<ラグビー>2024年シーズン(8月第一週)
(どうでもよい「話の枕」です。関心ない方は飛ばしてお読みください。)
「イカゲソ天と立ち食い蕎麦」問題について。昔、イカ自体が安かった上に、身の部分から外されたゲソは庶民=貧乏人の食べ物だった。そもそも金持ちがイカゲソを食べるなんてことはなかった(高級料亭にゲソ料理はありえない)。また、立ち食い蕎麦屋の天ダネではイカ(ゲソではなく、身の部分)が一番安かった。それが、今や立ち食い蕎麦屋に運転手付きのメルセデスベンツで乗り付ける客がいる他、イカゲソ天を出す立ち食い蕎麦屋は、TVで紹介したために、いつも大行列になっている。
貧乏だった我が家では、かき揚げといえば、玉ねぎ・ニンジン・イカゲソが定番だった。有楽町のガード下のもつ焼き屋で飲むときは、もつ煮込み・もつ焼きに加えて、イカゲソを茹でたものをワサビ醤油で食べていた。いずれも焼酎・ホッピーによく合った。ところが、今はどこもかしこもイカゲソが高価になり、立ち食い蕎麦屋が満員だ。これはみんな「大衆」による弊害である。
マルクスの19世紀に行った予言はことごとく外れた上に、その思想は曲解されて今や世界の脅威になっているが、100年前のオルテガは、全体主義の出現及び大衆社会とポピュリズムの弊害を予言した。その社会分析と予想は的確であったが、実際に出現した「大衆」は実に厄介なものだと思う。その対処方をオルテガに尋ねてみたい。
1.パリオリンピックセヴンズ女子結果
プールマッチ
アイルランド12-21英国 オーストラリア34-5南アフリカ
アメリカ36-7日本 フランス26-0ブラジル
フィジー14-17カナダ NZ43-5中国
アイルランド38-0南アフリカ オーストラリア36-5英国
アメリカ24―5ブラジル フランス49-0日本
フィジー12-40中国 NZ33-7カナダ
英国26-17南アフリカ オーストラリア19-14アイルランド
日本39-12ブラジル フランス31-14アメリカ
カナダ26-17中国 NZ38-7フィジー
9位準決勝
日本15-12南アフリカ フィジー22-28ブラジル
準々決勝
NZ55-5中国 英国7-17アメリカ
フランス14-19カナダ オーストラリア40-7アイルランド
5位準決勝
中国19-15英国 フランス19-7アイルランド
準決勝
NZ24-12アメリカ カナダ21-12オーストラリア
11位決定戦
南アフリカ21-15フィジー
9位決定戦
日本38-7ブラジル
7位決定戦
英国28-12アイルランド
5位決定戦
中国7-21フランス
3位決定戦
アメリカ14-12オーストラリア
オーストラリアは、今大会でトライを量産しているマディソン・レヴィが2トライを記録したが、コンバージョンの差で敗れた。NZとともに優勝候補であったオーストラリアとしては、レヴィ一人に頼ったチーム作りが結果に影響したようだ。
決勝
NZ19-12カナダ
ブラックファーンズセヴンズは、リシ・ポウリレインのトライで先行したが、5分にポーシャ・ウッドマンウィクリフがシンビンを取られて数的不利となり、その後カナダに連続トライを許して、7-12と逆転される。しかし、トライゲッターであるミカエラ・ブレイドが8分に、ステイシー・ワアカが13分に、連続トライを挙げて再逆転し、東京オリンピックから連続となる金メダルを獲得した。ベテランのサラ・ヒリニが復帰した上に、ウッドマンウィクリフ、ワアカ、ブレイド、ジョルジャ・ミラーと綺羅星の如く多くのスピードとパワーを兼ね備えたスーパースターが揃っていることが、優勝に大きく寄与していた。
2.その他のニュースなど
(1)オールブラックスのTRC用スコッド
オールブラックスが、TRC(ザ・ラグビーチャンピオンシップ)用のスコッド36人(FW20人、BK16人)及び怪我人対応として1人のスコッドを発表した。初キャップとなるのは、すでに次世代のオールブラックスの中心選手となると期待されている、FBのルーベン・ラヴで、怪我によりイングランド戦には間に合わなかったが、今回待望のテストマッチ出場の機会を得ることとなった。
また、同じく怪我で対象外となっていた、FLサム・ケーン及びWTBウィル・ジョーダンに加えて、ユーティリティーBKとしてデイヴィット・ハヴィリが復帰した。なお、キャプテンのLOスコット・バレットが怪我で最初の試合を欠場する関係で、怪我人対応としてジョシュ・ロードが選ばれている。キャプテンは、FLアーディ・サヴェアとCTBジョルディ・バレットが、それぞれ代行する。
名前の後の( )は、年齢、スーパーラグビー所属、州代表所属、キャップ数の順に記載。
Forwards (20):FW20人
Hookers:フッカー 3人
Asafo Aumuaアサフォ・アウムア (27 / Hurricanes / Wellington / 9)
Codie Taylor コーディ・テイラー(33 / Crusaders / Canterbury / 87)
George Bell ジョージ・ベル(22 / Crusaders / Canterbury / 1)
Props :プロップ 6人
Ethan De Groot イーサン・デグルート(26 / Highlanders / Southland / 25)
Tyrel Lomax タイレル・ローマックス(28 / Hurricanes / Tasman / 34)
Fletcher Newellフレッチャー・ニュウウェル (24 / Crusaders / Canterbury / 16)
Pasilio Tosi パシリオ・トシ(26 / Hurricanes / Bay of Plenty / 1)
Ofa Tu’ungafasiオファ・トゥンガファシ (32 / Blues / Northland / 59)
Tamaiti Williams タマイティ・ウィリアムス(23 / Crusaders / Canterbury / 8)
Locks:ロック 4人
Scott Barrettスコット・バレット (30 / Crusaders / Taranaki / 72) (Captainキャプテン)
Tupou Vaa’i ツポウ・ヴァアイ(24 / Chiefs / Taranaki / 28)
Patrick Tuipulotuパトリック・ツイプロツ (31 / Blues / Auckland / 45)
Sam Darry サム・ダリー(24 / Blues / Canterbury / 1)
Loose Forwards:FW3列 7人
Ethan Blackadderイーサン・ブラカッダー (29 / Crusaders / Tasman / 11)
Sam Caneサム・ケーン (32 / Chiefs / Bay of Plenty / 95)
Samipeni Finauサミペニ・フィナウ (25 / Chiefs / Waikato / 3)
Luke Jacobson ルーク・ジェイコブソン(27 / Chiefs / Waikato / 21)
Dalton Papali’iダルトン・パパリイ (26 / Blues / Counties Manukau / 34)
Ardie Savea アーディ・サヴェア(30 / Moana Pasifika / Wellington / 84) (Vice Captainヴァイスキャプテン)
Wallace Sititiワレス・シティティ (21 / Chiefs / North Harbour / 1)
Backs (16) バックス16人
Halfbacks:スクラムハーフ 3人
Noah Hothamノア・ホッサム (21 / Crusaders / Tasman / 1)
TJ Perenara TJ・ペレナラ(32 / Hurricanes / Wellington / 81)
Cortez Ratima コルティス・ラティマー(23 / Chiefs / Waikato / 2)
First five-eighths:スタンドオフ 2人
Beauden Barrett ボーデン・バレット(33 / Blues / Taranaki / 126)
Damian McKenzie ダミアン・マッケンジー(29 / Chiefs / Waikato / 50)
Mid-fielders:センター
Jordie Barrettジョルディ・バレット (27 / Hurricanes / Taranaki / 60) (Vice Captainヴァイスキャプテン)
David Havili デイヴィット・ハヴィリ(29 / Crusaders / Tasman / 27)
Rieko Ioaneリエコ・イオアネ (27 / Blues / Auckland / 71)
Anton Lienert-Brownアントン・リエナートブラウン (29 / Chiefs / Waikato / 73)
Billy Proctor ビリー・プロクター(25 / Hurricanes / Wellington / 1)
Outside backs:バックスリー 6人
Caleb Clarke ケイリブ・クラーク(25 / Blues / Auckland / 21)
Will Jordanウィル・ジョーダン (26 / Crusaders / Tasman / 31)
Ruben Love ルーベン・ラヴ(23 / Hurricanes / Wellington / 0)
Stephen Perofeta スティーヴン・ペロフェタ(27 / Blues / Taranaki / 5)
Sevu Reeceセヴ・リース (27 / Crusaders / Southland / 26)
Mark Tele’aマーク・テレア (27 / Blues / North Harbour/ 11)
INJURY COVER: 怪我人対応(LO) Josh Lordジョシュ・ロード (23 / Chiefs / Taranaki / 4)
初キャップとなるラヴは、SOもできる(またクリケットでも一流の)万能BKで、2022年にはマオリオールブラックスとオールブラックスXVに選ばれ、U20代表でも活躍した選手である。父は、元マオリオールブラックスのマテネ・ラヴで、パーマストンノース(ウェエリントンから内陸部を北へ向かったところにある大学のある街)ハイスクールでラグビーとクリケットをプレーしたとき、ラヴはクリケットのU19NZ代表とラグビーの高校代表に同時に選ばれている。2020年にウェリントン州代表入りし、2021年にはハリケーンズの中心選手に成長していたことから、2023年RWC前からオールブラックス入りは確実と見られていた。
今回のスコッドは、ほぼベストメンバーで構成されているが、SHフィンレイ・クリスティーが外れ、またNO.8ホスキンス・ソツツが引き続き選考対象になっていない。そのため、ソツツが他国(イングランドやフィジー)代表に移る可能性が心配されている。また、SHキャメロン・ロイガードは、怪我のため選考外となっているが、将来プレーに復帰できれば、すぐにオールブラックスの正SHになると見られている。
<個人的願望による23人予想(アルゼンチン戦対象)1番-23番の順に記載>
デグルート、アウムア、ローマックス、ツイプロツ、ヴァアイ、ブラカッダー、サヴェア、シティティ、ペレナラ、マッケンジー、テレア、ジョルディ・バレット、プロクター、ジョーダン、ラヴ。(リザーブ)テイラー、ウィリアムス、トシ、ダリー、パパリイ、ラティマー、リエコ・イオアネ、ボーデン・バレット。
世代交代に向けて、アルゼンチン戦では若手を積極活用したい。特にアウムア、シティティ、プロクターはフィジー戦で良いプレーを見せており、このままテストマッチレベルでのさらなる活躍が期待できる。また、ラヴは絶対に活躍できる逸材なので、先発から起用し、万能かつ信頼あるボーデンをリザーブに置きたい。
(2)オーストラリア・ワラビーズのスコッド発表
ワラビーズのNZ人監督ジョー・シュミットは、6人の初キャップとなる選手を含む36人(FW19人、BK17人)のTRC用スコッドを発表した。初選出となったのは、FLルーク・レイマー、FLカルロ・ティッザノ、FLセル・ウル、SOハミッシュ・スチュアート。レイマーとティッザノの二人は、フレイザー・マクライトとリアム・ライトの怪我で、またウルはランギ・グレイソンの欠場により、それそれスコッド入りした。
一方、WTBマックス・ジョーゲンセンが怪我から復帰し、TRCでの初出場を目指す。さらに、オリンピックのセヴンズのメンバーとしてプレーした、WTBコリー・ツールもスコッド入りした。海外でプレーする選手からは、WTBマリカ・コロイベテのみが選ばれている。コロイベテは2023年RWCで代表から引退したと見られていたが、今回予想外の復帰となった。残念ながら、ラロッシェルで活躍するLOウィル・スケルトンは選考外となっている。また、7月のテストマッチで初キャップを得たFLチャーリー・ケールとWTBダービー・ランカスターの二人は、元オールブラックスのPRアレックス・ホッジマンとともに選考外となっている。
Forwards FW19人: Allan Alaalatoa(アラン・アラアラトア), Angus Bell(アンガス・ベル), Angus Blyth(アンガス・ブライス), Matt Faessler(マット・ファエスラー), Nick Frost(ニック・フォレスト), Tom Hooper(トム・フーパー), Isaac Kailea(アイザック・カイレア), Josh Nasser(ジョシュ・ナッサー), Zane Nonggorr(ゼイン・ノンゴラー), Billy Pollard(ビリー・ポラード), Luke Reimer(ルーク・レイマー), Lukhan Salakaia-Loto(ラッカン・サラカイアロト), James Slipper(ジェイムズ・スリッパー), Carlo Tizzano(カルロ・ティッザノ), Taniela Tupou(タニエラ・ツポウ), Seru Uru(セル・ウル), Rob Valetini(ロブ・ヴァレティニ), Jeremy Williams(ジェレミー・ウィリアムス), Harry Wilson(ハリー・ウィルソン)
Backs BK17人: Filipo Daugunu(フィリポ・ダウグヌ), Ben Donaldson(ベン・ドナルドソン), Josh Flook(ジョシュ・フリック), Jake Gordon(ジェイク・ゴードン), Len Ikitau(レン・イキタウ), Max Jorgensen,(マックス・ジョーゲンセン) Andrew Kellaway(アンドリュウ・ケラウェイ), Marika Koroibete(マリカ・コロイベテ), Noah Lolesio(ノア・ロレシオ), Tom Lynagh(トム・ライナー), Tate McDermott(テイト・マクダーモット), Hunter Paisami(ハンター・パイサミ), Dylan Pietsch(ディラン・ピーチ), Hamish Stewart(ハミッシュ・スチュアート), Corey Toole(コリー・ツール), Nic White(ニック・ホワイト), Tom Wright(トム・ライト)
<個人的見解>
2023年RWCでは、前監督エディー・ジョーンズの無謀な若手中心の経験値皆無のスコッドにより、史上最悪の結果となったワラビーズだが、後任となった実績あるNZ人監督ジョー・シュミットによって、着々と復活への道程を固めている。今回も、若手とベテランを融合した緩やかな世代交代を図るとともに、テストマッチで勝てる良いスコッドとなっている。未だ「試運転期間」と称して勝てない経験値のない選手中心のスコッドを構成している日本とは、好対称かつ参考(お手本)となるメンバーである。
(3)アルゼンチンのスコッド発表
アルゼンチンのフェリペ・コンテポーミ監督は、TRCに向けたスコッド31人(FW17人、BK14人)を発表した。今シーズン初めて代表でプレーする数人のベテラン選手を加えており、経験値を重視したものとなっている。また、初キャップとなるLOエフレン・エリアスを入れており、世代交代も考慮している。エリアスは、フランスのツールーズでプレーする一方、先月開催されたU20南アフリカ大会でアルゼンチン代表としてプレーした期待の若手である。なお、ベテランCTBフェロニモ・デラフエンテは、個人的な事情で代表を辞退した。今シーズンのアルゼンチン代表は、フランスと1勝1敗の後ウルグアイに圧勝しており、好調ぶりを見せている。
ForwardsFW17人: Eduardo Bello(エデュアルド・ベッロ), Agustin Creevy(アガスティン・クレビイ), Efrain Elias(エフレン・エリアス), Thomas Gallo(トマス・ガロ), Juan Martin Gonzalez(フアンマルティン・ゴンザレス), Marcos Kremer(マルコス・クレメール), Tomas Lavanini(トマス・ラヴァニーニ), Pablo Matera(パブロ・マテーラ), Franco Molina(フランコ・モリーナ), Julian Montoya(フリアン・モントーヤ), Joaquin Oviedo(ホアキン・オヴィエド), Juan Bautista Pedemonte(フアンバティスタ・ペデモンンテ), Pedro Rubiolo(ペドロ・ルビオロ), Ignacio Ruiz(イグナチオ・ルイズ), Joel Sclavi(ヨエル・スクラヴィ), Lucio Sordoni(ルチオ・ソルドーニ), Mayco Vivas(マイコ・フィファス)
BacksBK14人: Thomas Albornoz(トマス・アルボルノス), Lautaro Bazan Velez(ラウタロ・バザンフェレス), Gonzalo Bertranou(ゴンサロ・ベルトラノウ), Martin Bogado(マルティン・ボガド), Mateo Carreras(マテオ・カレーラス), Santiago Carreras(サンチャゴ・カレーラス), Santiago Chocobares(サンチャゴ・ショコバレス), Lucio Cinti(ルチオ・チンチ), Santiago Cordero(サンチャゴ・コルデーロ), Bautista Delguy(バウティスタ・デルガイ), Gonzalo Garcia(ゴンザロ・ガルシア), Juan Cruz Mallia(フアンクルーズ・マリーア), Matias Moroni(マティアス・モローニ), Matias Orlando(マティアス・オランドー)
<個人的見解>
日本でもおなじみの、HOアガスティン・クレビイとフリアン・モントーヤ、FLマルコス・クレメールとパブロ・マテーラ、荒々しく反則の多いLOトマス・ラヴァニーニ、RWC以降先発に定着したSHゴンサロ・ベルトラノウ、SOサンチャゴ・カレーラス、優れたゴールキッカーのWTBバウティスタ・デルガイ、トライゲッターのWTBサンチャゴ・コルデーロ、マティアス・モローニ、マティアス・オランドーといった各選手がスコッド入りしており、フランス二連戦からさらに経験値を増したメンバーが予想される。ホームで迎え撃つオールブラックスとしては、もはやBチームで楽勝できる相手ではないことを再確認したい。
(4)TRCのトライ記録
TRC(トライネーションズを含む)に限定した通算トライ記録は、以下のとおりとなっている。このうち、現在も代表でプレーしているのは、オールブラックスのリエコ・イオアネとボーデン・バレットの二人だけだが、それぞれ今大会の6試合で新記録の達成が期待されている。
なお、以下の記録を見れば一目瞭然だが、南アフリカからはハバナ1人であるのに対して、オールブラックスからは8人、オーストラリアからは2人となっており、いかにオールブラックスがトライを取るラグビーを志向し、またそれを見事に実現してきたかがわかる。ラグビーはPGやDGを重ねて勝負を決めても面白くないスポーツであり、なによりもトライを取り合うことにスポーツとしての醍醐味がある。それを誰もがわかりやすい形で実現してきたのがオールブラックスであり、その魅力を発揮した舞台がトライネーションズ及びTRCという大会であった。
1位 ブライアン・ハバナ(南アフリカ) 21
2位 リエコ・イオアネ(オールブラックス) 18
2位 ベン・スミス(オールブラックス) 18
4位 リッチー・マコウ(オールブラックス) 17
5位 ボーデン・バレット(オールブラックス) 16
5位 クリスチャン・カレン(オールブラックス) 16
7位 ジョー・ロコゾコ(オールブラックス) 15
8位 イズラエル・フォラウ(オーストラリア) 14
9位 アダム・アシュリークーパー(オーストラリア) 13
9位 ダグ・ハウレット(オールブラックス) 13
9位 ジュリアン・サヴェア(オールブラックス) 13
(5)TJ・ペレナラは、リコー・ブラックラムズへ
オールブラックスのSHであるTJ・ペレナラ、32歳は、今シーズン終了後にリーグワンのリコー・ブラックラムズに移籍することを発表した。オールブラックスには、既に有望な後継者となる若手SHが輩出しているので、今シーズンは自分の経験を伝えたいと述べる一方、日本には有能な選手が沢山いるので、彼らの成長を助ける役割をしたいと述べており、将来的なコーチ就任を含めての移籍と見られる。
ペレナラは、以前NTTコミュニケーションでプレーしたことがあり、その時はチームの勝利に多大な貢献をしていた。今回もブラックラムズの躍進に大きく寄与することが期待される。一方、オールブラックスとしては、ともに代表の座を争って来たフィンレイ・クリスティーに加え、若手のキャメロン・ロイガード、コルティス・ラティマー、ノア・ホッサムが登場しており、世代交代が着実に進んでいるため、ペレナラのオールブラックスでの役割は、ロイガードが怪我でプレーできない今シーズンで終わるものと見られている。なお、ロイガードは、オリンピックの活躍が話題になっているフランスのアントワーヌ・デュポン以上の優れた才能を持ったSHであるので、2027年RWCでの活躍が期待されている。
(6)オリンピックのセヴンズで、女子ラグビー選手のパワーが注目される
オリンピックの女子セヴンズは、ブラックファーンズセヴンズの見事な二大会連続金メダルとなったが、一方7-8位決定戦のアイルランド対英国の試合で、アイルランドの選手が見せたプレーが、SNSで大評判となった。
そのプレーは、アイルランドのエリン・キングが、リスタートのボールをキャッチするエミリー・レーンを一人でリフトしたときのもので、ボールはレーンの頭を越えたところに落下したが、レーンは身体をのけぞらせてボールをキャッチした。そのまま頭から落下しそうになったところ、キングがレーンの身体を支えつつ反転させ、足から着地させた。
このプレーに対して、「スーパーウーマンの強さを見せた、ありえない」、「この衝撃で、娘にラグビーをやらせたくなった」などの絶賛の声が世界中から寄せられた。しかし、ラグビーを良く知っている人にとっては、南アフリカの「ビースト(野獣)」と渾名されるPRテンダイ・ムタワリラが、キックオフレシーブでたびたび見せていたプレーであり、特に驚くことではない。それでも、優勝した男子フランス代表のアントワーヌ・デュポンと3位になった女子アメリカ代表のロナ・マヘーの活躍が話題になったことに加えて、さらにラグビーへ注目が行くことは良いことだと、関係者は喜んでいる。
(7)オーストラリアが日本と11月に対戦へ
オーストラリアの報道によれば、オーストラリアは秋のヨーロッパ遠征に先立ち、11月2日に日本と対戦する方向で進めている。これが実現すれば、オーストラリアの前監督であるエディー・ジョーンズが、後任のNZ人監督ジョー・シュミットが立て直しているチームと対戦することになり、世界が注目するものとなるだろう。