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子どもを伸ばす褒め方。能力ではなく、“努力“を褒めること。

 「子育ては『褒めて育てる』が基本!しっかり褒めていれば、子どもが自信を持てるようになってどんどん伸びていくわ(`・∀・´)」とむやみに子どもを褒めていませんか?

 褒めて育てることは非常に大切なことですが、その“褒め方“にはちょっとしたコツがあります。本当に子どもを伸ばすことができる褒め方とは…。

この記事は…

 ・子育て中の親御さん(幼児〜中高生まで)
 ・会社で部下を持ち、指導している方
 ・学校やスポーツの指導者としてを生徒・選手を育てている方

 に役立つ記事です。

☆むやみにほめるのは逆効果☆

 ただ“褒める“と言っても、

 「すごいね〜(о´∀`о)」とか
 「えらいね〜(*´∀`)♪」とか 言っていれば良いわけではありません。

結論から申し上げると「具体的に子どもが達成した努力・内容について“褒める“」が良いと言われています。

褒め方をあやまると、子どものやる気を失うだけでなく、自尊心ばかりが高まってしまい、パフォーマンスが落ちていくので要注意です。

☆自尊心と学力の関係☆

 子どもを褒めることによって自尊心を高めるのは良いことです。しかし、「自尊心が高ければ学力も高くなる」というのは誤りです。

1.自尊心と学力の因果関係

フロリダ州立大学のバウマイスター教授らは(中略)自尊心と学力の関係はあくまで相関関係にすぎず、因果関係は逆である。
 「学力の経済学」P46より抜粋

つまり…

自尊心が高い から 学力が高い のではなく
学力が高い から 自尊心が高い ことが示された、ということです。

2.  自尊心を高めることは、学力増進につながらない

 またバージニア連邦大学のフォーサイス教授らは、最初の試験で成績の悪かった生徒たちを2つのグループに分けました。そして2つのグループに各々別のメールを送りました。

①のグループ
→宿題に関する連絡とともに、「あなたはできる」のような自尊心を高めるメッセージを送る

②のグループ
→宿題に関する事務的な連絡や、個人の管理能力や責任感の重要性を説くメッセージを送る

この結果、①のグループは②のグループの学生よりも期末試験の成績が、統計的に有意に低かったことが示されました。

この研究は、学生の自尊心を高めるような介入は学生たちの成績を決して良くすることはないことを示しています。(中略)「あなたはやればできるのよ」などといって、むやみやたらに子どもを褒めると実力のともなわないナルシストを育てることになりかねません。
学力の経済学」P48より抜粋

3.能力でなく“努力“を褒める

以前Twitterで以下のメッセージを流しました.

 もともとの能力を褒められた子どもは(中略)この試験のゴールは(中略)「良い成績を得ること」にあると考え、テストで良い点数が取れなかったときには、成績についてウソをつく傾向が高い
 「学力の経済学」P50より抜粋

 これだけ見ると、You can do it!!(あなたはやればできるのよ)という言葉をむやみに使えないですね。..。

 努力や達成したことを褒めた子どもたちは、成績が悪かった時に「自分の努力が足りないせいだ」と考えたことがわかっています。

ただ褒めることは簡単なのですが、努力や達成したことを褒めるためには、その子の様子や取り組みを、つぶさに見ている必要がありますね。

ここが子どもや生徒、選手、部下を育てるのに難しいところです。

☆著名人で考える☆

 オリンピックへ三度、自身の教え子を導いた故・小出義雄監督は「褒めて育てる」指導者として有名です。高橋尚子選手と一緒に、豪快に笑う姿が印象に残っている人も多いのではないでしょうか。

 しかしあの豪快さとは裏腹に、実に緻密な計算があった、と言われています。「世界一になるためには世界一の練習をすれば良いんだよ」と語ったことが有名ですが、選手も人間です。

 世界一の練習メニューを機械的に作っても、こなせるはずもありません。日々の選手とのコミュニケーションの中で、表情や走りから、選手の気持ちや調子を感じ取り、的確に褒め、選手のモチベーションを維持・向上させていたと言います。

 また箱根駅伝5度の優勝を誇る青山学院大学の原晋監督は、学生たちに月間の目標を作らせて、毎月いくつかのグループごとに目標に対しての達成度や進捗状況をプレゼンさせるそうです。

 大学の教授も務めていらっしゃいますし、テレビや講演会などにもご出演なさっているのため、グラウンドに行く機会が少ないタイプの監督ですが、ここは「選手の自己管理能力」や「責任感の重要性」をしっかり指導なさっているということでしょう。

☆期待しないのもいけない☆

 「褒めるのは難しいな…あまり期待しないでおいた方がいいのかな?f^_^;」と思ったあなた。それも、違います。

褒めすぎてもダメ、

期待しないのもダメ。

人を育てることって、本当に難しいですね…f^_^;

☆まとめ☆

・自尊心が高い“から“学力が高いのではない
・むやみに褒めると子どものパフォーマンスは落ちる
・能力ではなく“努力・達成したこと“を褒めると良い
・期待しないのもダメ

いかがでしたか?日々変わっていく子どもをつぶさに観察するのは、得意な方とそうでない方がいらっしゃいます。

ただ実感として「褒められたいポイントを褒められる」ことが一番嬉しいですよね。褒めることも、日々是精進、でしょうか。

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