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日本人のステレオタイプ

ロンドンに着いて1週間。語学学校に行き初めて最初の週末はロンドン市内を巡る観光バスでスタートした。屋根なしのダブルデッカーバスに揺られた後帰宅したわたしは寒気を感じていた。翌日の日曜日は朝からとてもだるい。ホストマザーに話すと体温計を貸してくれた。計ってみると38度近くある。「今日は寝てたら?」の言葉に素直に従うことにした。なんたってしんどい。ホストマザーが、薬飲む?と常備薬を持ってきてくれたが断った。わたしは日本でもほとんど薬を飲まない。それは主義みたいなもので、別にアレルギーがあるとかではないのだけど。それに加えて、外国の薬は強すぎると聞いていて怖かったのだ。それに欧米人の体格に見合った調合では日本人には多すぎるのでは?とか、そういうことだけは細かい心配をした。

欧米人と聞くと一様に、体格が良いとか、体が大きいとか、背が高い、というイメージがある。たしかにそういう人もいるけれど、イギリス人の平均的な印象はあまり大きくなかった。ロンドンもニューヨークもコスモポリタンシティで、生粋のイギリス人やアメリカ人ばかりではないから、街ゆく人を見て「イギリス人は」「アメリカ人は」となかなか言えないのだけれど、わたしの独断での判別により見分けたイギリス人は平均的にさほど大きくはなかった。もちろん、背の高い人もいるし、大きい人たちは日本人の大きい人よりもだいぶ大きい。

あの、これは差別でもなくディスるつもりもなく、あくまでも事実を観察した結果に過ぎないとご理解いただいた上で読んでほしいのだけど、そして誰か同意してくれる人いるかなと思っているのだけど、わたしが判別したイギリス人男性は、特徴として足が短い。と思う。それまでのわたしのイギリス人のイメージは、シャーロックホームズのジェレミー・ブレットみたいな感じだったのだから、つまりはシュッとした細身で長身で足長の、スーツが似合う、ザ・イギリス紳士、だったわけだから、これはちょっとした驚きだった。ちなみに、ニューヨークに行った時は、アメリカ人は世界的にも大柄なイメージを持たれがちだし、実際そういう人も多いのだけど、めちゃくちゃ細い人もたくさんいた。日本人に比べたらそれでも大きいのでは?と思うかもだけど、背は兎も角として、本当に細い人がけっこういた。

テレビやインターネットが発達して、いながらにして遠くのビジュアルを知ることができる現代では、現地に行かなくても、イギリスやらアメリカやら、フランスやらイタリアやらドイツやら、有名な国のことはなんだかよく知っているような気になる。詳しくではないけれど、その国の大体のイメージくらい掴めているような気になっているものだ。ステレオタイプのお国柄、というものがどこの国にもあるし、日本にもある。

日本や日本人に対するステレオタイプイメージはたびたび感じていた。良いイメージだと、親切、思いやりがある、優しい、丁寧、礼儀正しい、時間に正確、ルールを守る、きれい好き、謙虚、とかとか。反対のイメージだと、優柔不断、言うべきことをはっきり言わない、シャイ過ぎる、遠慮しすぎる、とかとか。そしてそれゆえに、発言しない、意見を言わない、日本人同士でつるむ、だから英語もなかなか喋れるようにならない、とかね。

わたしは、このイメージを覆してやろうという気概だけはあった。そう、気概はあるのだ。やってやるぜ。だが今はダメだ…慣れぬ土地、他人の家での高熱はしんどかった。続く。

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