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【日本一周 九州編7】 「唐破風」病

 九博から伸びるなが~いエスカレーターを下ると太宰府に到着する。雨上がりで濡れた石畳を本殿目指してテクテク歩き楼門をくぐる。

 奥に構える本殿の向拝には唐破風(からはふ)が施されていて、おでこには太宰府の象徴、梅の花のレリーフが輝く。ちなみに「唐破風」とは城郭建築の屋根に見られる、"緩い山形をした部分"のことを指す。字面だけで理解するのは難しいが、実物を見れば誰もが一発で「アレね!」となるアレのことである。

コレである。

 私がこの言葉を知ったのは、京都・滋賀旅行で彦根城を訪れたときのこと。大学で建築学の講義を受ける明石に教えてもらった。それ以来、城や寺社仏閣に行くとやたらと唐破風に目が行ってしまい、そこだけが浮き上がって見える病気にかかった。

 唐破風だけ知ってる奇人であり続けるくらいなら、その他の建築名称も覚えて“建築全般に詳しい人”になりたい。幸い、明石からそういった知識がまとまった資料を譲り受けたので、暇を見て覚えていこうと思う。

 本殿の横に咲く梅は「飛梅」の名で広く知られる。菅原道真が平安京からこの地に左遷となった際、主人を追って自邸の梅が飛んできてこの地に根付いたという、ハチ公顔負けのハートウォーミングな嘘が起源である。

 さらっと本殿の見学を終えた後は、通りの土産屋で名物「梅が枝餅」をいただいた。パリッと焼かれた生地の香ばしさと中のあんこのほのかな甘みに舌鼓をうった。

尾道

・メンバー
明石、尾道

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