シェア
ぱそ(無職)
2021年7月6日 10:26
そらが、とけている。段々とずり落ちていく水色を見ながら、僕は首を傾げた。いつから「そう」なっていたのかはわからない。ふと、上を向いたら。まるでとろみがある液体の乗った板を立てかけた時のように青が下がっていたのだ。それは未だに何時間も何日もの時間をかけてゆっくりとずれ続けている。本来鮮やかに着色されるべきはずの場所は今は真っ黒に染まっていて、きっと下に隠れていたはずの宇宙が見えてしまっている
2021年2月11日 20:39
三年間側に置いていたキーボードを捨てることにした。 経年劣化したから買い替え、ではない。単純に才能が無いのを自覚してしまったからだった。 ピアノに魅入られたのは、大学を中退して特に目標も無くぶらぶらとフリーターとして燻っていた頃。その日は都内に単発バイトに行く予定があって、その帰り道の駅での事だった。 クリスマスも近い日。駅にデカデカと置かれたグランドピアノに一人の男性が座っていた。よく