毎日超短話567「ムシャクシャ」
ムシャクシャしてたので、誰もいない校庭にトランペットを置いた。なんでって言われてもわかんないけど、ささやかな抵抗のようなもの。教室の窓からそれを見ていると、用務員のおじさんが歩いてきて、トランペットを拾い上げた。そして、それを鳴らした。たぶんクラシックの何かの曲を吹いている。すべての教室の窓が開いて、生徒たちが顔を出す。曲が終わると、拍手に包まれた。明日、わたしは校庭にフルートでも置いて置こうかと思っている。もう、ムシャクシャはしていない。
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