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35人学級でも個別の学びを個々の進度で行う方法(4)実際に試したアイデア4つ

生徒が個別の進度で学ぶことをアダプティブラーニングと言います。PCタブレット一人一台環境になれば可能かもと言われますが、実際はアナログでも同じ。本当に大切なのはその土壌を整えることだというお話をしました。

ICTでの個別学習=ドリルとは決して捉えないでください。そこから入ると、生徒はやる気をなくし、紙でしていた時と同じかそれ以下の点数をとるようになるでしょう。そして先生が一番恐れる、「さっさと終わらせて好きな動画を見る」または「初めから取り組まずにゲームする」になるのです。それもそのはず、面白くないですから。
まずは土壌を整える。集合知化することや、コラボの楽しさ、一人一人に知識や理解の差があってもみんな充実した学びができること、個性を大切にして自分の得意分野で助け合うことを目的とした時間をさきたいものです。
ちなみに、江藤の場合それは授業時間の○○%です。

詳しくは今までのブログを読んでくださいね。アダプティブな学びができる土壌が整えられているという前提で、5つのアイデアと実施のポイントを紹介します。

「選ぶ」ということ

一番大切なことは、折に触れて生徒に選ばせるということです。2つからでもいいし、複数からでもいいし、進度を作るでもいい。前任校では単語の木曜朝テストというのが全校で行われていた時代。その10分という枠を使ってやっていた実践です。

アイデアその1)範囲4ページ or 50ページを選ぶ。ちなみに途中で変えてもよい。点数は平常点の一部になるが、20点なら同じ20点。ゆっくりやりたげればそれでいい。テストは4択。綴りは覚えなくてOK。結果、クラスの1/5が一週間に50ページを選び、平均点は50ページを選んだ方が当然ですが上でした。

アイデアその2)好きな単語帳を生徒が買ってくる。(または1年生で使ったものを再度やり直し)週一回のこの時間まで勉強して、赤シートをかけてテストし、自己採点する。先生には進捗状況と%だけ伝える。授業で計画をみんなで立ててみる。ポイントは、余白を作っておくことと、いつでも変えられるように鉛筆で書くこと。綴ってもいいし、大体意味がわかる程度まででもいいし、言えたらいいというのもアリ。結果、全員がなんらかの進度でできただけでなく、最上位層はネイティブスピーカーのクロスワード愛好者向けの単語帳を使っていました。

テストの仕方も、進度も、本の中での配列も、生徒の認知特性や学力によって大きく変わります。選ぶ、ということを繰り返すうちに、自分にあったやり方も見つかってきます。

「回す」ということ

アメリカの小学校でよく見かける、ステーションラーニングにヒントを得たものです。

注意スパン15分だと言います。これは小学校の例ですね。テーブルごとにやることが決まっていて、巡回していきます。先生がいなくてもできることを用意しておけば一人でも数カ所回せます。

アイデアその1:生徒は同じ座席ですが15分区切りだけ使いました。生徒を3ブロックにわけ、(A)パワー音読 x ドラゴンスピーチ(音声認識)x Padletに提出、(B) 文法プリント40枚を好きなところからやる、(C) 自由英作文(問題集 or テーマ自由英作 or 中期作文プロジェクト)A, B, Cが15分ごとに入れ替わっていきます。こちらは時間を告げることと、生徒の質問対応だけします。

パターン(A)は、イヤホンで音声を聴きながら6通りの方法で練習する→音声認識アプリでテキスト化→コピペして感想を添えて提出、です。ポイントは何をするか明確にしておくこと。小学校の実践事例から学んだことです。

アイデアその2)同じテーマでいろんな活動をする(プレゼン or サークルリーディング or 文を読んで問題に答える) x ダニエルピンク(モチベーション2.0)ダニエルピンクのモチベーション2.0に関する動画を見た後で、何をするか選んで、チームまたは個人で取り組みました。驚いたのは、クラスの1/3がDriveというダニエルピンクの書いた洋書を自分で買ってきてサークルリーディングを始めたこと。「やってみよう!」という気持ちが強いと友達と一緒に大変なことも乗り越えられるようになります。

何を見ていても授業のことを考えてしまう

ミニ、中期プロジェクトとの兼ね合いなど、気になることはあると思います。少し長くなってきたので、次にお届けしますね。先生仲間とよく話すのですが、何を見ていても「授業に使えないかな?」と考えてしまいます。もはや中毒です。やめられません。でも、そのくらいがちょうどいいような気もします。アイデア、ご感想お聞かせくださいね!

続編です↓


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