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文科省が教育委員会に出した「不登校児童生徒への支援の在り方について」という通知を読み解いてみる②

前回に引き続き、令和元年度に文部科学省が教育委員会などに向けて出している通知を見ていきます。

↓前回はこちら↓

学校等の取組の充実

せっかくなので全文見ていきます、文字がとっても多いですが、文部科学省の方針を知る意義は大きいので、しばしお付き合いください。

学校での取り組みについて触れた文章です。

まずは、上の部分
・不登校の子どもに対する支援には、とにかく関係機関と情報を共有し、連携しながら当たるのが大切(担任の先生だけで抱え込まないでー!)
・子どもが楽しく通えるような学校づくりを目指しましょう

・いじめには毅然とした態度で対応すること
・教師の体罰や暴言が不登校の原因になった場合には、懲戒処分を含めた厳正な対応が必要

支援の内容

文部科学省の通知から引用

次、行きましょう
・とにかく関係機関と連携が大切、スクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカーを活用するとよいですよ
・家庭訪問を行うときは、その意味や目的をちゃんと整理してくださいね(虐待やネグレクトを把握する)

子どもがフリースクールなどに通っているときは、その内容を指導要録に記入したり、通知表などの方法で保護者に伝えましょう
・子どもが登校してきたときは、保健室や学校図書館を活用するなど工夫をしてね

・いじめが原因で不登校になっている場合は、緊急避難として欠席を認めてください
・教員による体罰・暴言が不登校の原因となっている場合は、その問題の解決に真剣に取り組むこと

多様な学びの機会の確保

学校の取り組みについては、次の画像でラストです。

文部科学省の通知から引用

・不登校特例校、フリースクール、ICT教材など、多様な教育機会を確保しましょう
・その場合、指導要録上への記載は本人の努力をちゃんと反映させましょう

・高校進学の意欲がある子について、適切に評価しましょう
・併せて、中学校卒業認定試験について情報提供してくださいね

・中学校卒業後も、社会的なつながりを絶やさないため、関係機関と連携しましょう
・改めて中学校で学び直したいというニーズに備えて、予め夜間中学の情報を提供してあげてください

示された支援が実現する未来を近づける

こうして読んでみると、不登校の親の会(保護者の会)や多様な学びについて発信している方々が求めている支援にかなり近しいことが書かれています。

もちろん、フリースクール費用に対する金銭的な補助や、ICT教材では測れない「体験」も評価してほしい、子どもの安否確認のための家庭訪問は学校外の機関も行えるよう明記してほしいなど、望めばキリがありません。

なにより、3年半前に示されていることがどこまで学校現場に反映されているのか…という疑問を抱く方もいらっしゃると思います。
それでも、こうして掲げられる文章があることは、現状を変えていく力になるでしょう。

なお、今回ご紹介した解釈は、私というフィルターを通しました。
分かりやすさを重視した結果、零れ落ちてしまった部分も多々あります。
文部科学省の公式発表は、下記通知の通りなのでご留意ください。

↓通知原文はこちら↓

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「不登校」や「ホームスクーリング」など様々なテーマで連載をしているため、全体をまとめたページを作っています。
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◆用語解説
ホームスクーリング(英語: homeschooling)は、学校に通学せず、家庭に拠点を置いて学習を行うことをいう。オルタナティブ教育の形式のひとつであり、ホームスクール(英語: homeschool)、ホームエデュケーション(英語: home education)などともいう。

Wikipedia