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【子どものゲームにお困りの方】ゲームと勉強の関係を上手に取るには?

「先生、この子ゲームばっかりやっていて、全然勉強しないんですよ。。。先生からも言ってやってください( ̄^ ̄)」

中学生男子の子を持つお母さんから、しょっちゅう聞くお悩みですね(笑)

この問題はずっと前からありますし、

今後もずっとあり続けると思います。

私たちが正しい知識をもとに、どう向き合うのか?が大切です。

この記事は…

・子育て中の親御さん
・ゲームと子どもとの関わりに悩んでいる親御さん
・教育業界で働いている方

に役立つ記事です。

☆結論:お子さんの状況次第。著しくバランスを欠いている場合は注意☆

テレビやゲームとの付き合い方は、一概には正解がありません。

勉強などのやるべきこととの関係から、バランスを大いに崩している場合、時間などの制限を子ども自身に上手に決めさせるのがベスト。

「それが難しいんだよなぁ…( ;´Д`)」というご批判は、

甘んじて受け入れます。

全くもってその通りです(笑)

案外根深いんです、この問題は…f^_^;

☆ゲームそのものは悪くない。ただし…☆

1.ゲームそのものは悪影響があるのか

まず「ゲームそのものが“悪い“」と言えるのか?という視点から考えます。

ハーバード大学のクトナー教授らは、中学生を対象にした大規模な研究でゲームが必ずしも有害ではないことを明らかにしています。それどころか、17歳以上の子どもが対象になるようなロールプレイングなどの複雑なゲームは、子どものストレス発散につながり、創造性や忍耐力を培うのにむしろ良い影響がある
学力の経済学』より抜粋

これは他の研究者も似たような結果を出しており、

「ゲーム=悪いもの」という図式は、成り立たないことが明らかです。

2.なぜ親はゲームをやめさせたがるのか

これには、色々な視点(考え方)があります。

例えば…

①暴力的なシーンがあり問題行動を起こすようになるのではないか
②ゲームばかりやっていて、全く勉強しない
③ゲームは将来役に立たない など

①について…

慶應義塾大学准教授の中室牧子氏は

これまで(中略)ゲームの使用時間と問題行動の相関関係を調べた研究は相当数存在しています。そうした研究のほとんどが(中略)ゲームの使用時間と問題行動には正の相関があることを示しています。
学力の経済学』より抜粋

ここは誤解のないようにしておきたいのですが、

“正の相関関係がある“というのは、

「もともと問題行動をするような子が暴力的なゲームを好む」可能性を含んでいます。

しかし、ゲームをする→子どもが問題行動を起こすという

“因果関係“を証明した研究の多くが

テレビやゲーム「そのもの」が子どもたちにもたらす負の因果効果は私たちが考えているほどには大きくないと結論づけています。
学力の経済学』より抜粋

この事実は知っておきたいですね。


②について…

「ゲームばかりやっていて勉強しない」のは2つの視点があります。

1つ目は「ゲームをやっている時間が長いために、勉強する時間が取れていない」
2つ目は「そもそも勉強する気がなく、自分の時間をゲームに当てている」

あなたのお子さんはどちらに当てはまるでしょうか?

それによって対処方法は、全く異なるはずです。

親の気持ちからすると「ゲームばかりしていると頭悪くなる!」と

言いたくなる気持ちはあります。私もあります(笑)

ただし…

・頭が良くてもゲームをやっている人はいる
・ゲームをやっていなくても勉強が苦手な子はいる

ということもまた事実です。

③について…

今はスマホゲームを運営しているIT企業が20年前と比べて

格段に多くなっています。

またe-スポーツの盛り上がりとともに「プロゲーマー集団」もいますし、

「東大卒プロゲーマー」も話題になりました。

プロゲーマーになれば年収何千万を稼ぎ出す人もいますし、

まさにこれから広がっていく市場でもあります。

↑ここでも少し触れましたが、

・これまでの20年とこれからの20年は全く違う
・親の考えは“常に“古い、

ということは頭に入れておくべきですね。

3.ゲームを長時間やるデメリット

慶應大の中室准教授は…

1日2時間を超えると、子どもの発達や学習時間への負の影響が飛躍的に大きくなることも明らかになっています。
学力の経済学』より抜粋

これも“相関関係“ですねf^_^;

中学生の子どもが学校から帰ってきて(部活をやっていれば5時〜6時くらいでしょうか?)

着替えて、夕飯を食べて、お風呂に入って、なんやかんや…

その後から2時間ゲームをやったとしましょう。

まぁ物理的に宿題や勉強をする時間は取れないです。

そうすれば、普通の子は成績が良くなったりはしませんね。

☆子どもの本当の気持ちは…?☆

私の18年の塾教師としての経験からすると

「そもそも勉強する気がなく、自分の時間をゲームに当てている」ケース

の方が多いと考えます。

ゲームを、勉強しない(できない)理由にしているだけ。

自分自身でも意識していないと思いますが、

結果としてそうなっている子はいます。

この場合の方が、対処は簡単です。

・そもそも勉強したくない理由を聞く
・なぜこちらが勉強して欲しいかを伝える
・勉強するメリットを伝える
・自分で計画を立てさせる

口では「○○高校に行きたい!」とか言っている子も、

心の底では実はそう思っていない

あるいはすでに諦めている、というケースはあります。

表面的に頑張っている風に見せて、なかなか身にならないケースは、

こういうことを疑ってみるのもいいかもしれませんね。


子どもたちは変わる時には、大きく変わっていきます。

受験期に本当の意味で「私はこの学校に行くんだ!」と強く思えるように

なりさえすれば、勉強は自然とやるようになるはずです。

親御さんができるのは、以下のことくらいではないかと思います。

・目標が持てるような環境づくり(高校に実際に行ってみる)
・将来を想像させる機会を作る

☆(反論)子どもに考えさせるとずっとやり続けてしまうのでは?☆

「子どもに計画を立てさせたら、ずっとゲーム三昧になってしますよ…。゚(゚´Д`゚)゚。」

そうですね。可能性はあります。

一つ、提案をご覧ください。

東京大学大学院情報学環の藤本徹講師は(中略)『宿題や家の手伝いなどをきちんとやった後でなら、気が済むまでゲームで遊んで良い』といったルールにする方が、自分でゲームとの付き合い方を工夫するような望ましい行動を促すことができる
『子育てベスト100』(加藤紀子 著)より抜粋

こう上手く行くかは分かりませんが、

親が一緒に関わりながら、

ゲームの存在を否定せず、

立てさせた計画を確認して、話し合いをする。

これに尽きます。

☆まとめ☆

・ゲームそのものが悪影響を及ぼすわけではない
・ゲームをする時間が長すぎる場合、他のやるべきこととのバランスを取らせる
・ゲームを勉強をしない“言い訳“に使っていないか?を疑ってみる
・ゲームを極めれば、逆に将来が見えてくることもある

いかがでしたか?

唯一の結論が出せないのがこの問題の根深いところですね^^;

ゲームとの付き合い方の問題の一部は

「自制心」の問題でもあります。

非認知能力を高める訓練をしておくと、

状況が変わることも考えられます。

試してみてくださいね♪

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