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「怒り」と上手に向き合う方法

「怒り」について考えたことはありますか?
誰しも怒った経験はあるはずです。または、あなたの周りによく怒る人がいるかもしれません。大抵の場合、そんな人と距離を置くことで解決できますが、職場の上司や部下、学校の先生や生徒、近所付き合いなど、距離を置くには限界がある場合も多くあります。今回はそんな「怒り」と上手に向き合う方法をご紹介します。

参考文献
『人生が大きく変わる アドラー心理学入門』
【著】岩井俊憲

怒りの根底にあるものは?

感情の中でもコントロールの難しい「怒り」の構造を知ることで、怒りを客観的に見つめられるようになります。
怒りは、怒りそのものだけで成り立っているものでななく、ある感情が怒りという形で表れているのです。
そして、怒りには「目的」があります。

怒りの目的

●怒りには、その根底に「○○であるべきである」や「○○しなければならない」という、その人固有の思想や信念などがある

●「べき」や「しなければならない」から外れる出来事が、誰かによって引き起こされたとき、「なんでそういうことになるんだ!」という怒りが発生する

怒りの代表的な4つの目的

①支配
親子、上司・部下、教師・生徒などの関係において

②主導権争いで優位に立つこと
夫婦間、同僚間、友人間などの関係において

③権利擁護
プライバシーをのぞかれたり暴かれたりする、人権を脅かされるなどの場面で

④正義感の発揮
ルールを守らない人に対する怒りなど、上記3つの目的が入り混じる

怒りは二次感情

●怒りの感情の根底には、不安・寂しさ・悲しみ・心配・落胆などの感情が潜んでいる

●これらの感情を一次感情という

●この一次感情が満たされないとき、怒りという二次感情を使って対応することが多くなる

怒りの相手役は、たいていの場合、他人ですが、自分自身に怒りの矛先が向かう場合もあります。この時の感情は、「激しい自己嫌悪」や「自責の念」となって表れます。

怒りが湧いたら、怒りの底にある感情を伝えよう


【例】
「また遅刻をしたのか。何度同じことをいったらわかるんだ!いいかげんにしろ!」

この怒りの根底にある感情は?
・注意しても繰り返すことへの「落胆」
・「上司として自分が注意されるかも•••」という「不安」
・なかなかひとり立ちできない部下への「心配」

このように、怒りの根底にはいろいろな一次感情が潜んでいます。これを、根底にある感情(一次感情)を伝える言い方に換えてみましょう。

【例】
「〇〇君、始業15分前には出社するように前回も伝えたけれど、今日もまた遅刻してがっかりしたよ。せっかくいい面もあるのに、同じことを繰り返してしまうと信用も失うし、君のこの先が心配になってしまうよ」


怒鳴られると嫌な気持ちにしかなりませんが、根底の気持ちを伝えられると、言われた相手は「こちらを思ってくれているんだ。やらなきゃ」という気持ちになります。

怒りは、瞬間的には効きますが、「はいはい。謝ればいいんでしょう」というような、その場しのぎで終わることが少なくありません。
こうなってほしいという目的を果たしたい、相手に受け入れてほしいと思うのであれば、怒りをぶつけるより、一次感情を相手に伝えたほうが効果的でもあり、建設的なのです。


今、職場や学校、家庭などで怒りの感情が原因でストレスを抱えているのであれば、一度、「怒り」について考えてみていかがでしょうか?
怒りの感情を理解することは、きっとあなたの武器になるはずです。


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