきて、とにかく辛くなって、当時は学校を1日休んだ気がする。

部活を辞め、色々な関係を清算

色々なことがわかってきた。
つまり、私は先輩に彼氏をとられたのであった。

鈍感な私は、先輩がなぜ私に近づいてきていたのか当時はわかっていなかった。なんであんなに彼との話を聞いてくるのかも、合点がいった。
素直にペラペラ話していた私もアホだけども。

私と付き合っている時から、もう先輩と彼は出来上がっていたのだ。

その後、その先輩から長文のメールが送られてきた。ゆかちゃん、ごめんね、みたいな内容だったと思う。先輩から送られてきたメールは、ポエムのようだった。ポエムは何も悪くないが、ポエムが嫌いになった。

当時の私はもちろん怒りの感情が湧き、でももうどうしようもなく、ただただひたすら泣いた。泣いても泣いても、涙はとめどなく溢れてくるし、こんなに辛いなら、もう誰かを好きになりたくないと本気で思った。(マッキーは、もう恋なんてしないなんて言わないよ絶対って言ってたけど、私はもう恋なんてしないと言いたかった)

結局私はその先輩と彼がいるバドミントン部に気にせずいられるほど強くはなかったので、退部。その先輩とも縁を切った。

13年も前の話だけど、当時の私には高校生活で一番傷ついた経験で、いまだに覚えている。流石にもう、ネタだけど。

振り返ってみて

この失恋経験から13年経って、こんなことを思うようになった。

まずは、人の気持ちは変わるしコントロールができないものだということ。
どれだけ好きでも愛し合っていても、人の気持ちは変わる。もちろん濃淡はあるし、変わったからといって別れるだけが選択肢ではない。だけど、変わるんだ、そして恋愛は、コントロールできるものではないんだ、ということを身にしみて感じる出来事だった。

もう一つは、恋愛において、女を武器にするのではなく私を武器にする、と決めた。私を武器にして好きになってくれる人がいたら、それでいいんだと。この出来事がある前は、女性らしくとか、モテみたいなこと意識していたけど、(頑張ってたなあ)全て手放した。バイバイ、つくられた私!!!

最後に、もっと美しくなるチャンス!と思うようにした。私は確かに彼を失い、先輩も失い、失ったものは多かったけれど、失恋の痛みを知っているか知らないかでは、きっと知っている人だからこその魅力があるはず、と思うようにした。でも痛かった。この痛みはきっと忘れることなかろう。

当時は辛くて苦しくて仕方なかったけど、振り返ってみるとこの失恋経験は私の中では大きかったなあ。間違いなく今の私をつくってくれた経験です。

最後に、失恋した私を支えてくれた言葉で締めくくろうと思う。

誰かを愛して誰かを失った人は、何も失っていない人よりも美しい。

米国映画『イルマーレ』


13年前のメソメソ泣いている私へ。大丈夫。ちゃんと今、幸せだよ。


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