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①D2CスタートアップがシリーズAを突破するには②スタートアップ経営者のあり方 |進撃のD2Cマガジンレポート Vol.104【2022年10月30日配信号】

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このnoteマガジンは、D2Cブランドのノウハウや豆知識、D2C最新ニュースや経営の裏側など、私自身の見立てを毎週1本程度のペースでレポートする【進撃のD2Cマガジン】です。

noteの公開記事やTwitter等ではなかなかお話しできないD2Cの戦略や経営の裏側などの情報を発信していきます。

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大したプロモーションもしていないのですが、2020年11月から始めて 丸2年で、450名を超える個人及び20社を超える法人の方々に購読していただいており、皆さまのお陰でここまで続けて来られました。今後もD2C戦略・ブランド作りに関して、最新で濃密な情報や私見たっぷりなタイムリーな話題を発信していきたいと思っておりますので、どうぞよろしくお願いします!

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┃進┃撃┃の┃D┃2┃C┃マ┃ガ┃ジ┃ン┃
Vol.104
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/ 2022年10月30日発行 /

■目次
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… 1. 近況
… 2. D2C最新ニュース3選
… 3. D2Cブランド戦略教えちゃいます
… 4. 経営の裏側
… 5. Q&A - 毎週森に質問し放題のコーナー
… 6. 編集後記
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オンラインコミュニティ「進撃のD2Cラボ」をやっております。本マガジン購読者の参加は無料です。ぜひご参加ください。

■進撃のD2Cラボの概要
・完全クローズドな招待制コミュニティです。
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近況

こんにちは!森です。
今週は東京にいます。天気がすこぶる良いので車を走らせて渚にドライブ〜♪な気分なので葉山に行ってこようと思います。葉山は都内から高速に乗って1時間強。三浦半島をゆっくり1周するのに2時間くらいと都内から日帰りで出かけるスポットとしてはとても良いところなのです。夜の食事にも間に合いますしね。

さて、米ビッグテックGAFAMの決算が出揃いましたが、各社少し成長が鈍化している様子。特にYouTubeの収益が落ちたほか、Meta社も広告収益を落とすなど、リセッションの気配を感じる怖い感じの雰囲気を醸し出しています。(実際はMeta社が失った時価総額よりも、Google・Microsoftの失った時価総額の方が大きいが、Meta社は叩きやすいんでしょうね)
悲観する必要はなく、これはスタートアップにはチャンスな状況だといえるのでは、とポジティブに捉えると景色も違って見えてくるかもしれない、というのがぼくの意見です。実際にFABRIC TOKYOのドメインであるアパレル業態は大手企業がコロナ明けてもインフレや円安で大苦戦。消費者の買い渋りもそうですが、サプライチェーン問題も多数発生しており、物の供給に支障をきたしSKUが減少、みたいな会社も珍しくない状態になっています。アセットが大きい大手企業は超逆風の時代。でも我々スタートアップは身動き軽いですからね。こんな状況下でも良いプロダクトと戦略を持ってすれば必ずや他社を出し抜いて成長できるはずです。

それでは今週もいってみましょう!

D2C最新ニュース3選

・ベースフードのIPOの仮条件が決定
http://www.tokyoipo.com/ipo/detail.php?id=pre&seqid=2939&fbclid=IwAR2H899-ZRfE1pULwNYpgrIXsRQ-x7t1iuqspUTINCW6lqdNJY3QS7ilVSg
ベースフードのIPOの仮条件が決定。残念ながら想定価格の950円から「仮条件:760円~800円」で15.8%のダウンです。初値はどこまで行きますかね?
なお、ブックビルディングは10/31 (月)からで、IPOの日付は11/15(火)です。

・デスク専門ブランドWAAK°、プレシリーズAラウンド資金調達を実施 https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000008.000059733.html

リモートワークデスクを中心としたオフィス家具D2Cブランド「WAAK°(ワアク)」運営のワアク株式会社が資金調達。株式会社デジタルガレージが設立した投資ファンドであるOpen Network Lab、朝日メディアラボベンチャーズ、GxPartners有限責任事業組合及び株式会社FFGベンチャービジネスパートナーズが引受先。これにより累計調達金額は1億3,500万円になるとのことです。
ぼくもオリジナル家具シリーズ「WAAKtailored」を作らさせていただきましたが、デザイン性とクオリティを兼ね備えていて大満足でした。WAAK良いですよ。

・三井不動産/D2Cブランド支援イベント、渋谷・ららぽーと豊洲で開催|流通ニュース https://www.ryutsuu.biz/promotion/o102422.html

三井不動産がD2Cブランドを支援する「NEW POINT」プロジェクトのポップアップイベントを開催すると発表。今週末、渋谷のMIYASHITA PARKで開催、また12月には豊洲で開催。今日このあとちょっと見てこようかな。

今週の「D2Cブランド戦略教えちゃいます」

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BASE FOODはIPOしていきますし、シリーズD以降のpre-IPO(IPO準備時期)に成長しているD2Cスタートアップも増えてきていますが、以前よりもその数は鈍化しています。シード・アーリー〜プレシリーズAのラウンドへ進んでも、シリーズA以降に成長するスタートアップが少ないですよね。(これは何もD2Cスタートアップに限った話ではなく、スタートアップ界全体に言えますが)

シード・アーリー〜プレシリーズAのラウンドから、シリーズAのラウンドへ突破していくためにはどうしたら良いのでしょうか?今日はこれを考えてみます。

まずシリーズAラウンドの定義ですが、マネーフォワードさんのオウンドメディアによると、以下になります。

“アーリーフェーズになると事業規模がより拡大しており、PMFが見え始めている状態となっている一方で、継続的に事業として収益を上げていくにはまだ事業上、課題が残っています。シリーズBに向けて、投資家に対し解くべき課題の提示および解決に必要なリソースとして、1~2年分の必要資金を外部から調達することとなります。

金額規模としては、数億円~数十億円になるため、個人投資家ではなく、ベンチャー向けのファンドを運営しているベンチャーキャピタルや事業会社からの調達がメインとなります。”

いろいろな考え方があると思いますが、僕もこのマネーフォワードさんの記事の主張がしっくり来ていますので、これをベースにシリーズAを考えていきます。
一般的なイメージとしては、シリーズAとはグロースフェーズ(?)であることも多く、広告などに調達資金を使ってしまいがちなもの。でも上記の定義に寄ると、「継続的に事業として収益を上げていくにはまだ事業上、課題が残っています。」ですから、まだ広告宣伝を踏んでいく時期とは異なりそうです。
グロースフェーズとは、ユニットエコノミクスが確からしいものとなり、LTV/CACのいわゆるROIが合うことが”確定”し、踏めば踏むほど業績が伸びるという状態のこと。ここで大きくバリュエーションを上げ、IPOに駆け上がっていくということです。(そしてIPOで更なる資金を手にし、成功を確かなものとする)
となるとシリーズAは、広告宣伝を踏んでいくにはまだまだ早く、プロダクトを磨き込んだり継続的な成長に向けて日必要な戦略上の事業アセットを積み上げていく段階であると言えます。シリーズAで調達したお金の資金使途の多くに、「広告宣伝費」を入れるのは割と早すぎる段階、ということだと思います。
これが一般的な単品通販ビジネスとD2Cスタートアップの違いと言えるかもしれません。単品通販ビジネスは初期の段階から広告を使って売上・利益を作っていきますが、D2CスタートアップはMOAT(市場を独占するような強固な参入障壁)を築くために、Jカーブを掘っていきます。

MOATとは、何か?以下の4つがMOATと定義されており、それぞれ僕の考えで事例企業を考えてみました。

(1)Network Effect Moats ( ネットワーク効果によるMoat )
 例)海外:Instagram(SNS)、YouTube(動画プラットフォーム)、Uber(シェアリング)等
   日本:食べログ(グルメ口コミ)、メルカリ(フリマアプリ)、ビズリーチ(転職サイト)等

(2) Cost Moats ( コストによるMoat )
 例)海外:IBM(システム)、AWS(サーバー)、SHEIN(EC)等
   日本:ユニクロ(アパレル)、ニトリ(家具)等

(3)Cultural Moats ( 文化的な要因によるMoat、ブランドとも言う)
 例)海外:Patagonia(アウトドアウェア)、Starbucks(カフェ)、Coca-Cola(ドリンク)、Warby Parker(メガネ)等
   日本:スノーピーク(アウトドア)、北欧暮らしの道具店(EC)、よなよなエール(ビール)等

(4)Resource Moats ( 経営資源によるMoat )
 例)海外:Pfizer・Moderna(製薬)、Disney(エンターテインメント)、Allbirds(靴)等
   日本:ユーグレナ(バイオテック)、スリーダム(次世代バッテリー)等

ここでD2CとしてMOATを築けそうなこととしたら、(3)または(4)、またはその両方ということになるのかなと思います。

(3)のCultural Moatsは、Network Effect MoatsやCost Moatsのどちらかと言えば構造的な要因によって構築されるMOATに比べて、Cultural Moatsはブランドや伝統・文化といった、感情的な要因によって構築されるMOATです。Patagoniaなどはわかりやすい事例ですが、とにかくPatagoniaを愛するファンが多いことが特長です。このファン形成というのは一朝一夕でできることではありませんが、初期の段階からここに投資をしておくことで、ゆくゆくのCultural Moatsに繋がります。

(4)のResource Moatsも、Network Effects MoatsやCost Moatsといった構造的なアプローチでもなく、(3)のCultural Moatsといった雰囲気的なアプローチでもなく、特許・IPや技術・ノウハウ、あるいは規制や許認可といった関連から構築されるMOATになります。ユーグレナなどは特殊な技術を持つことでユニークな事業を育ててきたという歴史があります。特殊な技術を磨き続け、それを製品に展開するノウハウを持つ(できれば特許などの知財も)ことで、他社が追いつきづらい事業へと成長させることができます。日本は模倣が少ない国ですから、独占市場を形成できるチャンスがあるでしょう。

このようなところに調達した資金を注入し、MOATを築くまでは行かなくとも、その可能性が見えてくる方向性が見出せれば、次の資金調達ラウンドも見えてくるはずです。なぜなら投資家は、真似のしづらいMOATを築けそうな事業が大好きだから。

参考になれば幸いです。

経営の裏側

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森がFABRIC TOKYOを経営する上で何を大切にしているのか。思考と行動の背景をダダ漏れします。
起業家であり、ブランドクリエイターであり、経営者でもある森が、何を考え日々経営に向き合っているのか、リアルな感情を共有していければと思います。
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経営初心者だった頃に周囲に言われたことを鵜呑みにしてしまって後悔してしまったシリーズvol.01
「社長はビジョンだけ掲げて、ドッシリと構えておけば良いんすよ」

これは当時の社員に言われた言葉。なるほど世の中の社長とはそうなのかと思い現場の会議に出なくなり面接も出なくなりチャットやKPIを追う頻度も減らした。そうすると数ヶ月後、事業の解像度が粗くなるわ、組織問題が勃発しているわ、意思決定もブレるわ、大変なことになった。これは明らかに間違えであることが今ではわかる。

「ビジョンだけ掲げてドッシリ構える」は従業員が理想とする上司の姿か、崇高な書籍に書かれている絵空事であって、事業をグロースさせる企業のトップのあるべき姿ではない。
事業をグロースさせている経営トップほど、現場で日々切磋琢磨して事業解像度を常に高い状態に保っている。

メルカリの山田進太郎はアプリのボタンを1pixel単位で指示していた。今をトキメクUPSIDERの宮城さんはFABRIC TOKYOの経理が法人カードを申し込んで即、直接「なにかお困りのことがあればお聞かせください」とすぐにSNSで繋がっている僕にチャットしてきた。Walmartの社長は店舗の配置や従業員の立ち振る舞いまで細かに指示すると言う。

事業を伸ばす経営トップというのは、そういうものだ。

Q&A

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!! D2Cやスタートアップに関する質問募集 !!
進撃のD2Cマガジンへのご意見、ご要望、質問などを募集します。
頂いた質問は、毎週noteで回答します。
森に答えて欲しいことがある方は、

まで、どしどしご連絡ください。

※全ての質問に必ずしも答えられるわけではありませんので事前にご了承ください。
※ご質問を頂いた週のメルマガではなく、翌週以降のnoteでお答えする場合も多くございます。

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Q. マガジンにて、SEOでの集客のご説明ありがとうございました。メディアをつくっているのですが、あまりコンバージョンしている感覚がなく、ROIの観点からどこまで注力するか悩んでおります。実際にコンバージョンは出ているから続けているのか、リソースの割き方という観点からどのような捉え方をされておりますでしょうか?

A. ご質問ありがとうございます。顕在ニーズ関連のキーワードでの記事コンテンツが作れているか、まずご確認されるのをオススメします。そうじゃないキーワードでSEOが取れていても、コンバージョンにはなかなか結びつきません。前回のnoteの回で解説した、顕在ニーズのキーワードをリスティングで抽出するステップをぜひ読んでみてください。
オウンドメディアは人がGoogle/Yahooを使い続ける限りは有効手段であることは変わらない、事業アセットに繋がる取り組みなので、力をある程度かけることをお勧めしますよ。

Q. 中小企業診断士の資格を目指して勉強をしている者です。一次試験に合格し、今週2次試験を控えています。
さて、森さんは、補助金の申請はどのように行なっていますでしょうか。(活用有無、申請する場合外注するかなど)
中小企業診断士としての最初の仕事は補助金申請業務が多いと聞き、森さんや森さん周辺ではどのように補助金を活用されているのか気になり質問させていただきました。
何卒宜しくお願いいたします。

A. 補助金は時々活用しています。というのも、管理部門のリソースの空き方に寄るのですよね。
補助金は資金確保の手段としてとても魅力的なものですが、タイミングとケースバイケースで考えています。というのも申請業務や報告業務に一定のリソースが取られるので、時間の方が重要なスタートアップにとっては”申請しない”という選択肢も往々にして出てくるからです。
でも、ホントにリソースの空き状況によるので、これからも活用していくと思いますよ。

Q. いつも楽しく拝見しています。私のようなモノに頓着のない人間はブランドクリエイターに向かないでしょうか?
森さんはファッションが好きで現在のお仕事を立ち上げたかと思います。私もプロダクトを作りたく、こちらに参加させていただいてますが、モノに頓着がありません。D2Cの経営者は「〇〇が好きだけど、既製品に良いものがないから作る」という方が多いと思うのですが、私にそういう対象がありません。
ブランドクリエイターにこだわらず、違う視点からのビジネスを考えたほうがいいでしょうか?ぜひ森さんの考えを聞かせていただけたら幸いです。乱筆乱文お許しください。何卒よろしくお願いいたします。

A. ブランドビジネスにこだわる必要はないので、ビジネスを立ち上げる際はブランド以外も検討されてみるのも良いかと思いますが、ブランドビジネスは率直に楽しいですよ。笑
モノに頓着がないとのことですが、それでも全然良いと思っていまして、身近な自分や周囲の課題に目を向けてそれを解決するようなプロダクトを考えてみる、みたいなのでも良いのではないかと思います。モノに頓着が無くても、買い方や物流の仕組み、健康や環境などの課題解決などなど起点にすれば良いアイデアが出てくるかもしれません。

編集後記

【12月末までに体脂肪率18%プロジェクト実施中】
本日の体脂肪率:24.4%(前回24.6%)
※参考 本日の体重:88.6kg(前回86.6kg)

今週は少し体脂肪率を落とせましたが、ちょっと食に気をつけてジムも3回行けたのですが。。
11月は年末の忘年会シーズンに向けて、食の調整が必要かも。。

それではまた来週!

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