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デザイン入門者必携 『デザイン解体新書』


デザインの仕事はセンスより知識量より、経験がものをいいます。
学生のうちに大量の課題や自主制作をこなしてきたとしても、実務で培ったノウハウには到底及びません。


しかし経年していく内、わかっているつもりでもあまり自信のない知識・忘れてしまった知識などは、仕入れ直さないことには業務にも迷いが生じてしまいます。
とくに数字が絡んでくるルールなど、私も不安になることが多いです…。
そんな状態に陥った時に役立ってくれるおすすめの一冊が、
「デザイン解体新書」




「デザイン解体新書」とはどんな本か


グラフィックデザイナー、工藤強勝さん監修。

プロローグでは、本書を通して読者に伝えたいことを、以下のように記されています。

1. 経験に裏打ちされたリアルなデザインルール
2. 機械に頼らず、自分の目を信じる
3. ルールを知り、迷いのないデザインを
4. デザイナーの「暗黙の了解」を形にする
5. デザインはコミュニケーション
6. アナログ、デジタルを問わない普遍的なデザインルール


この本の特徴的な部分は、随所に「指定紙」のスキャンが掲載されており、細かなキャプションで解説を交えながら各章を進んでいくところ。

マウスを使うスキルより、それ以前にあるデザインのルールや経験が非常に重要なのにもかかわらず、それを培う環境が少ないのである。結果、基準もルールもわからないままデザインすることになる。
本書『デザイン解体新書』は、今までに積み重ねてきた経験と知識に裏付けられたデザインのルールを「指定紙」を通して解説するものである。(P4)

現代のDTPは、簡単・短時間・感覚的にデザイン制作できてしまうのが良いところであり、悪いところでもあります。
本書では、指定紙で意図を読み解きながらインプットしていくことで、理論的にデザインの知識を身につけていくことができます。


実践経験が少ないと難解な部分も多い


とても丁寧で事細かに解説された本ではあるのですが、学生など経験の浅い読者からしたら、「ちょっと難しい本」だと思います。(私がそうだった)
指定紙もめちゃくちゃ細かいし、書かれている事もなんとなくは分かりそうでよく分からない。実務経験が少ないとそんな感想になるかもしれません。
しかし、この本を読んでおいて、いつか引き出しの奥の方から「そういえばデザイン解体新書に解説があったな、見返してみよう」と思い当たれば、この本の真価がきっと分かります。


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今回ご紹介させていただいた本は、私が学生だった頃に教材として用意されたものでしたが、前職の本棚に置きっぱなしにして来てしまいました。
また手元に置いておきたくなって購入し直しました。今読み返してみても勉強になることばかりです。良書ですので、ぜひ!

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