人生は、無駄な事の中に大切な事が隠されている?

世の中は、勉強したり教養(リベラルアーツ)を身に着けるのは
仕事で成功を収める為、お金を稼いで経済的自由を得る為だと言う
風潮が強い気がしています。

(なんでも結果の出ないものは無駄だと言う風潮)

かたやスポーツも職業として成功される方は、ほんの一握りの人で
勉強して有名大学に入学するよりはるかに狭き門をくぐらなければ
なりません。

だから、中学時代、高校時代、やりたいスポーツをみんなとやって
楽しく過ごす人たちよりも次の受験の関門に向けて、予備校や学習塾に
行っている人達も多いのではないかと推測されます。

「サッカーや野球では、めしは食えない。勉強しろ!」と
いう理屈ですね。

確かに、サッカーや野球で一流と言われる選手になるには、
スキだけではどうにもならない、努力だけでは解決しようがない
先天的素質も必要だろうと思います。

そして、スポーツをやってきた人たちの99%は、
スポーツを職業とすることは出来ていないのが現実ではないでしょうか。

だから、

学生時代に好きなスポーツをすることは無駄でしょうか?

私は、高校時代、大学時代と9年間ラグビーをやってきました。
あの楕円形のボールを9年間もバカみたいに追いかけて過ごしました。

別にラグビーを職業にしようなんて考えたことなどありませんでした。
また進学校のラグビーですから、花園や国立競技場で試合をすることだって
夢に見たこともありませんでした。
ただただ、楽しくスキだと言うだけでやっていたのです。

(効率とか、意味があるとか、考えたことさえありませんでした)

ラグビーで教えられたことは、多様性を認める事かもしれません。
社会の縮図みたいなものを教えられた気がします。
ラグビーと言うスポーツは、ちびもデブも背の高いのも
背の低いのもそれぞれの生まれ持った特徴で、
それぞれに向いたポジションがありました。
決して同じ能力を競うものではありませんでした。😁

それぞれが、それぞれの役割を忠実に果たすことで、ひとつの目的
(試合に勝つ)が達成されると言う事を教えられました。😁

また、トライをした人間がサッカーでゴールを決めたフォワードのように
飛び上がって喜びを表現することを禁じられていました。😠

あくまでトライはみんなで勝ち取ったもので、トライするまでに
多くの人の役割が上手く機能して結果的に最後の人がトライをしたと
いう考え方です。(ひとりの選手だけでトライ出来たのでなく・・)
そして、トライを許してしまった敵に対するリスペクトもあるかも
しれません。😤

最近では、コミュニケーション能力を身に着けようなどと言う本も出ている
様ですが、ラグビーは、チームのみんなのコミュニケーションが
うまく取れていないとボールをつなぐことが出来ず、
自然とコミュニケーションなどは身につくものです。もちろん他の団体
スポーツでも同じだと思います。

社会に出ると仕事をするには、何らかのチームに属することになります。
学生時代にスポーツをしていた99%の人達は、スポーツ以外の
仕事のチームに属するのです。

そこでは、自分と意見が合わない人や気が合わない人もいます。
仕事で大きな落胆や打ちのめされることもあるでしょう。
スポーツで補欠に経験をするように、やりたい事をやらせてもらえない
経験をすることもあるでしょう。

そんな時、学生時代にスポーツで学んだ経験が、意味が無いと思えた
スポーツが必ず何らかの役に立つのではないかと私は思っています。

私の一番弟子は、医学部6年間所属していたテニス部で補欠でした。
一度も試合に出たことが無いのです。
それでも好きなテニスを辞めませんでした。
彼は私に「6年間ベンチで日本一の応援をしました」と言いました。

(後輩がレギュラーになる。先輩の自分は補欠。プライドはズタズタに
される。それでも後輩を応援できる。こんなすごい人間を見たことが
ありませんでした。スポーツは、レジリエンスだって鍛えてくれます

私は、それだけで彼は必ず成功すると確信しました。
あれから25年経ちましたが、予想通り彼は、脳神経外科部長として
地域の患者さんを救い大活躍してくれています。

そして、私たちのもとでは、10人以上の脳神経外科専門医が
育ってくれました。

最近の日本は、「意味がある」「効率が良い」「効果的」「要領が良い」
「目的に向かって真っすぐ」「コスパがいい」などと言う
最もらしい事が正しいように思われる風潮がありますが、
本当は、何の役にも立たないように見えたり、無駄のように見えたり
するようなものの中に大切な事が隠されている気がしてなりません。

人生100年時代と言われます。若い人達には、人と比べて
焦らず、無駄のように思える好きな事を余裕を持って継続して
やって頂きたい気がしています。

人生は、努力しないと成功はありませんが、努力したからと言って
必ず成功するわけではありません。🤐

偶然性に支配されているからです。そのいい偶然性は自分以外の人が
運んできてくれる気がしています。

その偶然性を運んできてくれる人は、無駄と思われるものを
やっている時に現れるのかもしれません。

人生道半ばの私のようなものが、人生論を述べたりして
ごめんなさいね。でも、今までの人生を振り返りそんな気がするのです。

           ありがとうございました。😊


若かりし頃の私です。何に役立つかなんて考えたこともなく
毎日毎日楕円形のボールだけを追っていました。

追記
無形資産と言うか、毎日毎日顔を合わせてラグビーボールだけを
追っていた友達は、今でも大切な友で、会えばすぐにあの頃に
戻って楽しい話ができるのです。これって無駄な事でしょうか?
私には、人生のとても大切な財産なんです。思い出も友達も!




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