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~善悪と好奇心~

この文章は学校の課題で書いたものをそのまま載せています。


はじめに~出会い~

私が名探偵コナンを真剣に見始めたのは小学5年生の春のことだ。流行に疎くあまり友人付き合いが得意ではなかった私は退屈な日々を送っていた。熱を出した私はケーブルテレビをネットサーフィンしていた。「つまらねえな」と思っていた矢先、私の耳に留まったのはこんなセリフだった 「どうしてあなたは、歳をとらないの?」ちょうど良いタイミングであった。私の目に入ったのは銃を向け合う二人の男女であった。あれよ、あれよと目を奪われているうちに一人の男性が顔をびりびりっとはがし変装を解いたのであった。顔がはがれるということはアニメであっても非常に衝撃的であった。これが私と「名探偵コナン」の出会いである。それから、私はアニメを1話から見はじめコナン漬けの毎日を送ることとなったのである。
何がそんなにも魅力的であるのか具体的に二つ挙げる。
1魅力的なキャラクター達
私の推しは、怪盗キッド、ベルモット、赤井秀一、安室透である。彼らが共通して魅力的である点は「素性が謎」である点である。「名探偵コナン」において新キャラは本当に怪しく描かれる。名探偵コナンの物語の本筋は工藤新一の体を小さくしてしまった組織の見つけ出しその悪事を公の元に晒すことである。そのこともあって新キャラクターが敵キャラであるという可能性は非常に高く、結果的に味方側のキャラ出会っても非常にミステリアスに描かれる。その点が子供心にぐっとくる。ちなみにポイントは敵キャラの名前である。ジン、ウォッカ、ベルモットのように洋酒の銘柄のコードネームが組織から与えられている。小学生からすると全く知らない大人の世界である。少し背伸びをして話を理解しようという気持ち。子供にとって好奇心を抱くという気持ちは今後の人生を送る中でとても大事なことである。
2殺人という禁忌
「名探偵コナン」では日常的に殺人事件がおこる。人が死ぬということは大きな災害や戦争が日本で起こらない限り身近ではない。それ故に禁忌のように扱われることが多い。(特に子供にとっては)「名探偵コナン」のキャラクターたちは毎回人が死ぬ度に心を痛めている描写があるというわけではない。しかし今作の主人公=工藤新一=江戸川コナンを例にあげて考えると人が死ぬことについてどのようなスタンスでいるかわかりやすい。江戸川コナンになる前の工藤新一は事件を楽しんで解決しているだけの子供であった。しかし江戸川コナンになってからの殺人事件で犯人に自殺されてしまってからは人が亡くなるということに対して面白がるような素振りを見せなくなった。また彼の心情はそんなに多く語られることは無いが、自殺するまでの過程を主人公と追体験することで、読者に「死」について考える機会を与えてくれる。
終わりに
ここまで「名探偵コナン」について真面目に魅力を紹介してきたが、真面目出なくなっても良いのであればいくらでも語ることが出来る。「名探偵コナン」は倫理的では無いと批判されることも多い。しかしそこが「名探偵コナン」の隠された魅力である。言葉を変えて述べるのであれば、「倫理的ではない」ということは「倫理的でないことを目の当たりにし社会はきれいごとだけでは成り立っていないということを痛感する」ということである。これは非常に他の漫画作品とは異なった特性である。またそこから考えを深め、最終的に善悪について考察するのである。子供には大人になる前に、触れて置いて欲しいと思う作品である。

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