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ゆべ小説

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ゆべしちゃんが書いた小説とかです。 幻想怪奇っぽくなってたらいいなあ。
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#恋愛小説

イヴォカを待ちながら

イヴォカを待ちながら

 イヴォカ、君の右目は焼け、爆ぜ、鞣したようなピンクの肉芽。
ぼくはずっとそこに触れたかった。君はそこ以外なら何処でも触らせてくれたのにね。
 ああ、イヴォカ。ぼくが君に殺されてから99年たつ。
 ここは冬の海の底のように暗く、静かで、冷たい。いつも前髪に霜がおりて、鼻の先には氷柱が垂れ下がる。
 時々何かの力がぼくの魂を上へ引こうとする。優しい光とぬくもり。
そこに行ったらぼくはもう決してイ

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That Elf said "Marry me !!"

That Elf said "Marry me !!"

32歳の誕生日に、駅の改札口でエルフの待ち伏せにあい求婚された。

エルフが言うことには、自分はエルフの国の王族で、成人年齢の1000歳の誕生日になったら伴侶と見初めた相手に求婚しにいく習わしらしい。

エルフは端整な顔の美青年で、夜の海に融ける月の光のように美しい白金の長髪だった。

が、朝のミーティングに遅れそうな私はイライラしており、たちの悪いYouTuberか何かだろうと考え「

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