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ライブに行ったとTwitterで呟いたら浮かんできたこと。

ライブに行った。

と、Twitterで呟いてみてから思った。

これって大きな声で言っても良いんだろうか。


鍵をかけているわけでもない、誰かをブロックしているわけでもない私の呟きは、あらゆる人が見られるし、あらゆる検索で引っかかるんだろう。

例えば”ライブ”、例えば”ステージ”、例えばアーティスト名。

沢山のまとまらない考え方が混在している世界に、私の個人的な行動を晒しても良いんだろうか。

きっと隠した方が良いんだろう。

私は何もしていないんだ。

何もしていないかのように何でもないことを呟いて、どこにも行っていないかのように今日を終わらせるのが良いんだろう。

それが一番平和に過ごせるんだろう。


でも、だとしたら

私の好きな人がやってる事って何なんだろう。

ギリギリまでマスクをして、颯爽と私を感動させて、元気にさせて、直後にはすぐマスクをして。

決まりごとに従って換気をして。

検温、消毒にご協力お願いしたりして。

決まりごとに従って時間変更をしたり終了時間を気にしたりして。

こんな時だから来て来てとは言えないけどなんて言ったりして。

人数が限られているから、今回残念ながら来られなかった方ごめんなさいなんてカメラに向かって言ったりして。

スカスカに椅子を置いて。

何度も聞いてると思いますけどなんて、申し訳なさそうにマスク着用や声出しNGや接触NGのアナウンスをして。

帰ったら手洗いうがいをちゃんとしようねなんて声をかけて。

そこまでしてやっているこれって何なんだろう。

私がそこに協力してまで行ってるこれって何なんだろう。

それなのに隠そうとしているこれって何なんだろう。

分からない。

きっと考えても仕方ないし、考えたところで前向きにはならないんだろう。


もう20年以上前、何かの事件を起こした警察官のニュースを見て

「最近の警察官、悪いことばっかりするなぁ」

と言った私に、当時警察官だった父が

「警察は良い事をするのが当たり前じゃけぇ。悪い人を捕まえても、良い事をしても、テレビは取り上げんじゃろう」

と言っていたのを思い出した。

だから何だというわけではない。

それと並べるわけでもない。

ただ、決まり事をきちんと守って動いている場所や人はたくさんいる。

それが当たり前だと思っていて、その先が明るいと信じているから。

その人たちの行動や努力は、誰がどう埋めるのかは分からないけど、溢れる情報の奥の奥のさらに奥の方へ埋もれているんだろう。

だから、私は自分の行動を隠すべきかもしれないと思ってしまったんだろう。


それでも私は発信した。

なんでなんだろう。


マスクをして、声援をおくることもできないライブ会場で、誰もがそれを守って

拍手だけが唯一のリアクションで

拍手があるのは嬉しいねぇ。と言ってくれるけど

私の拍手技術が足りていないのか、それだけでは自分の気持ちの高揚を伝えきれない。

仕事で訓練してるマスク笑顔なんかよりも、圧倒的に自然にマスク笑顔が出来てるのには気付いてるけど

私のカチコチな表情筋では自分の感動を伝えきれない。

そもそも私の感情には瞬発力がない。


うんこみたいな存在の私の呟きなんて、ご本人には届かないんだけど

私が楽しかったよと思っていることや、私がありがとうと思っていること、私が感じたことが

ミジンコ程度の確率だろうがなんだろうが、伝わるかもしれない可能性があるなら、文字に起こしておきたい。

うんこみたいな私の言葉なんて、誰のどこにも引っ掛かるわけがないんだけど

ちょっと観てみようかなとか、ちょっと聴いてみようかななんて

ミジンコ程度の確率だろうがなんだろうが、誰かに思ってもらえる可能性があって

それが好きな人の活動や生活の何かになるんだとしたら、文字に起こしていきたい。


その可能性が大きくなるように私はできるだけその分母を大きくしたい。

あぁ、だからいろんなことを発信しようとしてるんだな。

日々のもやもやで1番芯の部分が霞んで見えなくなって、そうじゃなくなりかけていたけど

そうだそうだ。そうだった。

私は好きな人と、好きな人の居る場所を守りたいんだった。


おそらく沢山の人がそう思っていて、会場に居ても配信で観ていてもその気持ちに差はない。

それなのに時々、そこに溝や壁ができる。

それは音楽の場だけじゃなくて、いろんなジャンルで同じようなことが起こってるんだろう。

もったいないから、できれば仲良くしたい。

接触禁止だからリアルに手を取ることはできないけど、気持ちは手を取り合いたい。

そのために文字を並べて、言葉を使いたい。


ライブの配信アーカイブを観ながら、自分の気持ちを整理してみたら、そんな結論になった。

いや、結論というには早い気もする。


わけのわからないことをウダウダと並べてみたけど

結局、良いライブだったということ。

憧れの人と憧れの人がステージに並んで笑って歌ってる光景は、本当に夢のようだった。

こっちに居ても何もいいことがない。田舎に帰ろうか。なんて考えたりしていたけど

これが観れるならこっちに居てよかったな、と思った。

うん。もうちょっと頑張ろう。

ほらね、ライブってこんな力がある。

アーカイブは9月15日まで。

とっても面白くて、目が覚めるほどのパワフル声量で、情緒も引っ掻き回されて、素敵なライブ。

苦しいと楽しいの叫びみたいなものがぐるぐる詰まってた。心がぎゅっとなるくらい。

お時間とお財布に余裕があれば、ぜひ観てほしい。



ふむ。

自分の生活や精神すらグラグラしているのに

好きな人や場所を守りたいなんて

偉そうな事を言う。大きな事を言う。

笑ってしまうな。

笑ってしまうけど

末っ子だから仕方ないんだよな。



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