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レインボーブリッジを歩こう

梅雨って七月に入ったらすぐに明けるものだと27歳になっても相変わらず思ってしまう。今年の夏は冷夏になるのだろうか。


蒸し暑くなる少し前の季節がいい。夜風がまだほんの僅かに冷たく感じるくらいの。
日が沈む前、田町で待ち合わせをしてレインボーブリッジを歩いて渡るのだ。コンビニで飲めないお酒を買っちゃう。空きっ腹にお酒は良くないか。でもまぁいいや。スミノフ片手に芝浦を目指していく。

風が強く吹いていて、車もごうごう音を立てて駆け抜けていくから君の言葉を何度も聞き返す。諦めたように君は笑って私のスミノフを奪い、頬をほんのりピンクに染める。夕焼けのせいだと思う。

のんびり30分くらいかけて歩いてお台場に着いたらラーメンを食べよう。ラーメン屋さんがどこにあるのか分からないけれど。ニンニク入りの餃子も頼む。頼んだあとにキスのことが急に頭によぎってちょっぴり後悔する。でもお互いニンニク臭ければ別にいいか。いやこれは良くないな。
近くのコンビニでアイスを買うついでに、ガムも買おう。お台場海浜公園で夜風に当たりながらアイス(パピコを半分こしたい)を食べてなんでもないことを話す。

近所の猫が可愛い
朝の電車で偶然座れた
昨日はいい夢をみた

とか。そういうなんでもないこと。

芝生の上に肩が触れるか触れないかの距離で並ぶ。通行人がいないタイミングを見計らってキスをする。まだちょっぴりニンニクの味がする気がして、二人で顔を見合わせて笑うのだ。「やっぱりニンニクなしにすれば良かったねえ」って。そうしてもう一度顔を近づける。今度はたぶんパピコの味がする。

帰りはゆりかもめに乗って。次は美味しいソフトクリーム片手に夜の散歩をする約束をして、さようなら。

サポート…!本当にありがとうございます! うれしいです。心から。