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聴衆はそれほど話を聞いていない

はじめに

演説という言葉を聞いて皆さんはどんな場面をイメージするだろうか。

わたしは、かの有名なリンカーンやヒトラー、そしてスティーブジョブズの演説を想起する。
彼らは非常に聴衆をひきつけていた。だからこそ多くの人に支持されていて、現在まで語り継がれているのだろう。
(ヒトラーの残虐さはここではおいておこう。)

わたしは、先日、ゼミで行われたディベート大会に参加してきた。
立論や資料は自他ともに認めるほどいい出来であった。
しかしながら、某K大学のチームに敗北したのだった。

惜敗した原因は、「演説力」これに集約される。

「演説力」とは、ここではプレゼン力とも言い換えられるだろう。

では、先に述べた、リンカーンやスティーブジョブズ、そして某K大学のディベーターとどんな違いがあったのだろか。
「演説力」というものを因数分解して考えていきたい。

声の大きさ

まずは声の大きさだ。
私はそこまで声が小さいほうではないと思うが、私以外のディベーターの話を聞いていても、やはり声の大きさは説得力と大きな相関があるに違いない。

わかりやすさ

次に、大切なことは、”わかりやすさ”だ。
聴衆が想像以上に話を聞いていない、理解できていないという話はこの要素に大きく起因しているだろう。

自分の考えた時間や事柄が大きければ大きいほど、自己理解で話が終わってしまっている場合が多い。

今回私がディベートした内容も、経済学の話を多く用いていたため、口頭で話していては、聴衆は何が何だかわからなかったのだろう。
(そもそも聞く気がなかったのもあるとは思うが、、、)

聴衆が小学生だと思って言葉を選ぶべきといっても過言ではない。

実際にディベート時にせっかく用意していた資料などを上手く使うことができずじまいだった。
グラフや資料を見てもらうことで、聴衆の意識を向けるだけではなく、より視覚的に自分たちの考えを伝えられる、非常に重要な要素だと思う。
自分の話に夢中になってもらうには必須だ。

聴衆の心に訴求する

この要素が某K大学には劣っていたことだと考える。
テーマを提示することはできないが、今回のディベートでは、相手は消費者目線のみに立って論を進めていたのだった。

本来、売り手や買い手、そして多くのステークホルダーが製品の取引に関わっているはずだ。
聴取は、消費者目線の立場に立ちやすい。
我々は、売り手・買い手・世間の三方に向けて論を進めたが、相手の消費者目線のみ(ディベートでは世間に当てはまる)の一本やりにやられてしまったのだった。

聴衆に最も響く話に持っていけたのは相手のすごみであり、我々が学ぶべきことである。
 
確かに、世間の立場に立って考えるのは容易であるが、自らも生産者として社会活動に関わっているのだから、理解しがたい部分も多いと思うが、消費者の意見ばかり取り入れられる、そんなうまい話はないんだよということをもっと主張するべきだったのは確かだ。


話者のバックボーン

最後に、どうしようもない話になってしまうかもしれないが、話者のバックボーン(学歴、職業、経歴)によって、やはり、聴衆の納得度合は異なったという話をしたい。

某K大学は私の大学より偏差値も高く、ゆえに賢く見える。(恥ずかしながら、私もその節はあったが)

リンカーンやスティーブジョブズ、そしてヒトラーまでも、みなすごい経歴の持ち主で、聴衆はそれを事前知識として知っていると、納得してしまうのだ。

自己啓発本もいい例だろう。
たった一人の成功談であるにも関わらず、あたかもそれが正攻法であり。それがすべてであるように感じてしまう。
確かに多くの人生経験を持つ人の話は参考になるが、それがすべてではない。
絶対なんて存在しない。
人それぞれの道が、正攻法が存在しているのだ。

しかしながら、ディベート相手が自分より説得力のある経歴の持ち主なら、そのディスアドバンテージをひっくり返すのは、かなり大変だ。
その時は、演説時に、筋の通った内容で、先述した要素を徹底するのが良いだろう。

この要素を逆に考えると、コミュニティーマーケティングの話が思い出される。
人々は、自分の興味のあることに対して、自分よりも多くそのことについて詳しい人に意見を求めたがっているのだと。

コミュニティマーケティングをするときは、あるコミュニティーの中に1人、他のメンバーよりもその事柄について詳しい人をリーダーとして置くのが良いとされている。

話がそれてしまったが、話者のバックボーンも重要な要素の一つであることは間違いなさそうだ。

さいごに

今回のディベート大会で多くのことを学んだ。
どうやったら聴衆を惹きつけられるのか、内容の充実はもちろんのこと、今回記した4つの要素を大切にしていきたいと思う。

P.S. ユーモアは何よりも大切だと私は思っています^^



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