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パリよさらば

人生は変化の連続だ


9月初旬、住み慣れたパリを後にし、パリから200kmちょい離れたフランス北部の港町にて、我が家はフランス生活の第2幕をスタートさせた。

引越し作業中、隔離される俺。オレハイッタイドコヘツレテイカレルンダ?

今回はOtto氏の仕事の都合により、パリから引っ越すことになった。引越し先は、今年頭くらいからよく訪れていたパドカレ地方、オパール海岸と呼ばれるあたりの街。

三陸の港町で産まれ、ルーツの半分が東北の私としては、海の街特有の潮の香りがとても懐かしい。ま、自宅から海までは歩いて30分くらいかかるんだけども。

フランス最大の漁港とどこかに書かれていた。


20代後半から変化の多い我が人生。
2〜4年毎に、住む国が変わったり仕事辞めたり結婚したりなんだりと、ガラガラっと環境が変わりまくっている。ここ10年で引越しは5回目だ。

幼い頃は、住む場所が全然変わらないことが不満で、たまにやってくる転校生の存在がうらやましかった。だから高校を卒業して上京したし、どんどん外に出て行ったけれども、気づいたらユーラシア大陸の果てまで来てしまった。どひゃー。

大西洋に面する街。この先はイギリス。



必然的に、相棒である俺も引越しの多い犬生である。

ル・マン方面のブリーダーさんのところからパリへきて以来、東京、松本、パリ、そして北フランス。松本以来の庭がある家なので、ちょっとはQOLO(Quality Of Life of Olé)、上がるかな?

前の家主がおいていった滑り台。決して正しい方向に滑ってくれない・・・



引越してからちょうど2週間が経ったが、居住空間も前に比べたらかなり広くなったし、最後までスーパー意地悪だったパリのアパートの管理人(天敵)にも2度と会わなくて済むし、これだけでも大幅に日々のストレスから解放されている。抜け毛も減った気がする。

加えて、今週ようやくガスが通り、ネットの工事が完了した。ガスが通らないとお湯が出なくて、ほぼ1週間洗髪なし(!)という汚婦生活ともお別れできたし、iphoneテザリングも不要となった。少しずつ、少しずつ前進。

俺のクローゼットもできた。飼い主より衣装をもっている男。


私は実家を出て以来、コンセントの位置を変えずに掃除機をかけ終わるような30平米くらいの小さな借アパートにしか住んだことがない。つまり、上京以来、今回が初めての一軒家住まい。

それゆえ、実家は一軒家だけど手入れは全て両親がやっていたから、どうやって庭の手入れをすればよいのかも、どうやって天井の掃除をするのかも、どうやって床を綺麗に磨くのかも、全てが初心者なのである。料理以外の家事が超苦手とか言ってる場合じゃない。それ以前に、ちんぷんかんぷんワケわかめ。


ゴミ出しも、各家庭に大きなゴミ箱があって決められた日に自分で家の外に出さなくてはならない。分別も細かい。難儀。。

しかもここはフランス。ホームセンターやスーパーの掃除道具コーナーでも、iphoneの辞書アプリを片手に「この液体は何に使うの?」「このブラシは外用??」とにかくよくわからない。

とりあえずできそうなところから。見覚えのある藁のホウキをゲットして、中学生以来?のエントランスの掃き掃除に励み、草むしり用の手袋(手が小さいのでジュニアサイズがぴったり。安上がりで済んだラッキー)で、無心に伸びている草をむしっている。

パリのアパートなんて週1掃除機かけたらえらい方だったのに、気付いたらどこか拭いたり掃いたりしている私。ノエルには高性能の掃除機が欲しいとまで思うようになってきた。人間、環境で変わるものだ。


これは天敵クモの巣を取る用のtête de loupという道具。如意棒のごとくびよーんと伸びる。これを持つとなんだか無敵感出るから好き。


トイレの便座が高くて足が地面につかないし(まあこれは定番)、前の前の家主時代から変わっていない古い浴室の鏡の立て付けが「住んでたのオランダ人?」と思うほど高すぎて、チビ助な私は目から上しかみえないし、おそらく子供部屋として使われていた部屋の壁は衝撃的にショッキングピンクだし・・・

と、工事&改修しなくてはならないところは数えきれないほどあるけれど、庭から見える夕焼けを見ながら、大丈夫、ひとつひとつ乗り越えていこうと自分に言い聞かせる。

とりあえず、使う予定のない食洗機からなぜか水があふれてくる問題の原因を突き止めたい

少しずつ街の散策もし始めた。

引越し翌日は、市庁舎に住所変更や滞在許可証の更新手続きのためにOtto氏と出向いたのだが、総合受付の女性も、住所変更担当のマダムも、もれなくいい人で腰が抜けそうになった。パリだと役所関係の人でこんなほがらかな対応されたことないよ?

まあ、許可証の更新はこの街ではできず、100kmくらい離れた県庁の街までいかないといけないみたいだけども。田舎あるある。

フランスの街って旗が多い気がする


この街で2週間で出会った人々。市役所関係に限らず、お店の方も、近所の道端で会う住民の方も、たまたま目が合ったその辺の方も、大抵みんなゴキゲンがいい。目が合えばニコっとするし、すれ違えば挨拶するし、車は絶対止まってくれる。

大抵みんなゴキゲンが悪かったパリに慣れていると、いちいち心がほわっとする。マスク生活とストレスで下がった(たるんだ?)口角も上向きになってくれるかもしれない。

調べたら多分ここからだとパリよりロンドンの方が近い。。



衣食住の「住」カイゼンに夢中になっているとあっという間に1日が過ぎるけれども、我が最大の関心事は相変わらず「食」であることに変わりない。ところ変わらずキッチンドランカーを楽しんでいる。

引越し当日、夕方スーパーでスモークサーモンを買ったので、ささやかながら引越し祝いのSUSHIを。

だし巻きとかっぱ巻きも添えた

醤油とだしがあればフランスどこでも和っぽいものはできる。得意のスリミ醤油バターパスタ。

オムライスなんかもどこでもできるわな。

ハンバーグとかポテサラなんかも万国共通。

Googleマップで検索した限りにおいて、この街にアジア系の食材店は皆無のようだから(そもそもアジア系住民をほぼみない)、これはまた「なければつくればいいのよ」が発動しそうな予感大。フランスどこでも、否、世界どこでも作れる料理を今後とも更新していきたいと思う。


ふぅ。つくづく、人生とはわからないものである。
でもそれが面白い・・・のかな、きっと。

自作ギンガムシャツをお召しになる久しぶりのおスッシーと俺。

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