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ホームページでは素晴らしいことを発信し、多額の費用をかけて立派な広告記事を数多く発信しているけど、パワハラ告発、差別・ハラスメント訴訟が起きていたり、SDGsウォッシュと言われるおそれのある企業が目立ちます。

働く側も、キラキラした発信に惑わされてはいけない、好事例として紹介されているからといってお墨付きがあるわけでもない、という悲しい現実も痛感します。

SDGsの認知を広げるフェーズは過ぎ、本質的な推進に必要なのは、ふさわしくない企業への包囲網を強めていくことだと思います。

SDGsウォッシュでもこれは一線超えてるなあと思うものは、相手側のテーブルに出し、是正に向けて働きかけていくことです。「言っていることとやっていることが違う」のが当たり前すぎていちいち気にしない人が、少なくない割合でいるからこそまかり通ってしまうというのもあるのでは。

セールスフォース事件をめぐる調査報道、方向性とは、書いたら書きっぱなしではなく、相手のテーブルの上に出し、相手に対し、それが否定しようのない事実であり、自らの置かれた状況を認識し問題の是正に動くように働きかけることです。

ステークホルダー資本主義のグローバルなリーディングカンパニーに対し、「障害者雇用」に加えて、今日のトレンドである「SDGsのためのESG経営」「ビジネスと人権」「人的資本開示」に抜本的な解決策を示すように働きかける、ということ。その方向性で、当該企業が2020年に法律で義務付けられた障害者の雇用状況報告を適切に行っておらず(罰則規定あり)、障害者雇用率未達で企業名公表による信用低下リスクを抱え、そうしたなかで発達障害の元社員への差別訴訟が起きており、障害者団体が傍聴を呼びかけるなど裁判支援に乗り出していることを伝えました。この記事、当該企業の関係者も4月に閲覧していたことがわかっています。

その関係者は5月末に「障害者雇用率を達成した」という情報を、リンクトインプロフィールに出してきました。

筆者もそれを見て、「雇用率達成していた」という記事を出しました。相手側に是正を求めると同時に、こちらにも客観的事実と異なる情報が流布されることが助長されないよう、状況が変わったことに気付いたらすぐに「〇〇がわかった」式で情報を出すことが求められています。

それとともに「定着できる職場環境なのか」という問題意識も喚起しました。障害者採用では直近2年間で少なくとも3人の半年~2年での短期離職者が出ています(うち原告含む2人は本人の意に沿わない契約満了)。「私も合理的配慮が守られなかった」「1日待機状態」「途中交代した上司には障害理解が全くなかった」という声もありました。しかし首都圏以外でリモートで働ける障害者の求人が圧倒的に少ない背景があれば、定着をめぐって深刻な問題が表面化していてもなお、地方在住のリモートワーク希望者が当該企業を選ぶこともありえるのでは、という問題意識の喚起です。

今後、求職者、特に障害当事者・障害を持つ求職者が知りたいことは、訴訟に発展した問題が起きた背景・原因です。社名公表リスクが迫るなか社内の理解が不十分なまま採用が行われていたのではないか。なぜ平等のコアバリューに全くそぐわない言動をする上司がいて、なぜ止めることができなかったのか。組織としての処分に踏み込むことにならなかった事情も何かあったはず、それは何だったのか。他にも同じような被害を受けている人がいる環境なのか。

さらに、客観的証拠が不足するなどして企業側が最後まで社会的責任を認めなかった末に、企業側の認識を追認する判決となった場合、それがどのような影響を持って伝わっていくのか。そういうところにも向き合っていかなければと思います。


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