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<ラグビー>オールブラックス対フィジー,ウェールズ対アルゼンチン,サモア対トンガ,シャークス対ブリティッシュアンドアイリッシュ・ライオンズ,結果

オールブラックス57(9T6C)-23(3T1C2P)フィジー

ハカは,トンガ戦に続いてダン・コールズがリード。先頭はキャプテン代行のSHアーロン・スミス。その左にトンガ戦でキャプテン代行だったLOサムエル・ホワイトロック,右にHOコーディ・テイラーが控える。

3分,フィジー10番SOベン・ヴォラヴォラがPG,0-3。
9分,オールブラックス15番FBジョルディ・バレットがトライ。10番SOボーデン・バレットのコンバージョン成功で,7-3。
13分,ヴォラヴォラがPG,7-6。
18分,オールブラックス12番CTBデイヴィット・ハヴィリがトライ。ボーデンのコンバージョン成功で,14-6。
21分,オールブラックス12番CTBハヴィリが2つ目のトライ。ボーデンのコンバージョン成功で,21-6。
28分,フィジー8番NO.8アルバート・ツイスエがトライ。ヴォラヴォラのコンバージョン失敗で,21-11。
37分,オールブラックスがゴール前で猛攻するが,トライを取れずに終わる。

前半,オールブラックス21(3T3C)-フィジー11(1T2P)
フィジーがトンガと違って,特にブレイクダウンで善戦している。ただし,これも前半までか。WTBネマニ・ナドロは不発。こういうゲームがオールブラックスには必要。練習中に顔面を怪我したボーデン・バレットが,試合中に出血して,ダミアン・マッケンジーと一時交代。後半早々に交代する可能性が高いと思われる。また,デイヴィット・ハヴィリとジョルディ・バレットが好調。

44分,オールブラックス11番WTBジョージ・ブリッジがトライ。ボーデンのコンバージョン失敗で,26-11。
48分,フィジー7番FLメスラメ・クラヴラがトライ。ヴォラヴォラのコンバージョン失敗で,26-16。
52分,フィジー15番FBキニ・ムリムリヴァルがシンビン。
53分,オールブラックス16番HOダン・コールズがトライ。ボーデンのコンバージョン失敗で,31-16。
61分,フィジーがペナルティートライ。31-23。オールブラックス12番CTBハヴィリがチームの反則繰り返しでシンビン。
65分,オールブラックス16番HOコールズが2つ目のトライ。ボーデンのコンバージョン成功で,37-23。
70分,オールブラックス23番WTBウィル・ジョーダンがトライ。ボーデンのコンバージョン失敗で,43-23。
73分,オールブラックス16番HOコールズが,ハットトリックのトライ。ボーデンのコンバージョン成功で,50-23。
76分,オールブラックス16番HOコールズが4つ目のトライ。ボーデンのコンバージョン成功で,57-23。


後半,オールブラックス36(6T3C)-フィジー12(2T1C)。
合計,オールブラックス57(9T6C)-フィジー23(3T1C2P)。

後半もフィジーがブレイクダウンを中心に善戦し,またもともとランニングラグビー中心のチームカラーながら,NZ人コーチの影響か,ゴール前のラインアウトからのモールでトライを重ねた。

オールブラックスはトンガ戦のようなアタック練習とは行かず,一時はシンビンを出して,真剣に勝負を賭けた戦いとなった。しかし,65分以降,リザーブからプレーした選手の奮闘で,最後は圧勝となった。モールからのトライとはいえ,ダン・コールズの交代出場の30分間で4トライは見事。これはFW選手としては,オールブラックスの最多記録となった。また,オールブラックスは,今回苦戦したブレイクダウンでの戦いが,来週のフィジーとの再戦のテーマとなった。

来週のフィジー戦のバックスリーは,ウィル・ジョーダン(4試合で8トライ。ジュリアン・サヴェア以上のハイペース!),セヴ・リース,ジョルディ・バレット,ダミアン・マッケンジーで決まり,たぶんマッケンジーが23番。CTBは,12番はデイヴィット・ハヴィリで決まり。アントン・リエナートブラウン(とジャック・グッドヒューが)戻ってくれば,リエコ・イオアネと3人で2枠を争う。SOは,現時点ではリッチー・モウンガが良いが,ボーデン・バレットはまだ実力を発揮できていない。SHは,TJ・ペレナラが戻ってきたら,アーロン・スミスに次ぐNO.2を,ブラッド・ウェバー,フィンレイ・クリスティーと争うことになりそう。

FW3列は,ルーク・ジェイコブソン,イーサン・ブラカッダー(サム・ケーンが戻れば,入れ替わる),アーディ・サヴェア(怪我でまだ出られなければ,ダルトン・パパリイ),ホスキンス・ソツツの4人がメンバー入り濃厚。LOは,ブロディー・レタリックとサムエル・ホワイトロックの2人との間にまだまだ差がある。パトリック・ツイプロツ,スコット・バレット,ツポウ・ヴァアイには奮闘してもらいたい。HOは,ダン・コールズとコーディ・テイラーの2人は不動で,アサフォ・アウムアの成長待ちは変わらず。PRは現状のメンバーでOK。頭数が揃っているので,無難に対応できそう。

ウェールズ20(2T2C2P)-20(2T2C2P)アルゼンチン

ウェールズは,ブリティッシュアンドアイリッシュ・ライオンズに多くの選手を供出しているため,2軍選手中心のチームと見られているが,それでも十分テストマッチで戦えるレベルの選手が揃っている。一方のアルゼンチンは,一週間前のルーマニア戦を辛勝したものの,自チームのウォームアップゲームと捉えており,得点や内容をあまり気にしていない。

28分に,ウェールズ3番PRディロン・ルイスとアルゼンチン1番PRナフエルテタズ・シャパーロの2人に対して,イングランド人レフェリーマシュウ・カーレイは,同時にシンビンを宣告した。さほどゲームが荒れているとは思われないが,ルールに沿ったレフェリングだったと思われる。

しかし,29分にカーレイは,イングランド人TMOクレア-・ホドネットの進言により,アルゼンチンFBフアンクルーズ・マリアが頭で,ウェールズSHキエラン・ハーディの頭に対してタックルしたのが確認されたため,マリアをレッドカード(退場)にした。これで,アルゼンチンの勝機はかなり少なくなったと思われた。

なおこの時点でスコアは,ウェールズ6-6アルゼンチン(得点は両チームともにPGのみ。ウェールズのSOカラム・シーディとアルゼンチンSOニコラス・サンチェスが得点)と競っていた。

そして,お互いのシンビンだった選手が戻って,ウェールズ15人対アルゼンチン14人になった39分,なんとアルゼンチン6番FLパブロ・マテーラがトライ(SOサンチェスのコンバージョン成功)して,アルゼンチンが6-13と前半をリードして終わった。

後半も,46分にアルゼンチン12番CTBフォロニモ・デフルエンテがトライ。サンチェスのコンバージョン成功で,6-20とリードを広げる。この結果,ウェールズはSHキエラン・ハーディからトモス・ウィリアムスに,SOカラム・シーディからジャロッド・エヴァンスにそれぞれ交代した。

52分にウェールズ5番LOウィル・ロウランズがトライ。エヴァンスのコンバージョン成功で,13-20と盛り返した。続いて,71分に21番SHトモス・ウィリアムスがゴール前のスクラムからトライ。彼はステップの切れるSHとしての本領を発揮した。エヴァンスのコンバージョン成功で,20-20の同点となった。

74分,アルゼンチンはPGのチャンスを得るが22番SOドミンゴ・ミオッティが失敗。その後一進一退を繰り返して,80分にウェールズが40mのPGチャンスを得たが,エヴァンスがPGを外してしまい,ノーサイド。両チームともに勝てるゲームを落としてしまった結果となった。

しかし,ウェールズが2軍主体のチームであったので,アウェイながらフルメンバーの揃ったアルゼンチンが勝つべきゲームだったが,レッドカードにより1人少なくなったのが最後まで影響してしまった。負けなかったことはアルゼンチンにとっても,ウェールズにとっても幸いしたが,よりポジティヴに捉えられるのはウェールズでないか。


サモア42(5T4C3P)-13(1T1C2P)トンガ

75分に,トンガがシンビン。ただし,それまでに35-13と勝負は決まっていた。
やはり,マオリオールブラックスと2戦して調子を上げていたサモアが,オールブラックスに惨敗しただけのトンガに対して優位に立っていた。これで,サモアはRWCオセアニア代表がほぼ当確。日本,イングランド,アルゼンチンと同じプールDに入る。トンガは予想どおりにアジア対オセアニアの勝者枠で出場することになりそう。その場合は,プールBで,南アフリカ,アイルランド,スコットランドと同組。


シャークス31(5T4C)-71(11T8C)ブリティッシュアンドアイリッシュ・ライオンズ

予定していたブルズとの試合が,南アフリカ側にCOVID19陽性者が出たため,急遽延期となり,代わりに水曜に続いてシャークスと再戦することになった。また,ブルズに代表されるように,ヨハネスブルグでCOVID19の感染が広がっているため,スプリングボクスとのテストマッチは,ヨハネスブルグからケープタウンに移動する見込みとなった。ヨハネスブルグは高地のため,スプリングボクスには大きなアドバンテージとなっているが,低地のケープタウンとなれば,ライオンズがイコールコンディションで戦えるメリットが生じる。

0-7,7-7,12-7,12-12,19-12,19-19,26-19,26-26と目まぐるしくスコアが動いた前半。トライ数はシャークス4,ライオンズ4。コンバージョンはシャークス3,ライオンズ3。54-7とライオンズが圧勝した水曜のゲームから,お互いにメンバーを大幅に交代したのに比例するように,大きく様変わりした。ライオンズとしては,テストマッチでないチーム相手に負けるわけにはいかないので,後半に勝負をかけてくる。

後半46分,シャークスSHジェイデン・ヘンドリクスが,ライオンズFBリアム・ウィリアムスをタックルしてタッチに押し出した際に,肘が頭部に当たっているのをTMOのスチュアート・ベリー(南アフリカ人)が指摘し,イングランド人レフェリーのウェイン・バーンズは,レッドカード(退場)にした。この結果,ゲームが大きくライオンズペースに動き,勝負の趨勢が決まってしまった。

48分にライオンズNO.8ジャック・コーナンがトライ。SOダン・ビガーがコンバージョンを外したが,26-31とリードした。続いて,51分に,13番CTBエリオット・デイリーがトライ。ビガーのコンバージョン成功で26-38。しかし,シャークスも53分に13番CTBワーナー・コクがトライを返す。SOライオネル・クロンニェのコンバージョン失敗で31-38。もしかしたら持ち直した?と思いきや,55分にライオンズのキャプテン代行となったHOジェイミー・ジョージが2つ目のトライ,ビガーのコンバージョン成功で31-45。続く59分にライオンズ14番WTBアンソニー・ワトソンがトライ。ビガーのコンバージョン成功で31-54。もうゲームはボロボロの乱打戦になってしまった。

65分,ライオンズ6番FLタディグ・バーニーが2つ目のトライ。ビガーのコンバージョン成功で31-59。67分,ライオンズ21番FLトム・カリーがトライ。ビガーのコンバージョン成功で31-66。もうシャークスのディフェンスは崩壊して,80分までに何点取られるかになってしまった。つくづくレッドカードが悔やまれる。

しかし,一方的なゲームながら,ライオンズ22番SHコナー・マリーが,76分にチームのモールを潰す反則の繰り返しでシンビンになってしまう。こんなゲームをしていれば,ライオンズはスプリングボクスに勝てないだろう。なお,SH不在になったライオンズは,CTBデイリーがSH役をやっている。79分,ライオンズ14番WTBワトソンが2つ目のトライ。ビガーのコンバージョン失敗で31-71。なんとか最後はトライで締めくくった。

ライオンズSOフィン・ラッセル(スコットランド)がアキレス腱を痛めて,この後の試合は難しくなった。そのため,イングランドの22歳の新鋭マーカス・スミスを招集した。イングランドでは,プレミアーシップのゲームで500得点越えをして,ジョニー・ウィルキンソンの再来といわれる早熟の選手で,先日のカナダ戦で2キャップとなった他,2019年にイングランド15としてバーバリアンズと対戦した経験があるのみ。写真を見ると,若い頃のオウウェン・ファレルのような不遜な顔つきをしている。ラグビーの才能は十分だろうが,社会人としての常識は十分とは思えないので,グランド外の行動は気を付けた方が良い。

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