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<ラグビー>ブレディスローカップ(オールブラックス対ワラビーズ)第3テスト,プレビュー

オールブラックス対ワラビーズ

日時:2021年8月28日(土)18:00キックオフ
場所:オプタススタジアム,パース
レフェリー:デイモン・マーフィー(オーストラリア)
アシスタントレフェリー1:ジョーダン・ウェイ(オーストラリア)
アシスタントレフェリー2:グラハム・クーパー(オーストラリア)
TMO: ブレット・クローナン(オーストラリア)

ワラビーズ:( )内はキャップ数
ジェイムズ・スリッパー(105)、フォラウ・ファインガア(16)、アラン・アラアラトア(48)、ダーシー・スワイン(5)、マット・フィリップ(14)、ラクラン・スウィントン(3)、マイケル・フーパー(110、キャプテン)、ロブ・ヴァレティニ(9)、テイト・マクダーモット(7)、ノア・ロレシオ(7)、マリカ・コロイベテ(38)、サム・ケレヴィ(33)、レン・イキタウ(4)、アンドリュウ・ケラウェイ(4)、トム・バンクス(16)
(リザーブ)
ラクラン・ロナーガン(2)、アンガス・ベル(7)、タニエラ・ツポウ(30)、アイザック・ロッダ(25)、ピート・サム(10)、ニック・ホワイト(37)、リース・ホッジ(48)、ジョーダン・ペタイア(9)

オールブラックス:( )内はキャップ数
ジョージ・ボウワー(5)、コーディ・テイラー(60)、ネポ・ラウララ(33)、ブロディー・レタリック(85,バイスキャプテン)、スコット・バレット(43),アキラ・イオアネ(6)、ダルトン・パパリイ(7)、アーディ・サヴェア(52,キャプテン代行)、ブラッド・ウェバー(10)、ボーデン・バレット( 93,バイスキャプテン)、リエコ・イオアネ(39),デイヴィット・ハヴィリ(7)、アントン・リエナートブラウン(51)、ウィル・ジョーダン(27)、ジョルディ・バレット(27)
(リザーブ)
サミソニ・タウケイアホ(3)、カール・ツイヌクアフェ(20)、アンガス・タアアヴォ(18)、ツポウ・ヴァアイ(4)、イーサン・ブラカッダー(2)、TJ・ペレナラ(70)、ダミアン・マッケンジー(32)、ジョージ・ブリッジ(12)

プレビュー:
ワラビーズ監督のデイブ・レニーは,この試合開催が決まるまでのNZ協会側の対応に大きな不満を持っていることを度々表明しているので,こうしたことが既にブレディスローカップ奪還が今年もできなくなったチームにとって,試合のためのモチベーションになる可能性がある。

ワラビーズは,通称ギトゥーロウ(元代表選手ギトゥーのための,代表キャップ数等によるワラビーズ入りを認める特別ルール)と言われるものを廃止し,海外でプレーする選手のワラビーズ入りの条件を撤廃した。その恩恵により,今回サントリーでプレーするCTBサム・ケレヴィイが、子供の出産のため欠場するハンター・パイサミに代わって、12番CTBで2019年RWC以来となる先発メンバー入りをした。また,股関節の怪我で長期休養していたSOジェイムズ・オコナーの復帰と、コーチ的役割を含めてスコッドに戻ったクエード・クーパーの2人については、期待されていたメンバー入りはできなかった。

FWでは、HOフォラウ・ファインガアが今シーズン初先発する。また16番のHOリザーブには、ラクラン・ロナーガンが戻った。その他のリザーブでは、19番LOに、ラッカン・サラカイアロトに代わってアイザック・ロッダが入った他、20番FLにピート・サムが入っている。BKのリザーブでは、21番SHにベテランのニック・ホワイトが入っている他、23番にはCTB/WTBのジョーダン・ペタイアがメンバー入りしている。

レニー監督は、2戦続いたイーデンパークでのアウェイゲームの後、今回ホームのパースでゲームをすることから、「我々はホームでのゲーム開催にわくわくしている。誇るべき我々のサポーターの力が、チームのプレーを支援するだろう」と述べている。

オールブラックスのイアン・フォスター監督は,この度2023年RWCまでの契約延長を獲得した。今年もブレディスローカップを保持したことが評価されたと思われる。このため,対立候補であるスコット・ロバートソンは,2024年以降のオールブラックス監督を目指すこととなったが,できれば継続性のためにも,フォスターの下でアシスタントコーチをしたい。なお,2024年以降も継続性を重視するのなら,フォスターの次の監督は,ジョン・プラウトリーになるだろう。

オールブラックスのLOサムエル・ホワイトロック,SHアーロン・スミス,SOリッチー・モウンガ,HOダン・コールズは,それぞれ子供の出産や怪我のため,今回のオーストラリア遠征に参加しなかった。しかし,クイーンズランドで集中開催されることになった,アルゼンチン及びスプリングボクスと対戦する,残りのザラグビーチャンピンシップのゲームには,これら3人が遅れて参加する予定でいる。

LOについては,レタリック,スコット・バレット,パトリック・ツイプロツ,ツポウ・ヴァアイの4人,SHについては,TJ・ペレナラ,ブラッド・ウェバー,フィンレイ・クリスティーの3人がそれぞれポジションを埋めることになった。SOについては,ボーデン・バレット1人となるが,FBダミアン・マッケンジーがSOもプレーできるため,ボーデンの控えになる。3人目以降は,CTBのデイヴィット・ハヴィリとFBジョルディ・バレットがそれぞれテストマッチレベルでSOをプレーした経験がある他,SHのTJ・ペレナラも元SOであったので,緊急措置としてプレー可能だ。

また,怪我で長期欠場中のサム・ケーンに代わって,キャプテン代行を努めているホワイトロックが欠場するため,キャプテン代行の代行として,NO.8アーディ・サヴェアが指命された。バイスキャプテンについても,LOブロディー・レタリックとSOボーデン・バレットが指命されている。

以上の経緯を経て、試合の23人のメンバーでは、FWに、サムエル・ホワイトロックに代わってスコット・バレットが5番LOに入り、リザーブ19番に入る予定だったパトリック・ツイプロツが股関節を負傷したため、若手のツポウ・ヴァアイが入っている。その他のリザーブでは、20番FLにイーサン・ブラカッダーが入っている。

BKでは、SHの先発にブラッド・ウェバーが入り、ベテランのTJ・ペレナラは21番のリザーブになった。SOの先発はボーデン・バレットが予定通り入り、22番SOのリザーブには、これまで先発FBを担当していたダミアン・マッケンジーが下がり、先発FBにはジョルディ・バレットが入った。

また、13番CTBにアントン・リエナートブラウンが戻ったことから、リエコ・イオアネが11番WTBになり、14番WTBにはウィル・ジョーダンが入った他、23番のリザーブには怪我から復帰のジョージ・ブリッジが入っている。この結果、セヴ・リースがメンバー外となっている。

フォスター監督は、「FWでは、我々の選んだスコッド内では非常に激しいメンバー争いとなっている」、「ウェバーについては、今シーズンのテストマッチで継続してプレーしている(ことを評価し)、またSHのコンビネーションを重視した。ペレナラには、リーダーシップと経験値を期待している」と述べている。

通算対戦成績は、173戦、オールブラックス119勝、ワラビーズ45勝、8引き分け。オールブラックスは,今シーズンのテストマッチ全5戦で46トライを記録している一方、18人の異なる選手がトライをしている。

ほぼ予想通りの両チームのメンバー編成ですが、既にブレディスローカップ保持をNZが決めているため、デッドラバー(消化試合)とも見られてしまうゲームです。しかし、こうした見方からか、昨年のオールブラックスはまさかの大敗を喫しているので、ここはSOの先発争いをしているボーデン、FBの先発争いをしているジョルディのバレット兄弟を筆頭に、良いプレーと良い勝利を挙げてアピールすることがモチベーションになっているので、オールブラックス有利は動かないと思います。

ここは勝敗よりも、オールブラックスでは、サヴェアのキャプテンシーとバレット兄弟の巻き返しに加え、ワラビーズがどこまで強化されているかに注目されるゲームとなるようです。

なお,オールブラックスは,このワラビーズ戦を含むザラグビーチャンピンシップの5試合を終えた後,アメリカに移動して10月23日にアメリカ戦,その後ヨーロッパに移動して30日にウェールズ戦,11月6日にイタリア戦,13日にアイルランド戦,20日にフランス戦が予定されている。おそらく,主力グループはヨーロッパに直行する一方,Bチームがアメリカと対戦するものと見られている。また,チームは,NZに戻った後の隔離期間を含め,約3ヶ月間の長期遠征となる。

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