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≪Vol.160≫「わかる」と「わからない」の距離

「なんでお前はそんなこともできないんだ!」
というお叱りをする(される)場合があるのですが、
その場合、「できない」のか「わからない」のか、どっちなのか?という問題はあります。

「できない」は努力でカバーできることもあるが、
「わからない」は努力の仕方もわからないので、まずは「わかる」まで理解する必要があります。

この話は日本人同士でもよくある話ですが、
対外国人においてはとてもよくあり、予想以上にあります。
タイトルにも書いていますが、
よく社会では「できない」→「できる」にする議論が多いのですが、
実際は「わからない」→「わかる」を最初にやらないといけなくて、
外国人で言うと、「わからない」→「わかる」までの距離が、日本人が想像している距離とは全然違います。それが「カルチャーショック」になったりします。(お互いに)

先日、イタリアイベントで、
イタリア人講師が「日本食」について話してくれていたのですが、
イタリア人からすると「日本食は味がしない」ということがよくあるそうです。だからソース的な調味料を完成品にボタボタとかけて食べることも多くあります。という話を聞きました。
日本人からすると「せっかく職人が繊細に仕上げた味わいが台無しじゃないか!」と思ってしまったりするのですが、外国人からしたらうまくも何ともありません。味がしないのですから。。。

また僕の経験で言うと、
以前、台湾人の留学生と回転寿司へ行ったのですが、
タイとかサーモンとかを取って、食べるときにアナゴとかウナギに付ける「甘ダレ」を寿司がドロドロになるまで付けて食べていました。
「そんなに甘いのを付けたら、寿司の味がしないんじゃないの!」なんて話したりしましたが、寿司を醤油で食べるのでは味わいがなく、ただ辛いだけで、味がしないような感じなんだそうです。

コレって、同じ話なのですが、
「寿司は醤油を少しつけて食べるんだよ」って言って、「わかった」と口で言ったとしても、実際食べると、彼ら彼女たちにとってはうまくもなんともないから、「わかった」というものの、日本人は何を言ってるんだろう・・・ってなってしまうと思うんです。
だから結局は自己流に戻ってしまうわけですが、
それはそれでいいと思うのですが、
「その食べ方変だよ」→「日本人変だな」を3回とか5回とか何度も経験をして、やっと「美味しくはないけど、日本人の味覚はわかった」となっていきます。
日本人同士だったら1~2ラリーで、「この地域の人はこういう味が好きなんだな」とか「この人は辛いものが好きなんだな」とか、
何となく「想定内」の「変」なのですが、外国人の場合は「想定外」の「変」なので、日本人のソレよりも確実にラリーの数が必要になります。

という事情もありラリーが多いのですが、
あまりにラリーが多いので「外国人はわかってない!」と日本人の多くは痺れを切らしてしまうのですが、
何度も書いているのですが、「できない」ではなくて「わからない」というところから入っていくと、思っている以上に前に進みます。

というお願いでした。
分かり合えて、出来るようになると、本当に力になるので、粘り強く皆さんにはお願いしたいと思います!

今日も最後までありがとうございました!

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