YuIMaNo 芝居屋ゆいまの

関西大学演劇研究部「学園座」OB・OGの4人(桜井由利子&岩渕健二&鈎裕之&まがりのり…

YuIMaNo 芝居屋ゆいまの

関西大学演劇研究部「学園座」OB・OGの4人(桜井由利子&岩渕健二&鈎裕之&まがりのりこ)の芝居ユニット。2023年、栃木県那須塩原市図書館〈みるる〉で、井上ひさし作『父と暮せば』の朗読劇を上演するために結成。実家は関西にある4人、現在それぞれ関東在住。どこへでも行きますよ!

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京都公演覚え書き その③ 本堂に舞台照明?

それらしい舞台「装置」は不要公演会場となった法光寺。その本堂が建てられたのは昭和12年(1937年)とのこと。 この物語の舞台は「バラックに毛が生えた程度の簡易住宅」の室内ですから本公演では“それっぽく見せるための工夫”がほとんど要りませんでした。 舞台装置を置かずとも本物の障子・畳・板戸のしつらいが「ザ・和室」の空気感を醸し出してくれています。 この空気感が観客を昭和20年代の“簡易住宅”へ誘(いざ)なってくれるにちがいない。あとは演者を照らす照明のことを考えるだけで済みま

    • 京都公演覚え書き その② 舞台は畳

      芝居屋ゆいまの「読み語り『父と暮せば』」京都公演の上演場所をお貸しいただいた法光寺さんには、本当にお世話になりました。 住宅街にあるお寺にやたら声の大きい人間がワイワイ集まって仕込みやらリハやらバラシやら…お騒がせをいたしました。 今回の舞台設営では、会場が法光寺さんの本堂、というのが肝でした。 学園座時代から、舞台を作るときは、床より高さを出すために箱馬を並べた上にコンパネを置き、その上にパンチを敷いていました。  【用語解説】 *箱馬…平台の土台(脚)として使われる

      • 京都公演覚え書き その① Googleフォームのこと

        芝居屋ゆいまの「読み語り『父と暮せば』」京都公演を終え、キャスト・スタッフの4人はそれぞれ関東に戻って、各人怒涛の"お仕事"モードに突入しておりました……年度初めにいきなり一週間近く京都に行っていたわけで(^▽^;) 関係各所の皆さま、ご容赦いただきありがとうございました! おかげさまで京都公演は両日とも満員のお客様にご覧いただきました関西大学演劇研究部「学園座」OB・OG有志の会のメンバーが、個人的なつながりで声をかけ、演劇や朗読にご興味のある方々を誘ったり、あちこちに足

        • 【満員御礼】京都公演千秋楽

          芝居屋ゆいまの「読み語り『父と暮せば』」京都公演2日目も、晴天に恵まれ、満員のお客様をお迎えして無事に上演することができました。 ありがとうございました! お客様はもちろん、たくさんの人たちのおかげで形になった京都公演でした。御礼かたがた、これから舞台裏の話もお伝えしていこうと思います。

        京都公演覚え書き その③ 本堂に舞台照明?

          【満員御礼】京都公演初日

          2024年4月6日芝居屋ゆいまの「読み語り『父と暮せば』」京都公演の初日を無事に終えることができました。たくさんのお客様にご観覧いただき、誠にありがとうございました。 6日の京都新聞朝刊〈市民版〉では、トップに写真入りで!記事を掲載いただきました。これまた、ありがとうございました。 (ネットで記事全文を読むには京都新聞デジタル有料プランへの登録が必要です) 初日の翌日は千秋楽(笑)でも、昨年の「那須塩原市図書館 みるる」では1回こっきりでしたから、こうして2日にわたって公

          【満員御礼】京都公演初日

          桜満開、満員御礼!(京都公演の取材と仕込みとリハの日)

          4月5日、京都の桜は満開です🌸 そして、芝居屋ゆいまの京都公演「読み語り『父と暮せば』」のお申し込みも6日・7日とも定員に達しました!【満員御礼】ありがとうございます! (Googleフォームでのお申し込みは締め切らせていただきました。) 初日前日の今日は、舞台と会場設営の「仕込み」と「リハ(リハーサル)」です。 仕込みの最中に、京都新聞の記者の方が取材に来てくださいました。 会場設営を終えてから、通しのリハをしました。 解散して丸太町駅に向かう途中の桜…夕空もピンク色

          桜満開、満員御礼!(京都公演の取材と仕込みとリハの日)

          4月!学園座!オッペンハイマー!

          4月になりました! いよいよ芝居屋ゆいまの京都公演が迫ってまいりました! 関西大学演劇研究部「学園座」OB・OG有志の会のメンバーS先輩が、 3月末に母校を訪ね、「学園座」の後輩に京都公演のチラシを渡してきてくれました。 チラシ手渡しのミッション・コンプリート後、S先輩は、きれいに建て替えられた生協の食堂でランチを。たまごカツ丼Sサイズとほうれん草ナムルでなんと計462円!Σ(´∀`;) 4月初旬といえば、新歓(新入生歓迎)行事で忙しい頃ですからね~。 チラシは受け取って

          4月!学園座!オッペンハイマー!

          図書館員 桜井由利子が紹介する 原爆関係の本 第2弾

          第2弾は、絵本や写真集を中心に紹介したい。 『ひろしまのピカ』  丸木 俊/文・絵  丸木位里/協力 小峰書店 画家の丸木位里・赤松俊子(丸木俊)夫妻が共同制作した「原爆の図」は有名だが、その丸木俊が絵と文を書いた絵本。 7さいのみいちゃんの目を通して、被爆した広島を描いている。日本人だけでなく、「朝鮮のひともしにました。」 アメリカ人、中国人、ロシア人、インドネシア人も犠牲になったことにも触れている。最後の文章が印象的だ。「ピカは、ひとがおとさにゃ、おちてこん。」

          図書館員 桜井由利子が紹介する 原爆関係の本 第2弾

          恩師なかりせば by岩渕健二

           高校生の時、映画研究部で8mm映画を作ってた。卒業の時、社会科の粟屋先生が「芝居も面白いぞ」と、教えてくださった。先生が面白いといったのはアングラ芝居だった。関西大学に入って、その言葉を思い出し、演劇研究部学園座に1年の冬に入った。そこから芝居屋人生が始まった。  卒業して、あこがれのアングラ劇団に飛び込む勇気もなく、「劇団員の生活は保障する」という東京の新劇の旅劇団に潜り込んだ。そこで11年。  普段から関西弁なので大阪出身の兵隊の幽霊役を頂戴できたが、体グセが直らない

          恩師なかりせば by岩渕健二

          美津江さんの影を追って ――由利子の広島紀行③

          Day2広島の街には、いたるところに碑がある。学校、職場、様々な団体の碑。亡くなった方々の名前が刻まれている。どこも千羽鶴が供えられ、きれいに手入れがされている。 2日目は『父と暮せば』の戯曲の中に出てくる場所を巡った。 広島中電話局鎮魂の碑 広島第一高等女学校職員生徒追悼碑 広島第一高等女学校の門柱もある。 戦前から戦中、美津江さんが通っていた高等女学校だ。 広島赤十字病院慰霊碑 山陽文徳殿 比治山西側のふもとにある被爆建物のひとつ。ここは私が最も来たかった場所であ

          美津江さんの影を追って ――由利子の広島紀行③

          美津江さんの影を追って ――由利子の広島紀行②

          Day1 その2いよいよ広島平和記念資料館だ。 ロシアのウクライナ侵攻後、入館者数が増えているそうだ。外国人も多い。 被爆者の遺品や被爆の惨状を示す写真や資料の展示の初めのところで、「被爆者の実相」という文字がまず目に飛び込んできた。 「実態」でも「事実」でもなく「実相」。あまり聞かない言葉で気になる。 広辞苑無料検索で調べると「実相」とは、「実際の有様。真実のすがた。」また仏教用語でもあり、「現象界の真実のすがた。」とある。まさに1945年8月6日、広島に何が起きたのか

          美津江さんの影を追って ――由利子の広島紀行②

          美津江さんの影を追って ――由利子の広島紀行①

          Day1 その1広島にはじめて行ってきた。 何を隠そう、今まで行ったことがなかったのだ。 広島の街の路面電車が走る道路はどこも広くて、極度の方向音痴の私は、たちまちどちらを向いているか分からなくなる。 雨の中、まずは原爆ドームを目指した。 この旅は美津江さんに関係するところを回ることが目的なので、準備は念入りに行なった。彼女の通った女子専門学校がどこにあったのか、舞台になっている昭和23年当時の図書館の場所など、戯曲に書き込まれている場所を調べた。それをどの順に回れば

          美津江さんの影を追って ――由利子の広島紀行①

          どうぞ、お手に取って(「チラシ持ってって!」)

          芝居屋ゆいまの京都公演「読み語り『父と暮せば』」本番までひと月を切りました!関西大学演劇研究部「学園座」OB・OG有志の会のメンバーが、学生時代の情宣よろしく、京都のあちこちに出向いてフライヤー(チラシ)を置かせてもらっています! 京都市南図書館、京都市北文化会館、京都市市民活動総合センターなど京都市内の公共施設や、堺町画廊さん、烏丸御池の大垣書店さん、出町座さんなど、メンバーが飛び込みでお願いしたところに。 置くのをお許しくださった皆さま、ご協力誠にありがとうございます

          どうぞ、お手に取って(「チラシ持ってって!」)

          「読み語り『父と暮せば』」京都公演 プレスリリース!

          2024年3月1日付けで、芝居屋ゆいまの京都公演「読み語り『父と暮せば』」のプレスリリースを出しました。どうぞご覧ください *   *   *   *   * 「読み語り『父と暮せば』」京都公演 2024年4月6日(土)17:00~ /4月7日(日)14:00~ 会場:法光寺(京都市上京区中長者町通西洞院西入中橋詰町172) 料金:1,000円 中高生500円 *要事前申込・当日現金にてお支払いください 上演時間:約1時間40分  お申し込みはこちらから↓↓↓Googleフ

          「読み語り『父と暮せば』」京都公演 プレスリリース!

          図書館員 桜井由利子が紹介する原爆関係の本

          私は20年、子どもの本にかかわる仕事をしてきた。そこで原爆関係の本を児童書から紹介することにする。 実は児童書には、大人も知らないことが載っていてけっこう読みごたえのあるものがある。大人には大人向けの本がいいと思われがちだが、専門的過ぎて歯がたたないこともある。子どもにもわかるようにきちんと伝えてくれる児童書は優れモノだと思う。 『絵で読む 広島の原爆』 那須正幹/文 西村繁男/絵 福音館書店 広島の原爆の本で絶対にはずせないのがこの本だ。 1945年8月6日、広島に原子

          図書館員 桜井由利子が紹介する原爆関係の本

          「読み語り『父と暮せば』」誕生! Side:鈎裕之

          「芝居屋ゆいまの」の4人が、それぞれどのように「読み語り『父と暮せば』」と関わっているのか、関わるようになったのか、のエピソードを本人が語ります。今回は音響・照明担当スタッフ鈎裕之の場合―― 肉声の会話の魅力、再発見「学園座」の先輩3名が社会人になり30余年経ってから取り組むことになった「読み語り『父と暮せば』」。 その初回公演は2023年8月5日だが、リモートでの打ち合わせと稽古は同年4月にスタートした。 最年少の私は電気管理の本業が忙しいため、4ヶ月もの間フルで時間を

          「読み語り『父と暮せば』」誕生! Side:鈎裕之