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温泉沈没紀行⑯【茨城県常陸太田市 横川鉱泉 巴屋旅館】

前回

2023年7月上旬、日帰りで常陸太田市北部に出現。良質な鉱泉を湛える2軒の宿を訪問しました。その前編です

朝。白河市「アビラ」の目玉焼きのせ朝カレー(平日限定朝メニュー)を喰らう。健康な休日は健康な朝餉から

ひたすらR349を南下し、常陸太田市「横川鉱泉 巴屋旅館」に到着。茅葺き屋根が見事な明治11年築の母屋

玄関から声をかけると女将さんが快く対応して下さった。母屋を正面に見て左手が浴室の入口になっている

横川温泉郷で唯一かけ流しの湯使いで源泉を提供。
2人サイズの小さな浴槽に落とされるぬるぬるの鉱泉はpH値10.1の強アルカリ性で、無限に身体中を摩りたくなること必至です

コンパクトな洗い場はシャンプー・ボディーソープをはじめ、必要最低限のものが備え付けられています。

成分表

こちらは昭和33年のもの

「横川鉱泉は全ての宿が同じ源泉を使用しているけれど、他の大きなお風呂の旅館が循環しているからうちは源泉のまま使えるの。お風呂も小さいし」

「お湯の汚れ具合で常連かそうでないかわかるよ」

穏やかな女将さんと暫し言葉を交わした。親しみのあるイントネーションが印象的で、会話しているこちらが和んだ

時たま帳場の奥から猫の鳴き声が聴こえたが、痩せて弱っていたものを見かねて保護したらしい。残念ながら姿は見えず

屋内の梁にはツバメが巣を作っていた。配線を伝って雛を喰らいにくる蛇を忌避する為、女将さんがビニールシートを貼ったとのこと。雑談している間もツバメが絶え間なく往来していました。

昨年女将さんが腰を骨折して以降、(余程の常連でない限り)宿泊客は受け付けていない。常連客は基本的に別館の1階に通され、食事の下膳なども自発的に手伝ってくれるらしい

「冬場は灯油代が嵩んでほぼボランティアみたいなもの…」
と女将さんは語った

浴室にはあたたかみのある注意書きが掲示されていた。鉱泉なので当然沸かす分のコストもかかるうえ、自然湧出の限りある源泉ですから、鮮度派の温泉フリークに是非訪れていただきたい良泉です

定休日 : 基本的に火曜日
入浴料金 : 500円(2023/7現在)

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